My Rail バックナンバー
 (2001年10月〜12月)


1102M  まずは敬意を表して・・・  1996年夏 大阪駅



ティーンエイジャーの頃、いい旅チャレンジ20000キロに血道をあげた私としては、
この車両をまずトップに挙げざるをえません。言わずと知れた485系です。
写真は、大阪駅11番ホームで発車を待つ「雷鳥」です。国鉄色のボンネット姿が
良き時代の国鉄の栄光を留めていました。私の記憶にある「雷鳥」は食堂車を連ねた
12両編成の堂々たるものですが、外観は変われど「雷鳥」は今でも本数、速度、運輸的使命の
重要性の点で日本を代表する在来線特急であることは疑いないところでしょう。
また東京との接点のない「雷鳥」は東京中心に組み立てられたJRネットワークの中では
異分子的存在であり、関西の心意気を感じさせる気骨のあるいい顔をしています。
そうは思いませんか?
                        2001年10月28日  大阪発第1便



1111M   九州は特急天国だ      1996年春 博多駅



1984年当時の九州の国鉄線全線完乗を果たした私にとって、
周遊券を持っていれば追加料金なしで乗れる特急は身近な存在でした。
しかしそのほとんどは485系で、座席なんかリクライニングしませんでした。
しかしJR九州が振り子式車両であるこの883系を発表した時には、さすがに
感動しました。攻撃的に挑み続けるJR九州を象徴する車両とも言えるでしょう。
昔は「にちりん」1系統しかなかった日豊本線も、いまやこの「ソニック」を
先頭に「にちりん」、「ひゅうが」、「きりしま」など細分化された
近距離特急のたむろする線になり、まさに十年一昔といった感じです。
何? 白いソニックもあるって? JR九州の挑戦はまだまだ続きそうですね。


                  2001年11月11日  博多発第2便



1112レ  夜行列車はブルトレだけじゃない!   1993年春 博多駅



私は中学の頃から夜行列車を多用していました。使う切符は青春18切符が主でしたから、
普通夜行列車にはずいぶんお世話になりました。そのうちに世の中も座席夜行普通列車
を見直すようになり、ついにはこの快速ムーンライトも出現しました。
これは博多駅で撮影したムーンライト九州号ですが、私は九州を得意の戦場としていましたので、
この列車には思い出が少なくありません。何といっても数百円の座席指定料金しか取らない
太っ腹なその心意気がうれしいですね。夜行バスもあるじゃないか、とよく言われますが、
私はバスでは全然眠れないのでダメなのです。あの密閉感が苦手なのです。
だから臨時列車といえども、このムーンライト車両には後光が射しているように感じても仕方がないのです。

                                     
夜行列車万歳! 今なお活躍続くムーンライト車両に栄光あれ。
                               
                          2001年11月25日  第3便 博多発



1121M  快速列車は元気いっぱい  1994年5月 山陽本線福山駅



今、在来線で一番元気がいいのは快速列車です。
これは、山陽本線の岡山ー福山間を30分間隔で走る快速「サンライナー」です。昔に関西圏の新快速として走っていた
117系を流用しています。編成は短くなりましたが、新しく塗装され元気に走る姿を見ていると、鉄道ファン」としては
とてもうれしいものがあります。往年の名車両のこうした第二の人生の姿には、新型車両にはない味わいがあるものです。
わが国初めての快速専用車両である117系も、現在の快速列車の隆盛ぶりをうれしく思っていることでしょう。

第二の人生を送る117系に栄光あれ。

                        2001年12月9日   第4便  山陽本線福山発    



1122M  関西には複数の玄関がある  1999年6月 北近畿タンゴ鉄道宮津駅



これは、天橋立発新大阪行きの特急「文殊」です。同じ天橋立からは、京都行きの「はしだて」も運行されています。
同じことが、城崎についても言えます。やはり、ここからも新大阪行きの「北近畿」と京都行きの「きのさき」が運行されているのです。
また丹後半島の久美浜方面へは新大阪から「タンゴエキスプローラー」が、また京都からは「タンゴディスカバリー」が
運行されています。この両列車は、いずれも北近畿タンゴ鉄道所属の車両を使用しています。
つまり北近畿地方へ行く時に、関西の人は始発駅を京都と新大阪のどちらかから選べるのです。それだけ
選択肢が多いわけですね。ここに、東京一極集中の関東に対する関西の大きな特徴が表れています。
東京はその内部でそれぞれ細かい役割分担がありますが(たとえば渋谷、赤坂、六本木といったふうに)、
大阪にはキタとミナミしかありません。そのことを長らく不思議に思っていましたが、この列車に乗った時、
そうか!と思いました。大阪をもって、東京と比べるからいけないんです。京阪神、または京阪奈といった関西圏でもって、
首都圏に対置すればいいのです。そうやって、関西全体でもって考えればいい。要は地域的広がりをもう少し大きく捉えつつ、
地域的アイデンティティを再構築していく必要があるのではないか、とそう思ったのです。
そうでないと、従来の大阪主義だけではそのうちに行き詰ってしまうような気がしてなりません。

                          2001年12月23日   第5便  北近畿タンゴ鉄道宮津発