奈良には、佐保川と初瀬川という川がある。佐保川は東大寺の裏手から、初瀬川は長谷寺の辺りから流れてきおって、この辺りで合流するのじゃ。
ここはどこだ?じゃと。ここは大和郡山市の額田部南町じゃ。坂東というバス停のすぐ南側が合流点となっておる。額田部は「ぬかたべ」と呼ぶんじゃ。あの額田王(ぬかたのおおきみ)との関係が取りざたされる所じゃ。郡山も広かろう? 金魚だけじゃないのじゃ。
ここから自転車に乗ってバス道を行き、関西線の下をくぐり、富雄川を渡って突き当たりを右へ、そこから国道25号線を東へ戻り、県道34号線を北へ道なりに進むと岡本の里じゃ。ここに、日本で最大最古の三重塔を持つ法起寺がある。別名岡本寺というのも岡本にあるからじゃな。その写真がコレじゃ。
何? どこが寺だか分からんじゃと? 小さく三重塔が写っとるじゃろ。飛鳥白鳳時代に建てられた国宝の塔じゃ。仏像と同じで、ありがたいものは遠くから目を細めて眺めるもんじゃ。これで我慢せい。
手前のコスモスがきれいじゃろ。奈良は秋になると、このコスモスが至るところに咲いておるのじゃ。ちょっと数が多すぎてジャングルみたいになっとるが、まあ、それも一興じゃろ。
さ、拙者はもう帰るぞ。お前さんはバスにでも乗るか、電車の駅まで歩くんじゃな。年寄りをこき使うと、今に罰が下るぞ。では、さらばじゃ。
第1回行脚終了 生駒郡斑鳩町岡本より
平成13年11月4日 |
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