それは、ある日の書き込みから始まった…。
タイトル:未製作シナリオ
投稿者:PACIRUGO
投稿日:11月20日(火)12時52分39秒
編集人様こんにちは、ひとつ提案があります。ストーリー紹介に未製作に終わったシナリオも加えてはどうでしょうか?さすがに全部は難しいとは思いますが。ちなみに私が一番映像化して欲しかったのは、アンヌがメインの「300年間の復讐」です。
この作品は制作して欲しかったですねぇ…。
NHKドラマ「私が愛したウルトラセブン」で一部分が映像化されたので尚更です。結構有名なシナリオですが、手元にあるいくつかの資料を統合してプロットを紹介します。
『300年間の復讐』
脚本:上原正三
決定稿台本23、第2クール未制作。
アンヌは、ウルトラ警備隊の野戦訓練中に悪天候のため本隊とはぐれてしまう。不思議な雰囲気の林の中に迷い込んだアンヌは館を見つけた。アンヌの姿を見て仰天する宇宙人。彼は300年前に地球人の手によって妹シシーを殺されたトーク星人で、復讐のために武器を作り続けていたのだった。トーク星人が驚いたのには理由があった。アンヌは殺された妹シシーと瓜二つだったのだ。
アンヌの行方を捜すウルトラ警備隊とトーク星人は戦闘に入る。戦いを止めようとするアンヌ…。しかしトーク星人は倒され、その死体からは悪鬼が登場した。一転して形勢の逆転したウルトラ警備隊に悪鬼が迫る。戦闘の無意味さを悪鬼に必死に呼びかけるアンヌ。その姿に亡き妹シシーの面影を垣間見た悪鬼。やがて悪鬼は戦意を失ってセブンに敗れるのだった。
予定監督:野長瀬三摩地
登場宇宙人:トーク星人、悪鬼、甲冑人間(?)
「300年間の復讐」は上記のような内容でしたが、予算的な問題から脚本の上原正三氏のもとへ「もっと軽くできないか」という要請があり、上原氏もまた「軽くするわけにはいかない」ということで本作を引き下げて、代替に「明日を捜せ」を書いたそうです。この場合の「重い・軽い」というのは、予算的に「大変かかる・比較的かからない」という意味で、話の内容のことではありません。また「軽い」といってもあくまでも円谷プロの場合であって、通常の平均的な30分ドラマより重たかったことは間違いありません。
登場宇宙人に甲冑人間という記載があります。、資料にそうあったのでそのまま掲載しました。どのような役割で登場したのかはわかりません。しかし、甲冑人間のアイデアもしくはデザイン画が、27話のボーグ星人に引き継がれた可能性はありそうです。
タイトル:未使用シナリオ一覧
投稿者:PACIRUGO
投稿日:11月22日(木)12時40分32秒
編集人様こんにちは。ウルトラセブンの未使用シナリオとして以下の14本を確認しています。
@「光と影の挑戦」
A「漂流する惑星」
B「人間泥棒」
C「謎の怪獣地帯」
D「赤い群獣」
E「湖底の叫び声」
F「大激流」
G「宇宙人15+怪獣35」
H「黄金の種子」
I「半人間」
J「300年間の復讐」
K「認識票NO.3」
L「宇宙人を救え」
M「モロボシダンをねらえ」
B、Cなどはあまり知られていないのではないでしょうか(いずれもソガがメインのストーリーです)。K、L、Mは生原稿の段階でNGとなっており台本が印刷されていないようです。
このうちKは「金城哲夫傑作シナリオ集 ノンマルトの使者」(1985年 宇宙船文庫)に収録されており内容がわかるのですが、L、Mの内容は不明です。
タイトル:長くてすみません
投稿者:ジョン太
投稿日:11月21日(水)22時03分45秒
ところで、セブンの未使用シナリオは手持ちの別冊テレビくん(昭和53年発行)によると「漂流する惑星」が「散歩する惑星」に「セブン暗殺命令」が前後編になって「セブン暗殺計画」に「大激流」が「水中からの挑戦」に、との記載があります。
また、没となったものでは、シャドウとSS星人シャインの争いにアンヌが巻き込まれてしまう「光と影の挑戦」絶望と怨念の物語「三百年間の復讐」水棲獣人ピニア(着ぐるみがペロリンガ星人に流用されたと何かで見た気がします)と怪獣ヤモが地球移住のために暗躍する「湖底の叫び声」など。参考になれば幸いです。
素晴らしい!
強力な情報をいただきました。とりあえずここまでの情報を整理します。
未使用シナリオとして確認されているうち、タイトル変更などで使用されたものもあるようですので、新タイトルやプロット、結果を矢印の後に記します。また作品名後の括弧は執筆脚本家です。
@「光と影の挑戦」(不明)→シャドウとSS星人シャインの争いにアンヌが巻き込まれてしまう→ボツ
A「漂流する惑星」(虎見邦男)→「散歩する惑星」。虎見邦男氏追悼作品。
B「人間泥棒」(不明)→主:ソガ
C「謎の怪獣地帯」(不明)→主:ソガ
D「赤い群獣」(不明)→?
E「湖底の叫び声」(不明)→水棲獣人ピニアと怪獣ヤモが地球移住のために暗躍する→ボツ(代替作「他人の星」→「盗まれたウルトラ・アイ」)
完成済みのビニアは頭部を新調しボディーを塗り替えてペロリンガ星人に改造。
F「大激流」(若槻文三)→「水中からの挑戦」
G「宇宙人15+怪獣35」(上原正三・川崎高)→重すぎてボツ(代替作「夜毎の円盤」→「円盤が来た」)
H「黄金の種子」(不明)→?
I「半人間」(不明)→?
J「300年間の復讐」(上原正三)→重すぎてボツ(代替作「明日を捜せ」)
K「認識票NO.3」(金城哲夫)→生原稿NG
L「宇宙人を救え」(不明)→生原稿NG
M「モロボシダンをねらえ」(不明)→生原稿NG
以上のように整理すると、AFは新タイトルで制作されたので、未使用リストからは除外できるようです。
次に、他のシナリオですが内容が判明しているものにGJがあります。J「300年間の復讐」は先に記しましたので、G「「宇宙人15+怪獣35」の概要を以下に載せます。
『宇宙人15+怪獣35』
脚本:上原正三・川崎高
準備稿台本43、第4クール未制作。
皆既月食の夜、四度地球に来襲したバルタン星人を追跡したセブンは、地球に接近する怪獣群と出くわして対戦。怪獣たちを倒すが自らも傷ついてしまった。そして傷ついたセブンを尻目に円盤群は続々と地球に結集し、やがて東京に怪獣軍団が集まった。これは地球侵略に失敗した15人の宇宙人たちが手を組んで、やはり今までに敗れ去った35匹の怪獣を蘇生させて結成した「宇宙連合軍」であったのだ。
この情報をなぜか蘇生したピグモンから得た地球防衛軍は、宇宙連合軍の東京壊滅計画を阻止すべく行動を開始するが、いかんせん35匹もの大怪獣群の前ではなす術もない。傷ついたセブンも怪獣に向かうが、力尽きてしまった。地球のピンチである。その時セブンは黄金に輝く大怪獣ゴードを召集する。天空から舞い降りたゴードは怪獣群を退治して、また天空に帰っていった。
予定監督:実相寺昭雄
登場宇宙人等:バルタン星人、メフィラス星人、ペガッサ星人、ゴドラ星人、スペル星人、イカルス星人、ボーグ星人など15体。
ケロニア、ギガス、ギャンゴ、キーラ、ウー、レッドキング、テレスドン、ジェロニモン、ペギラ、スカイドン、ザンボラー、サイゴ、ゴルゴス、トドラ、ネロンガ、ギラドラス、ガンダー、エレキング、ゲスラ、ペスター、ウインダム、アギラ、ピグモン、金星怪獣ゴードなど怪獣35体。
ウルトラマンの「禁じられた言葉」(メフィラス星人・バルタン星人・ケムール人・巨大アキコ隊員)と「小さな英雄」(ジェロニモン・ピグモン・ドラコ・テレスドン)とが一緒になったようなプロットですが、セブンも終盤にさしかかり予算的な制約もあって全体としてチマチマした空気が現場を覆っていたことに対するアンチテーゼの意味合いも強かったようです。
ストーリー再録#43「第四惑星の悪夢」にも引用しましたが、あらためて上原正三氏の著作から紹介します。
「…ウルトラセブンでは共同脚本を含めて相当数書くことになった。中でも第四十三話「第4惑星の悪夢」は忘れがたい。第四十四話『円盤が来た』(制作話数)と共に川崎高・上原正三共同脚本、監督・実相寺昭雄、特技監督・高野宏一になっているが、私が書いたのは『第四惑星の悪夢』一本。『円盤が来た』は川崎が書いた。川崎は実相寺のペンネームである。
初めは怪獣をわんさか出そうと言うことから始まった。ウルトラセブンも終盤にかかり、赤字の累積がやまず安く早くが制作サイドの注文であった。しからばこれまでの怪獣たちを総動員して『宇宙人15+怪獣35』というド派手なシナリオを書いた。このところ引き締めがきつく全体に作品がちまちましている。そうしたムードをぶっ飛ばすつもりで書いたのだが、やり過ぎと言われ、『第四惑星の悪夢』になった。(上原正三、※8)
「第四惑星の悪夢」のロボット長官がもっとも記憶に残っていた自分としては、つくづく「怪獣わんさか」にならなくてよかった、と思います。
タイトル:未使用シナリオ「謎の怪獣地帯」
投稿者:PACIRUGO
投稿日:11月29日(木)12時51分06秒
『謎の怪獣地帯』(準備稿)No.37
脚本:藤川桂介
特殊技術:高野宏一
監督:鈴木俊継
登場人物
キリヤマ隊長 中山昭二
ダ ン隊員 森次浩司
ソ ガ隊員 阿知波信介
フルハシ隊員 石井伊吉
ア マ ギ隊員 古谷敏
ア ン ヌ隊員 菱見百合子
上 野隊員
関 根隊員
青 年A、B、C(女)、D
バスの乗客
ヒポック星人
怪獣ヤモ
ウルトラセブン 上西弘次
ナレーター 浦野光
Aパート
恐山山麓から動物達が次々と姿を消してから一ヶ月後、得体の知れない怪獣が、森の中を動き廻るという噂がひろまった。防衛軍は恐山の防衛軍地質研究所の関根隊員に、そのパトロールを命じた。パトロール中に巨大な足跡を発見した関根隊員は、追跡中に洞穴に閉じ込められ、突如吹き出した煙に包まれてしまう。
関根隊員との連絡がとれなくなり、キリヤマはダンとソガに調査を命じた。ダンとソガは附近を捜索したが関根隊員を発見できず、観測所の日誌も三日前で止まっていた。
恐山の麓の町で二人の警察官が怪獣化した関根に襲われた。関根は背広こそ着ているが、顔は見るかげもなく変貌しており、目が光り、爪が鋭く長く伸びている。
事件の通報を受けたウルトラ警備隊は現場に急行、ダンとソガは地表に点々と落ちている血痕を追う。追い詰められた関根は白煙を吐きソガに浴びせかけるが、ダンのレーザーガンに倒される。倒された怪獣はもとの関根に戻っていた。
関根の遺体を解剖した上野博士は、関根の体内のある成分が動物を怪獣化させる作用があることを発見する。関根の吐く白い灰を吸いこんだソガは、検診を受けるようにダンたちに勧められるが拒否する。ソガは怪獣化の恐怖に襲われる。
Bパート
ソガと関根の血液を調査していた上野博士は両方に共通の成分を発見、キリヤマに報告した。キリヤマはソガに治療に専念させるため、恐山の調査からソガを外す。ダン、フルハシ、アマギ、アンヌは関根の拳銃が落ちていた洞穴を発見、奥の水の溜まり場ではダンが潜水調査に向かっていた。溜まり場の地下はヒポック星人の基地になっており、基地内は檻に閉じ込められたありとあらゆる動物で囲まれていた。ヒポック星人は動物たちを怪獣化して地球征服の武器にしようとしていたのだ。ヒポック星人の攻撃を受けたウルトラ警備隊はポインターからミサイルを発射、洞穴を攻撃すると激しい地震が起こり、原生怪獣ヤモが出現する。しかしヤモもポインターからのミサイル攻撃を受けると洞穴に落ちていき、ヒポック星人の基地は崩壊する。
怪獣化が止まらず、調査にも参加できないソガは防衛軍を離れる決意を固め、他の隊員たちに別れを告げる。そのとき、一旦は姿を消した怪獣が再び恐山に出現したとの通報があった。制止するキリヤマを振り切ってソガは恐山へ向かう。
ヤモの攻撃を受けたダンはセブンに変身、ヤモにビーム光線を当てるとその目で反射したビームがソガにも当たる。セブンが倒れていたソガを起こすとソガは元の姿に戻っていた。セブンはヤモにエメリュウム光線、続いて放射線を当てる。ヤモは白煙に包まれ、それが消えると一匹の小さなヤモリになっていた。
ダンに支えられてくるソガ、信じられない表情のフルハシが駆け寄って抱きつく。
ナレーション「地球が怪獣に征服される。いや、動物を怪獣化する侵略者が、いつ現れるとも限りません。お宅のポチもちゃんと鎖でつないであるでしょうね?」(終)
ソガとヤモが元に戻る場面の説明が苦しい感じがします。セブンが放射線を出すという設定も初出でしょう。脚本中にヒポック星人とヤモの容姿についての説明は一切ありませんが、ヤモは名前のとおりヤモリの巨大化した姿なのでしょう。登場人物について補足しておくと、青年A、B、C(女)、DはAパート冒頭の森の中で足跡と村人の死体を発見し、巨大なトカゲに狙われるシーンに、バスの乗客は再度現れたヤモから逃げるシーンに登場します。
「謎の怪獣地帯」は製作No.37ですが、「湖底の叫び声」、「他人の星」も同じくNo.37になっています。順番として最初に「謎の怪獣地帯」が準備稿でNGに、次に「湖底の叫び声」が決定稿まで行きながらNGとなり、最終的に「他人の星(放映題は「盗まれたウルトラアイ」)」が製作されたと思われます。怪獣が登場せず、制作費がかからないというのが一番の理由かもしれません。
いただきました!
さすらいのシナリオ研究家(←さすらってないって!)こと、PACIRUGO氏のご提供です。
PACIRUGO氏の指摘にもあるとおり、ソガとヤモが元に戻る場面の説明は苦しいですね。またその場しのぎの「よくわからん光線」も登場するようです。制作37話予定であれば、VTR&DVD「モロボシダン〜私の愛したウルトラセブン」にある市川森一氏のコメントからも制作予算の問題からお蔵入りしたことが想像に難くありません。
また、地球防衛チームの一員が敵になる可能性を示唆するというのもかつてなかった斬新な設定ですね。それにしてもこれが制作されていたとしたら青年C(女)はやっぱり若山真樹嬢が演じたのでしょうか…。
したがって37話関連では、、
C「謎の怪獣地帯」(不明)→ E「湖底の叫び声」(不明)→「他人の星」(市川森一)→「盗まれたウルトラ・アイ」(改題して制作)
という変遷があったと考えられます。
また別の資料によりますと、「湖底の叫び声」に登場予定だった水棲獣人ピニアの着ぐるみは昭和43年4月下旬には高山良策氏の手によって完成されていたそうです。37話の放映予定は6月16日だったので、制作スケジュールから考えると、かなり急に変更が決定されたのですね。こうなると気にかかるのがドタキャンされた「湖底の叫び声」です。
タイトル:昔の本は捨てられない
投稿者:ジョン太
投稿日:12月 2日(日)00時24分00秒
以前あらすじだけ書き込んだ未使用シナリオを原文のまま転載します。
『湖底の叫び声』
脚本:藤川桂介
深山湖に住む五代信一郎博士の娘、美耶子が青白い半魚人にさらわれてしまった。U警備隊の捜査もむなしく、湖底には何も発見できない。実は半魚人の正体は、水棲獣人ピニヤであった。地球移民を企むピニヤには博士の開発したクロロマイト鉱石で水を無菌状態にすることが必要なのだ。娘を人質に協力を迫るピニヤ。だが、ダンの活躍で、円盤基地は破壊され、背後の森林から出現した怪獣ヤモも、セブンのアイスラッガーに寸断された。美耶子も無事父のもとに帰った。
登場するメカは湖底調査船レイク・ダイヴァ号が設定されている。制作予定は第37話。
ジョン太氏からナイスな情報です。
プロットからは、着ぐるみが2体、新メカの湖底調査船、特撮セットには湖と円盤基地などが必要なことが読み取れます。
制作37話周辺を整理してみましょう。
制作32話「散歩する惑星」&制作33話「必殺の0.1秒」、野長瀬組。
制作34話「侵略する死者たち」&制作35話「蒸発都市」、円谷組。
制作36話「月世界の戦慄」&制作37話「盗まれたウルトラ・アイ」、鈴木組。
こう並べてみると、ある共通点が見えてきました。
監督別カップリング作品のうち一本は、特撮ステージでセブンと敵との肉弾戦が行われているのに対し、もう一本はプロレスは行わず、セブン絡みのシーンを操演や人間大などでかわしているという点です。逼迫した予算とスケジュール、両面からの要請だったのでしょう。このような流れの中で「湖底の叫び声」は制作中止に追い込まれたのだと推測されます。
着ぐるみについては前述したように既に一体(ビニア)は完成しており、もう一体も完成間近だったと考えられます。ヤモという名称から両生類っぽい水中怪獣だったのでしょうか。だとするとテペトやガイロスへの流用というのが考えられますが、双方ともにデザインを一般公募した怪獣ですので他からの改造は困難と思われます。「ブースカ」などへ流用されたか他社へ売却されたことも考えられます。
また、湖と円盤基地という設定は「ノンマルト」や「カッパちゃん」を想起させます。この2作は、会社思いの満田監督担当回でしたので、制作中止になったもののある程度まで出来上がっていた小道具類をこちらへ流用したもの推測されます。
同時にもう一本のプロットもいただいております。
@「光と影の挑戦」です。
タイトル:昔の本は捨てられない
投稿者:ジョン太
投稿日:12月 2日(日)00時24分00秒
『光と影の挑戦』
脚本:藤川桂介
せっかくの休日にダンとのデートをすっぽかされたアンヌは、地球略奪計画をめぐるシャドウとSS星人シャインCの争いに巻き込まれてしまった。一方のダンは、SS星人の円盤を発見、基地に通報した後、レッドマンに変身してシャドウと戦う。だがシャドウは背後からシャインAに斬り殺され、その機に乗じてレッドマンはシャインを倒して円盤を破壊した。アンヌは防衛軍基地の病院でやっとダンと会うことが出来た。
「ウルトラアイ」の題名がつけられている未使用シナリオ。これによれば、ダンとアンヌはキリヤマ隊長も認める公認の仲のようだ。SS星人シャインはAからDまで登場する。
番組タイトルが「ウルトラ・アイ」(仮題)だったころのものですか。ダンとアンヌの関係がより親密な関係として設定されていたようですね。この設定で制作されていたとすると…?…などという想像も楽しいものです。
とある筋から、未制作シナリオの脚本担当者と監督予定者のリストを入手しましたので、先の一覧表@〜Mの空欄を埋めてみます。太字が新たに判明した事項で、ナンバリングは制作予定話数です。また、予定話数と制作作品との整理の関係上、丸数字を動かしますのでご了承ください。
@「光と影の挑戦」(
藤川桂介),?→SS星人シャイン&シャドウ登場→シャインとシャドウの争いにアンヌが巻き込まれてしまう→ボツ、「ウルトラ・アイ」時代のシナリオ。
A「人間泥棒」(
金城哲夫)
14→
監督:鈴木俊継→主人公:ソガ
B「赤い群獣」(
藤川桂介),?→?
C「黄金の種子」(
山田正弘)aH→?
D「半人間」(不明)→?
E「300年間の復讐」(上原正三)
23→
監督:野長瀬三摩地→トーク星人登場→重すぎてボツ→代替作:制作23話「明日を捜せ」
F「漂流する惑星」,?
+「マンダスの島」,?(原案:虎見邦男)→制作32話「散歩する惑星」(山田正弘・上原正三)。虎見邦男氏追悼作品。レッドマン時代の原案。
G「謎の怪獣地帯」(
藤川桂介)37→
監督:鈴木俊継→主人公:ソガ→ボツ→代替作「湖底の叫び声」(決定稿)
H「湖底の叫び声」(
藤川桂介)37→
監督:鈴木俊継→水棲獣人ピニア&怪獣ヤモ登場→ビニアとヤモが地球移住のために暗躍する→決定稿から制作中止→代替作:制作37話「他人の星」→改題「盗まれたウルトラ・アイ」
※完成済みのビニアは頭部を新調しボディーを塗り替えてペロリンガ星人に改造。
I「大激流」(若槻文三)
43→監督:満田かずほ→
バンドラ星人&怪獣バンドラ登場→大幅に改変して「水中からの挑戦」として制作。
J「宇宙人15+怪獣35」(上原正三・川崎高)43→監督:実相寺昭雄→重すぎてボツ→代替作:制作43話「夜毎の円盤」→改題「円盤が来た」
K「認識票NO,3」(金城哲夫)→生原稿NG
L「宇宙人を救え」(不明)→生原稿NG
M「モロボシダンをねらえ」(不明)→生原稿NG
これらのうちKのプロットが判明しましたので掲載します。
『認識票NO,3』
脚本:金城哲夫
ワイ星探検からただひとりの生還者であるキャプテン・マキノは、透明怪獣ジャッキーに襲われた。勇気ある探検隊長としてヒーローに祭り上げられていたマキノだったが、その裏ではワイ星のクレバスに落ちた隊員たちを置き去りにして、ひとりで逃げ帰ってきていたのだった。
マキノは生存者などいるはずもないと思っっていたが、NO,3の認識票を持つ隊員がひとり、ワイ星の厳しい環境下で、魂だけの生命体になって生き延びた。隊員はワイ星に生息する怪獣ジャッキーを手なずけて、復讐のためにジャッキーと地球へやって来たのであった。
マキノの命を奪ったジャッキーはセブンの手で倒される。復讐の終わった魂だけの隊員は、隊員の誇りだった認識票NO,3を地上に残し、宇宙の何処かへと去っていくのだった…。....
エンターティナー金城哲夫氏の作品にしては無理に重たくしている気がします。第3クール以降の橋本路線の影響と思われます。テーマ性に傾きすぎて、地球人同士の恨みによる復讐劇という設定が、セブンとしては今ひとつと判断されたようですね。何だか「怪奇大作戦」みたいなプロットです。
また、同じ金城氏の「狙われた街」に、「ワイ星探検の時持ち帰られた宇宙ケシの実」というセリフがありますね。ワイ星の「Y」には何か別の意味が隠されているような気がします。行きつけの飲み屋のネーちゃんのイニシャルとか…。←また、それかい…。
タイトル:未使用シナリオ紹介
投稿者:PACIRUGO
投稿日:12月10日(月)20時36分23秒
『人間泥棒』(準備稿)No.14
脚本 金城哲夫
監督 鈴木俊継
登場人物
モロボシ・ダン 森次浩司
友里 アンヌ 菱見百合子
キリヤマ隊長 中山昭二
フルハシ隊員 石井伊吉
ア マ ギ隊員 古谷敏
ソ ガ隊員 阿知波信介
警 官(30才)
上 田(28才)
その夫人(28才)
ルバン星人(ぬいぐるみなし)
キャンダー(怪獣)
ウルトラセブン 上西弘次
その他 子供二人、若い女性二人、乗用車の男女、防衛隊員若干名
赤ん坊がベビーベッドごと空を飛び消失する事件が起こった。消えた赤ん坊は、崖崩れに巻きこまれて重傷を負ったソガとともに監禁されていた。地球人を食用人間とするための実験材料として持ち帰ろうとしていたルバン星人の仕業だったのだ。ルバン星人は怪獣キャンダーを地球防衛軍内部に送りこんでレーダーを停止させ、その隙に地球を脱出しようとする。しかしセブンとソガの活躍により赤ん坊は無事に取り戻され、宇宙船は墜落して炎上する。
エンディングナレーション「地球より重いもの−それは人間のいのちです。例え、一人の人間であろうと、その生命を救うことは、地球を守ることと等しく価値のある仕事だと、地球防衛軍の隊員たちは教えられていたのです」(終)
登場人物の補足
子供二人…怪獣のぬいぐるみを見知らぬ男から預かり、それで栗拾いの女性を脅かす
若い女性二人…栗拾いにくるが、怪獣のぬいぐるみに驚き逃げ出す
上田とその夫人…誘拐された赤ん坊の両親
警官…怪獣のぬいぐるみを地球防衛軍に届ける
乗用車の男女…お面の男(実はソガ)が止めようとした乗用車に乗っていた
「人間泥棒」は製作No.14となっており、「闇に光る目」と同じですので、「人間泥棒」をNGにして「闇に光る目」を製作したようです。ルバン星人の容姿は「耳たぶの長い、マユのない人間」、キャンダーは「目、鼻、触覚があり、目が光る」としか書かれていません。ルバン星人の名称は「泥棒→怪盗アルセーヌ・ルパン」の連想ではないかと思います。
制作14話「闇に光る目」は、テーマ的にも制作順序は後の正月用特番「ウルトラ警備隊西へ」とダブってしまって、地味な一篇という位置付けにあることは否めないと思います。また、何故に同じテーマの作品を続けて放映したのかという議論をまま見受けられます。
ところで、「人間泥棒」のプロットですが、「…ルバン星人は怪獣キャンダーを地球防衛軍内部に送りこんでレーダーを停止させ、その隙に地球を脱出しようとする…」。どこかで見たことのあるような内容ではありませんか?…。そう、制作25話「零下140度の対決」のガンダーの防衛基地突入と酷似しています。また、エンディングナレーションの語らんとするところは、制作24話「北へ還れ!」のテーマと被るところが感じられます。制作14話の時点ではボツとなったシナリオですが、金城哲夫氏は内包するアイデアやテーマを分割して、後日の作品へ振り分けたのではないでしょうか。
タイトル:未使用シナリオ紹介(2)
投稿者:PACIRUGO
投稿日:12月13日(木)12時50分30秒
赤い群獣(準備稿)No.なし
脚本 藤川桂介
登場人物
キリヤマ隊長 中山昭二
ダ ン隊員 森次浩司
ア ン ヌ隊員 菱見百合子
フルハシ隊員 石井伊吉
ソ ガ隊員 阿知波信介
ア マ ギ隊員 古谷敏
タケナカ参謀 佐原健二
通信員
阪本
警官A、B、C
捜査課長
健一
あや子
防衛隊員、鑑識員等
ブラックマン(チーフ)
ブラックマン(助手)
ウルトラセブン 上西弘次
ナレーター 浦野光
研究用の蜜蜂が運搬中に盗まれた。運搬を担当していたフルハシはその責任を問われる。盗まれた蜜蜂は清澄川の排水で突然変異を起し、赤い群獣となって人間を襲い始めた。ブラックマンが小型発信機を使って操っていたのだ。ダンはブラックマンが潜む養蜂場へ飛び込むとセブンに変身、襲いかかる赤い群獣を凍結して死滅させる。フルハシは逃亡を図るブラックマンの乗るヘリコプターを撃墜して名誉を回復した。
エンディングナレーション「街は綺麗に、自然は自然のまま、美しくしておきたいものです。また、いつ廃液の中から、煤煙の中から、恐怖の怪獣が出て来るかも知れません」
「赤い群獣」には製作Noがありませんが、脚本にはS43.3.22の日付の書込みがあり、No.34「侵略する死者たち」、No.35「蒸発都市」の準備稿とほぼ同時に執筆されたようです。赤い蜜蜂の大群が人間を襲うシーンなどは映像化が難しかったのでは思います。なおブラックマンの容姿については一切説明がありません。
追記:生原稿でNGとなった「宇宙人を救え」と「モロボシダンを狙え」はともに東山純氏の作だそうです。
流浪のシナリオハンター(流浪なんかしてないって!)PACIRUGO氏、鉄腕稲尾様のような勢いの情報ご提供です。
PACIRUGO氏のご指摘通り、制作
話数は未定ですが、よく見ると登場人物欄にタケナカ参謀の名前があります。タケナカ参謀を演じた佐原健二氏のセブン登場話数は、#1、#2、#4、#19、#21、#22、#24、#26、#35、#39、#40、#49ですので、日付から推測される制作35話あたりが、「赤い群獣」として想定されていたのではないでしょうか。何故ならば、当時の東宝大スター佐原氏のスケジュール押さえは、円谷プロの脚本選定より重かったと思われるからです。したがって、制作35話には佐原氏の出演ありき、という前提があったのだと考えられます。
それでは最新情報に即してリストを修正します。今回判明した新事実が太字です。
@「光と影の挑戦」(藤川桂介),?→SS星人シャイン&シャドウ登場→シャインとシャドウの争いにアンヌが巻き込まれてしまう→ボツ、「ウルトラ・アイ」時代のシナリオ。
A「人間泥棒」(金城哲夫)14→監督:鈴木俊継→
地球人を食用人間とするための実験材料として持ち帰ろうとしたルバン星人の陰謀
B「赤い群獣」(藤川桂介),?→
排水で突然変異した蜜蜂をブラックマンが操って人間を襲わせる。
C「黄金の種子」(山田正弘)aH→?
D「半人間」(不明)→?
E「300年間の復讐」(上原正三)23→監督:野長瀬三摩地→トーク星人登場→重すぎてボツ→代替作:制作23話「明日を捜せ」
F「漂流する惑星」,?+「マンダスの島」,?(原案:虎見邦男)→制作32話「散歩する惑星」(山田正弘・上原正三)。虎見邦男氏追悼作品。レッドマン時代の原案。
G「謎の怪獣地帯」(藤川桂介)37→監督:鈴木俊継→ソガが怪獣になる?→ボツ→代替作「湖底の叫び声」(決定稿)
H「湖底の叫び声」(藤川桂介)37→監督:鈴木俊継→水棲獣人ピニア&怪獣ヤモ登場→ビニアとヤモが地球移住のために暗躍する→決定稿から制作中止→代替作:制作37話「他人の星」→改題「盗まれたウルトラ・アイ」
※完成済みのビニアは頭部を新調しボディーを塗り替えてペロリンガ星人に改造。
I「大激流」(若槻文三)43→監督:満田かずほ→バンドラ星人&怪獣バンドラ登場→大幅に改変して「水中からの挑戦」として制作。
J「宇宙人15+怪獣35」(上原正三・川崎高)43→監督:実相寺昭雄→重すぎてボツ→代替作:制作43話「夜毎の円盤」→改題「円盤が来た」
K「認識票NO,3」(金城哲夫)→
地球人に見捨てられた地球人の復讐話→生原稿NG
L「宇宙人を救え」(
東山純)→生原稿NG
M「モロボシダンをねらえ」(
東山純)→生原稿NG
以上12作のうち、
藤川桂介氏の手による作品が4作もあります。藤川氏のセブンには 、#16「闇に光る目」、#27「サイボーグ作戦」、#30「栄光は誰れのために」、#39・40「セブン暗殺計画」(前後篇)の5本がありますが、採用本数の割にボツが多かったように思われます。この辺りの事情について藤川氏は、セブンの後番組「怪奇大作戦」への思い出として、「プロデューサーが橋本さんに変わって、狙いどこがガラッと違うんですよ。橋本さんは絶対的にドラマを中心にして、いわゆるテーマ性のあるものと強く出してきますんでねエンターテイメント性を追っていくものから、テーマ性を追っていくものに急に変わりますから、どうやりゃこの人満足するのかなって。それまで接触もなくて、気心が知れないから、何を書けば橋本さんが満足するのかって迷ってしまって苦しかったですよ」(「怪奇大作戦大全」双葉社より)と、述べられています。藤川氏は「怪奇大作戦」全26話中、たったの2話しか脚本を提供していません。それも「飯島さんがやりたいって言ってくれてたから」と、飯島敏宏監督の担当回に提供しているに過ぎません。藤川氏のボツ作品のうち「ウルトラ・アイ」時代の「光と影の挑戦」を除く3話はすべて橋本プロデューサーに変わった以降の時期のものです。異例なのは、#39・40「セブン暗殺計画」(前後篇)ですが、これは飯島監督のウルトラ復帰作でもあるエンターテイメント作品なので、監督の意向が通ったのだと思われます。また、同じTBSの社員であった橋本プロデューサーと飯島監督では監督の方が先輩なので、後輩である橋本氏が「ウルトラを創った男」に敬意を表した、とも考えられます。
新たな名前が出てきました…。東山純氏、聞いたことない名前ですね。
「怪奇大作戦」へ脚本を提供し、且つ監督も務めた東宝の名監督、福田純氏のペンネームでしょうか?…。福田氏は「怪奇大作戦」の企画時から起用が予定されていたそうなので、1968(昭和43)年の春先、即ちプロデューサーが橋本氏に変わった直後から円谷作品と何らかの関わりを持つことが既定路線だったのです。そこで筆も立つ福田氏が執筆したことも十分に考えられると思います。ちなみに福田氏は監督として、アンヌも出演した「地球攻撃指令ゴジラ対ガイガン」、「ゴジラ対メガロ」(脚本も)、「ゴジラ対メカゴジラ」の3作でメガホンをとりました。
タイトル:未使用シナリオ紹介(3)
投稿者:PACIRUGO
投稿日:12月17日(月)12時56分27秒
黄金の種子(準備稿)No.なし
・脚本 山田正弘
・登場人物
モロボシ・ダン
キリヤマ隊長
ソ ガ隊員
フルハシ隊員
ア マ ギ隊員
ア ン ヌ隊員
ウルトラセブン
明少年(小5)
ツトム(小5)
強 夫(小5)
広告社の老人
〃 社員
その他
ゴビラ星人
怪生物ゴビ(小・中・大)
東京を中心に十数件に及ぶ原因不明の少年の失踪事件が発生した。行方不明になった少年たちは少年週刊誌の広告に出ていた「黄金のなる種子」を持っていた。黄金のなる種子は実は生物ゴビで、地球を征服するためにゴビラ星人が送りこんできたのだ。ウルトラ警備隊はすべてのゴビを回収し、レーザーで焼却する。しかし黄金の種子を惜しむ少年の前に再びゴビが現れた。子供たちが黄金の種子を望む欲望を持っている限りゴビを退治することはできないのだ。ダンはセブンに変身するが、ゴビは強くたちまち窮地に立たされてしまう。キリヤマはテレビを通じて全国の子供たちに欲張りの気持ちを捨てるよう訴えた。動きの鈍くなったゴビをセブンはバリヤで包み、宇宙のかなたへ運び去ってゆく。
アンヌのモノローグ「もしかしたら、宇宙人より、もっと恐ろしいのは‥‥‥わたしたち人類の中にひそんでいる心の中の敵かもしれないわ‥‥‥」(終)
「黄金の種子」には製作Noがありませんが、脚本には1.29(恐らくS43)の日付の書込みがあり、No.28「700キロを突っ走れ!」の準備稿とほぼ同時に執筆されたようです。ゴビは水をやると大きくなり、体から管を伸ばして巻きつけるとありますので、ワイアール星人のような植物怪獣をイメージしていたようです。ワイアール星人の着ぐるみを流用する予定だったのかもしれません。
PACIRUGO氏からの最新情報です。
登場怪獣のゴビは、ワイアール星人のような植物系のイメージですか…。
なるほど製作されなかった理由がちょっぴりわかったような気がします。
というのもウルトラシリーズでは、
「ウルトラQ」#4「マンモスフラワー」で古代植物ジュランが、
「ウルトラマン」#5「ミロガンダの秘密」で食肉植物グリーンモンスが、
「ウルトラセブン」#2「緑の恐怖」で生物Xワイアール星人が、
主役として登場し、また脇役でも
「ウルトラマン」#8「怪獣無法地帯」、#26「怪獣殿下(前篇)」、「ウルトラセブン」#18「空間X脱出」(?)に、スフランが登場しています。
しかし、植物系主役は一言でいうと「人気がない」のです。
スフランを除いた植物系主役の回は視聴率的に伸び悩んでおり、また子供たちの人気投票でもランクは低く、造形の地味さもあってソフビ人形にもしづらいという諸々の事情が重なっていたようです。このような背景から、植物系はボツにされたのではないでしょうか。但しスタッフ側は植物系モノは形にしたかったようです。なぜならば、3シリーズともに植物系が早い放送回に登場しているからです。人気さえでれば植物系の話をやりたかったものと考えられます。いつも動物系怪獣や人間型宇宙人では世界観が固定してしまうというものです。
こう考えて「黄金の種子」(準備稿)を読み返すと、どうにかしてバリエーション豊かなシリーズにしたかった制作陣の心意気が伝わってくるような気がします。
久方ぶりに新情報を入手しました。
タイトル:未使用シナリオ
投稿者:ウルトラQ太郎
投稿日:8月26日(月)08時39分
はじめまして。「未使用シナリオを追え」、ナイスな企画です。
そこで「半人間」が現在も不明のままになっているのに気が付きました。
既に詳細が判明していたらごめんなさいなのですが、
これは「サイボーグ作戦」へと変わっていった準備稿のはずです。
「半人間」のストーリーについて何で紹介されていたかは失念しましたが、
放映作の「サイボーグ作戦」では、野川隊員は事件終息後に恋人と結婚式を挙げる、というハッピーエンドでしたが、「半人間」では改造人間の悲しみを背負い、
恋人と別れて新たな任地の宇宙へと旅立って行きます。
お〜素晴らしい!
編集人自身も忘れていた?「未使用シナリオを追え!」ページ…。
いやいや、そんなことはないのですが…。
とにもかくにも、ウルトラQ太郎様、感謝です。
それでは最新情報に即してリストを修正します。←なんと9ヵ月ぶり!
@「光と影の挑戦」(藤川桂介),?→SS星人シャイン&シャドウ登場→シャインとシャドウの争いにアンヌが巻き込まれてしまう→ボツ、「ウルトラ・アイ」時代のシナリオ。
A「人間泥棒」(金城哲夫)14→監督:鈴木俊継→地球人を食用人間とするための実験材料として持ち帰ろうとしたルバン星人の陰謀。
B「赤い群獣」(藤川桂介),?→排水で突然変異した蜜蜂をブラックマンが操って人間を襲わせる。
C「黄金の種子」(山田正弘)aH→人間の欲を利用して地球征服を企てた植物系宇宙人ゴビラ星人。
D「半人間」(藤川桂介)aH→27「サイボーグ作戦」。
E「300年間の復讐」(上原正三)23→監督:野長瀬三摩地→トーク星人登場→重すぎてボツ→代替作:制作23話「明日を捜せ」
F「漂流する惑星」,?+「マンダスの島」,?(原案:虎見邦男)→制作32話「散歩する惑星」(山田正弘・上原正三)。虎見邦男氏追悼作品。レッドマン時代の原案。
G「謎の怪獣地帯」(藤川桂介)37→監督:鈴木俊継→ソガが怪獣になる?→ボツ→代替作「湖底の叫び声」(決定稿)
H「湖底の叫び声」(藤川桂介)37→監督:鈴木俊継→水棲獣人ピニア&怪獣ヤモ登場→ビニアとヤモが地球移住のために暗躍する→決定稿から制作中止→代替作:制作37話「他人の星」→改題「盗まれたウルトラ・アイ」
※完成済みのビニアは頭部を新調しボディーを塗り替えてペロリンガ星人に改造。
I「大激流」(若槻文三)43→監督:満田かずほ→バンドラ星人&怪獣バンドラ登場→大幅に改変して「水中からの挑戦」として制作。
J「宇宙人15+怪獣35」(上原正三・川崎高)43→監督:実相寺昭雄→重すぎてボツ→代替作:制作43話「夜毎の円盤」→改題「円盤が来た」
K「認識票NO,3」(金城哲夫)→ 地球人に見捨てられた地球人の復讐話→生原稿NG
L「宇宙人を救え」(東山純)→生原稿NG
M「モロボシダンをねらえ」(東山純)→生原稿NG
皆様のお蔭様で、未使用シナリオ14本の行方が判明致しました。
ご協力感謝!・・です。
それにしても、E「300年間の復讐」やJ「宇宙人15+怪獣35」など、もし制作されていたらどーなっていたのだろうという興味シンシンのシナリオから、
何がどこでどうなったのか、その過程が知りたいG&Hのようなシナリオまで、制作作品に負けないバリエーションの豊富さです。
また、NG作品については、TBSプロデューサーと円谷プロとの間での「ウルトラ」に対する温度差が感じられる気がするのは編集人だけでしょうか?
むしろ、人間臭い部分である「欲望」「葛藤」「執着」などは、後継作品である「怪奇大作戦」に大いに引き継がれていると思われます。
ドラマにおけるシナリオとは、建築における設計図や料理におけるレシピとは異なるものと考えています。
設計図やレシピは終着点を「決められたもの」として、その決定事項を具現化する手引書に過ぎず、決められたゴールを目指すことが目的となることに対して、シナリオは、道路地図のナビゲーションみたいなもので、お話の流れを制作者全員が把握するためのガイドブックに過ぎないからです。
何故ならば、監督・俳優・スタッフetc…、撮影現場の雰囲気や天候・スケジュールなどの都合によってシナリオは、そのママに映像化されることはけっして多くはありません。むしろ現場のアイデアの蓄積によって行間が埋められて、よりよいドラマに仕上がることも少なくありません。だからといってシナリオの価値が減るものではありません。同じ目的を共有するスタッフ&キャストが、その目的を果すために頼りにするものこそが、ガイドブックたる「シナリオ」の持つ基本性格だからです。
今回紹介できたシナリオは14本ですが、これらの数倍数のシノシプスや数倍回のブレストが繰り広げられたことと考えられます。
子供の心を持つ大人たちの真剣なやりとりから生まれた「ウルトラセブン」。だからこそ「セブン」は、いい年にもなった私たちの心をつかんで離さないのでしょう。
素晴らしきセブンワールドに愛をこめて…
…と、一応区切りを付けてみたつもりでした。
しかし、よくよくこのコーナーを振り返ってみると、未使用シナリオの内容が飛散していて、解かりづらいですね…。
そこでもう一度、最終リスト&シナリオ内容を解かりやすくまとめてみることにしました。
…ということですので、もう少しお付き合い願います。
@「光と影の挑戦」
脚本:藤川桂介
制作,?
予定監督:?
せっかくの休日にダンとのデートをすっぽかされたアンヌは、地球略奪計画をめぐるシャドウとSS星人シャインCの争いに巻き込まれてしまった。一方のダンは、SS星人の円盤を発見、基地に通報した後、レッドマンに変身してシャドウと戦う。だがシャドウは背後からシャインAに斬り殺され、その機に乗じてレッドマンはシャインを倒して円盤を破壊した。アンヌは防衛軍基地の病院でやっとダンと会うことが出来た。
「ウルトラアイ」の題名がつけられている未使用シナリオ。これによれば、ダンとアンヌはキリヤマ隊長も認める公認の仲のようだ。SS星人シャインはAからDまで登場する。
登場する宇宙人や怪獣:SS星人シャインA〜D、シャドウ
結果:ボツ。「ウルトラ・アイ」時代のシナリオ。
A「人間泥棒」
脚本:金城哲夫
制作14
予定監督:鈴木俊継
赤ん坊がベビーベッドごと空を飛び消失する事件が起こった。消えた赤ん坊は、崖崩れに巻きこまれて重傷を負ったソガとともに監禁されていた。地球人を食用人間とするための実験材料として持ち帰ろうとしていたルバン星人の仕業だったのだ。ルバン星人は怪獣キャンダーを地球防衛軍内部に送りこんでレーダーを停止させ、その隙に地球を脱出しようとする。しかしセブンとソガの活躍により赤ん坊は無事に取り戻され、宇宙船は墜落して炎上する。
エンディングナレーション。
「地球より重いもの−それは人間のいのちです。例え、一人の人間であろうと、その生命を救うことは、地球を守ることと等しく価値のある仕事だと、地球防衛軍の隊員たちは教えられていたのです」(終)
登場人物の補足
子供二人…怪獣のぬいぐるみを見知らぬ男から預かり、それで栗拾いの女性を脅かす
若い女性二人…栗拾いにくるが、怪獣のぬいぐるみに驚き逃げ出す
上田とその夫人…誘拐された赤ん坊の両親
警官…怪獣のぬいぐるみを地球防衛軍に届ける
乗用車の男女…お面の男(実はソガ)が止めようとした乗用車に乗っていた
ルバン星人の容姿は「耳たぶの長い、マユのない人間」
キャンダーは「目、鼻、触覚があり、目が光る」
登場する宇宙人や怪獣:ルパン星人、キャンダー
結果:ボツ
制作作品:#14「闇に光る目」
B「赤い群獣」
脚本:藤川桂介
制作,?
予定監督:?
研究用の蜜蜂が運搬中に盗まれた。運搬を担当していたフルハシはその責任を問われる。盗まれた蜜蜂は清澄川の排水で突然変異を起し、赤い群獣となって人間を襲い始めた。ブラックマンが小型発信機を使って操っていたのだ。ダンはブラックマンが潜む養蜂場へ飛び込むとセブンに変身、襲いかかる赤い群獣を凍結して死滅させる。フルハシは逃亡を図るブラックマンの乗るヘリコプターを撃墜して名誉を回復した。
エンディングナレーション。
「街は綺麗に、自然は自然のまま、美しくしておきたいものです。また、いつ廃液の中から、煤煙の中から、恐怖の怪獣が出て来るかも知れません」(終)
「赤い群獣」には製作Noがありませんが、脚本にはS43.3.22の日付の書込みがあり、No.34「侵略する死者たち」、No.35「蒸発都市」の準備稿とほぼ同時に執筆されたようです。赤い蜜蜂の大群が人間を襲うシーンなどは映像化が難しかったのでは思います。なおブラックマンの容姿については一切説明がありません。
登場する宇宙人や怪獣:ブラックマン、変異蜜蜂
結果:ボツ。
C「黄金の種子」
脚本:山田正弘
制作aH
予定監督:?
東京を中心に十数件に及ぶ原因不明の少年の失踪事件が発生した。行方不明になった少年たちは少年週刊誌の広告に出ていた「黄金のなる種子」を持っていた。黄金のなる種子は実は生物ゴビで、地球を征服するためにゴビラ星人が送りこんできたのだ。ウルトラ警備隊はすべてのゴビを回収し、レーザーで焼却する。しかし黄金の種子を惜しむ少年の前に再びゴビが現れた。子供たちが黄金の種子を望む欲望を持っている限りゴビを退治することはできないのだ。ダンはセブンに変身するが、ゴビは強くたちまち窮地に立たされてしまう。キリヤマはテレビを通じて全国の子供たちに欲張りの気持ちを捨てるよう訴えた。動きの鈍くなったゴビをセブンはバリヤで包み、宇宙のかなたへ運び去ってゆく。
アンヌのモノローグ。
「もしかしたら、宇宙人より、もっと恐ろしいのは‥‥‥わたしたち人類の中にひそんでいる心の中の敵かもしれないわ‥‥‥」(終)
「黄金の種子」には製作Noがありませんが、脚本には1.29(恐らくS43)の日付の書込みがあり、No.28「700キロを突っ走れ!」の準備稿とほぼ同時に執筆されたようです。ゴビは水をやると大きくなり、体から管を伸ばして巻きつけるとありますので、ワイアール星人のような植物怪獣をイメージしていたようです。ワイアール星人の着ぐるみを流用する予定だったのかもしれません。
人間の欲を利用して地球征服を企てた植物系宇宙人ゴビラ星人。
登場する宇宙人や怪獣:ゴビラ星人、ゴビ
結果:ボツ
D「半人間」
脚本:藤川桂介
制作.27
予定:監督:鈴木俊継
これは「サイボーグ作戦」へと変わっていった準備稿のはずです。「半人間」のストーリーについて何で紹介されていたかは失念しましたが、放映作の「サイボーグ作戦」では、野川隊員は事件終息後に恋人と結婚式を挙げる、というハッピーエンドでしたが、「半人間」では改造人間の悲しみを背負い、恋人と別れて新たな任地の宇宙へと旅立って行きます
登場する宇宙人や怪獣:
結果:決定稿#27「サイボーグ作戦」。
E「300年間の復讐」
脚本:上原正三
制作23
予定監督:野長瀬三摩地
アンヌは、ウルトラ警備隊の野戦訓練中に悪天候のため本隊とはぐれてしまう。不思議な雰囲気の林の中に迷い込んだアンヌは館を見つけた。アンヌの姿を見て仰天する宇宙人。彼は300年前に地球人の手によって妹シシーを殺されたトーク星人で、復讐のために武器を作り続けていたのだった。トーク星人が驚いたのには理由があった。アンヌは殺された妹シシーと瓜二つだったのだ。
アンヌの行方を捜すウルトラ警備隊とトーク星人は戦闘に入る。戦いを止めようとするアンヌ…。しかしトーク星人は倒され、その死体からは悪鬼が登場した。一転して形勢の逆転したウルトラ警備隊に悪鬼が迫る。戦闘の無意味さを悪鬼に必死に呼びかけるアンヌ。その姿に亡き妹シシーの面影を垣間見た悪鬼。やがて悪鬼は戦意を失ってセブンに敗れるのだった。
トーク星人は有効を目的に地球にやって来たのにもかかわらず、髪の毛が赤いというだけに理由から焼き打ちにあって、シシーが殺されてしまった。
「憎しみがトークを鬼にしました。愛して許すことが、トークを本当の姿に戻したのです」(アンヌの台詞)
登場宇宙人:トーク星人、悪鬼、甲冑人間(?)
結果:ボツ
制作作品:#23「明日を捜せ」
F「漂流する惑星」
脚本:山田正弘(原案:虎見邦男)
制作,?
消滅した木星の衛星ディランは、突如太平洋上に姿を現わした。ポインターをテスト中のダンたちはディランに漂着し、マンダス星人と出会う。彼らによると、この事件は透明怪獣リガの仕業だということだ。刻一刻と東京湾に迫る衛星ディラン。ウルトラアイを落としたダンは、襲いかかるリガにカプセル怪獣パゴスを向かわせた。そしてウルトラアイを発見したダンはレッドマンに変身。リガが倒されると同時に、ディランは元の軌道に戻っていった。
「レッドマン」時代のNG原稿「マンダスの島」が#32の準備稿として復活。レッドマンの設定では、カプセル怪獣は過去の人気怪獣が選ばれることになっていたため。
登場する宇宙人や怪獣:マンダス星人、透明怪獣リガ、カプセル怪獣パゴス
結果:#32の準備稿
制作作品:#32「散歩する惑星」(山田正弘・上原正三共同脚本)
虎見邦男氏追悼作品。
G「謎の怪獣地帯」
脚本:藤川桂介
制作37
予定監督:鈴木俊継
Aパート
恐山山麓から動物達が次々と姿を消してから一ヶ月後、得体の知れない怪獣が、森の中を動き廻るという噂がひろまった。防衛軍は恐山の防衛軍地質研究所の関根隊員に、そのパトロールを命じた。パトロール中に巨大な足跡を発見した関根隊員は、追跡中に洞穴に閉じ込められ、突如吹き出した煙に包まれてしまう。
関根隊員との連絡がとれなくなり、キリヤマはダンとソガに調査を命じた。ダンとソガは附近を捜索したが関根隊員を発見できず、観測所の日誌も三日前で止まっていた。
恐山の麓の町で二人の警察官が怪獣化した関根に襲われた。関根は背広こそ着ているが、顔は見るかげもなく変貌しており、目が光り、爪が鋭く長く伸びている。
事件の通報を受けたウルトラ警備隊は現場に急行、ダンとソガは地表に点々と落ちている血痕を追う。追い詰められた関根は白煙を吐きソガに浴びせかけるが、ダンのレーザーガンに倒される。倒された怪獣はもとの関根に戻っていた。
関根の遺体を解剖した上野博士は、関根の体内のある成分が動物を怪獣化させる作用があることを発見する。関根の吐く白い灰を吸いこんだソガは、検診を受けるようにダンたちに勧められるが拒否する。ソガは怪獣化の恐怖に襲われる。
Bパート
ソガと関根の血液を調査していた上野博士は両方に共通の成分を発見、キリヤマに報告した。キリヤマはソガに治療に専念させるため、恐山の調査からソガを外す。ダン、フルハシ、アマギ、アンヌは関根の拳銃が落ちていた洞穴を発見、奥の水の溜まり場ではダンが潜水調査に向かっていた。溜まり場の地下はヒポック星人の基地になっており、基地内は檻に閉じ込められたありとあらゆる動物で囲まれていた。ヒポック星人は動物たちを怪獣化して地球征服の武器にしようとしていたのだ。ヒポック星人の攻撃を受けたウルトラ警備隊はポインターからミサイルを発射、洞穴を攻撃すると激しい地震が起こり、原生怪獣ヤモが出現する。しかしヤモもポインターからのミサイル攻撃を受けると洞穴に落ちていき、ヒポック星人の基地は崩壊する。
怪獣化が止まらず、調査にも参加できないソガは防衛軍を離れる決意を固め、他の隊員たちに別れを告げる。そのとき、一旦は姿を消した怪獣が再び恐山に出現したとの通報があった。制止するキリヤマを振り切ってソガは恐山へ向かう。
ヤモの攻撃を受けたダンはセブンに変身、ヤモにビーム光線を当てるとその目で反射したビームがソガにも当たる。セブンが倒れていたソガを起こすとソガは元の姿に戻っていた。セブンはヤモにエメリュウム光線、続いて放射線を当てる。ヤモは白煙に包まれ、それが消えると一匹の小さなヤモリになっていた。
ダンに支えられてくるソガ、信じられない表情のフルハシが駆け寄って抱きつく。
ナレーション「地球が怪獣に征服される。いや、動物を怪獣化する侵略者が、いつ現れるとも限りません。お宅のポチもちゃんと鎖でつないであるでしょうね?」(終)
ソガとヤモが元に戻る場面の説明が苦しい感じがします。セブンが放射線を出すという設定も初出でしょう。脚本中にヒポック星人とヤモの容姿についての説明は一切ありませんが、ヤモは名前のとおりヤモリの巨大化した姿なのでしょう。登場人物について補足しておくと、青年A、B、C(女)、DはAパート冒頭の森の中で足跡と村人の死体を発見し、巨大なトカゲに狙われるシーンに、バスの乗客は再度現れたヤモから逃げるシーンに登場します。
「謎の怪獣地帯」は製作No.37ですが、「湖底の叫び声」、「他人の星」も同じくNo.37になっています。順番として最初に「謎の怪獣地帯」が準備稿でNGに、次に「湖底の叫び声」が決定稿まで行きながらNGとなり、最終的に「他人の星(放映題は「盗まれたウルトラアイ」)」が製作されたと思われます。怪獣が登場せず、制作費がかからないというのが一番の理由かもしれません。
登場する宇宙人や怪獣:ヒポック星人、原生怪獣ヤモ
結果:ボツ
代替作品:37「湖底の叫び声」(決定稿)
H「湖底の叫び声」
脚本:藤川桂介
制作37
予定監督:鈴木俊継
深山湖に住む五代信一郎博士の娘、美耶子が青白い半魚人にさらわれてしまった。ウルトラ警備隊の捜査もむなしく、湖底には何も発見できない。実は半魚人の正体は、水棲獣人ピニヤであった。地球移民を企むピニヤには博士の開発したクロロマイト鉱石で水を無菌状態にすることが必要なのだ。娘を人質に協力を迫るピニヤ。だが、博士に変装したダンの活躍で、円盤基地は破壊され、背後の森林から出現した怪獣ヤモも、セブンのアイ・スラッガーに寸断された。美耶子も無事、父のもとへ帰った。
登場するメカは、湖底調査船レイク・ダイヴァ号が設定されている。
制作予定は第37話。
登場する宇宙人や怪獣:水棲獣人ビニヤ、怪獣ヤモ
結果:決定稿から制作中止
制作作品:#37「他人の星」、放映タイトルは「盗まれたウルトラ・アイ」に改題。
完成済みのビニアは頭部を新調しボディーを塗り替えてペロリンガ星人に改造。
I「大激流」
脚本:若槻文三
制作43
予定監督:満田かずほ
グライダーに乗っていたダンは、突風に巻き込まれ湖底に墜落した。これはハーシェルα星座より襲来したパンドラ星人の罠だったのだ。かろうじて岸辺に泳ぎ着いたダンだが、ウルトラ・アイを湖底に落としてしまっていた。しかも湖には怪獣パンドラが現われダムを壊し始めた。下流には子供たちがいる。ダンは、湖底に飛び込んで変身したものの鎖で捕らえられ絶体絶命のピンチを迎える。セブンは一度ダンの姿に戻ってウルトラ・アイで鎖を切断、子供たちを無事に救出して、円盤と怪獣を撃退したのだった。
登場する宇宙人や怪獣:バンドラ星人、怪獣バンドラ
結果:大幅に改変して、.42「水中からの挑戦」に改稿。
制作作品:#42「水中からの挑戦」
J「宇宙人15+怪獣35」
脚本:上原正三・川崎高
制作43
予定監督:実相寺昭雄
皆既月食の夜、四度地球に来襲したバルタン星人を追跡したセブンは、地球に接近する怪獣群と出くわして対戦。怪獣たちを倒すが自らも傷ついてしまった。そして傷ついたセブンを尻目に円盤群は続々と地球に結集し、やがて東京に怪獣軍団が集まった。これは地球侵略に失敗した15人の宇宙人たちが手を組んで、やはり今までに敗れ去った35匹の怪獣を蘇生させて結成した「宇宙連合軍」であったのだ。
この情報をなぜか蘇生したピグモンから得た地球防衛軍は、宇宙連合軍の東京壊滅計画を阻止すべく行動を開始するが、いかんせん35匹もの大怪獣群の前ではなす術もない。傷ついたセブンも怪獣に向かうが、力尽きてしまった。地球のピンチである。その時セブンは黄金に輝く大怪獣ゴードを召集する。天空から舞い降りたゴードは怪獣群を退治して、また天空に帰っていった。
登場する宇宙人や怪獣:バルタン星人、メフィラス星人、ペガッサ星人、ゴドラ星人、スペル星人、イカルス星人、ボーグ星人など15体。
ケロニア、ギガス、ギャンゴ、キーラ、ウー、レッドキング、テレスドン、ジェロニモン、ペギラ、スカイドン、ザンボラー、サイゴ、ゴルゴス、トドラ、ネロンガ、ギラドラス、ガンダー、エレキング、ゲスラ、ペスター、ウインダム、アギラ、ピグモン、金星怪獣ゴードなど怪獣35体。
結果:ボツ
制作作品:#43「夜毎の円盤」、放映タイトル「円盤が来た」に改題。
K「認識票NO,3」
脚本:金城哲夫
制作aH
予定監督:?
ワイ星探検からただひとりの生還者であるキャプテン・マキノは、透明怪獣ジャッキーに襲われた。勇気ある探検隊長としてヒーローに祭り上げられていたマキノだったが、その裏ではワイ星のクレバスに落ちた隊員たちを置き去りにして、ひとりで逃げ帰ってきていたのだった。
マキノは生存者などいるはずもないと思っっていたが、NO,3の認識票を持つ隊員がひとり、ワイ星の厳しい環境下で、魂だけの生命体になって生き延びた。隊員はワイ星に生息する怪獣ジャッキーを手なずけて、復讐のためにジャッキーと地球へやって来たのであった。
マキノの命を奪ったジャッキーはセブンの手で倒される。復讐の終わった魂だけの隊員は、隊員の誇りだった認識票NO,3を地上に残し、宇宙の何処かへと去っていくのだった…。...
登場する宇宙人や怪獣:透明怪獣ジャッキー
結果:生原稿NG
L「宇宙人を救え」
脚本:東山純
制作aH
予定監督:?
結果:生原稿NG
M「モロボシダンをねらえ」
脚本:東山純
制作aH
予定監督:?
結果:生原稿NG
やれやれ、やっと「未使用シナリオを追え!」が大団円を迎えたな…、と思ったのも束の間。
とある書き込みが新たな冒険へと駆り立てるのだった…。
電送移動機 投稿者:紫藻 投稿日:10月 8日(火)01時13分43秒
市川さんの脚本が載っていた本から、「ひとりぼっちの地球人」「他人の星」を図書館でコピーして読んでいます。(編集人さまへの要望ですが、脚本(特に決定稿)も、HPに載せて欲しいです)
「ひとりぼっちの地球人」では、初老の物理学者ブロイセン教授がプロテ星人となっていて、このままだと外国人俳優となったわけですね。
決定稿として採用されたシナリオでも実際映像と隔たりがあることは、設計図よりはガイドブック的性格の強いシナリオならではのことですが、やはりファンの欲求としては、その辺りの細かな変化も含めて楽しみたいと思うわけですよね…。
ということで、新企画「決定稿を捜せ」をスタートいたします。
相も変わらず皆様の情報に、おんぶにだっこする所存でございますので、何卒より一層のご協力の程、お願い申し上げます。