1 異質な街
ドバイの中心部に建つビルたちです。なんか、形が変でしょう?
2本のコンクリート柱に挟まった全面ガラス張りのビルとか、全体が三角形で屋根が斜めになってたり。
極めつけは、一番左のビル。ビルの上に、大きなゴルフボールみたいなのが乗っかってる!
石油ってもうかるんだなあ、と思っちゃいます。こんなぜいたくな建て方ができるんだから。
何しろ、UAEは石油大国。生産量は世界第11位、埋蔵量では世界第3位なのです。
ちなみに、この国が輸出する原油の約60パーセントを日本が買っています。
これらのビルにもかなりのジャパニーズ・マネーが使われているんだと思うと、何か複雑な気分です。
しかし、それにしてもこの形。芸術家や建築家は喜ぶんだろうけど、金持ちの考えることは私には分かりません!
2 耳寄りの情報
ここはドバイ首長国の隣国シャルジャ首長国の首都(?)シャルジャの中心広場です。
アラブ首長国は、7つの首長国からなる連邦国家です。
といっても、シャルジャとドバイはわずか9キロしか離れていません。
東京と横浜よりも近いのです。なのに、両国の間にはバスが走っていません。
バスはそれぞれの首長国内だけで運行されていて、首長国間には便はないのです。
そこで乗り合いタクシーなるものがここでは活躍しています。
あらかじめ決まったルートを走るタクシーに数人の客が乗り合うもので、
通常のタクシーより安く、バスよりも速い、便利な乗り物です。
メジャーな所では、イスタンブールのドルムシュなんかが有名ですね。
もし首長国間の移動を国際移動とするなら、UAEでは気軽に国際旅行ができます。
小さいけど、寄り合い所帯的な楽しさも味わえる国。それがUAEなのです。
3 コンパスの針
これは、シャルジャにあるキング・ファイサル・モスクです。
サウジアラビアの資金援助で建てられたこのモスクは、UAEでも最大のモスクだそうです。
近代的で、とってもオシャレでしょ?
現代のイスラームの在り方は多様なんです。
だから、一つのイメージに固定された目でイスラームを見るのは危険だ、ということをこのモスクを見て感じました。
皆さんはモスクの中を覗いたことはありますか?
私はこのモスクの中を覗いてみたのですが、中はガラーンとしていて部屋もなく、像も置かれず、イスもなく、
ただ説教壇とメッカの方角を示すもの以外には何も見当たりませんでした。恐ろしく殺風景な所です。
何でも3000人を収容できるとか。スゴイもんです。
偶像崇拝を否定するイスラーム教徒は、数多くの仏像が安置してある日本の寺などを見てどう思うのでしょうか。
コーランは多神教徒を激しく非難していますから、あまりいい気分はしないんでしょうねえ、きっと。
4 クリスマスの挫折
ホルムズ海峡を渡った日は12月24日、つまりクリスマス・イブの日でした。
アラビアの地は12月といえどもTシャツ1枚で過ごせるほどに暖かく、
またさすがはイスラーム発祥の地だけあって、街中でジングルベ~ルの曲を聞くこともなかったです。
でも部屋のテレビでBBCの衛星放送を見ていると、やはり出てこられました。エリザベスⅡ世女王陛下です。
あんぐり口を開けている私に、女王陛下は「メリークリスマス」の祝辞をお授けになられました。
外の風景とあまりに隔絶した感のあるその祝辞には、いささかピントがイマイチ合っていないような感じを受けてしまいました。
しかしながら、世界は多様な生活を抱え込みながら、ある程度寛容なる無関心と無視とによって
かろうじて平静が保たれているという一面もある、ということなのでしょう。
それはそれでいいのではないか。
夕日に染まるドバイの街並みを眺めつつ、そんなことを思ったりしました。
5 第1号のエンバシー・レター
ドバイ市内に向かう道路は片側4車線でまっすぐに走っています。
交通量は少なく、車は時速130キロくらいでビュンビュン飛ばしていきます。
ここは開発地区に指定されている所なので、建設中のビルがボコボコ建っています。
周りは何もないので、開発計画者は思う存分腕を振るえるわけです。
開発過剰な日本から見れば、なんともウラヤマシイ限りです。
ここは街から離れているので、緑がありません。
この国では、木々の緑を目にするには都会へ行かなければなりません。
この国の自然は緑と縁がないので、街の中に人工的に自然を作り出すしかないようです。
あれ、自然が二つ出てきてしまった・・・。私も頭が混乱してきました。
とにかく、おもしろい国であることは確かです。