4 教会の守り人
写真はオホリッドにある聖クリメント教会です。
13世紀に建てられたもので、いわゆるビザンティン様式と呼ばれるものです。
オホリッドはマケドニアの南西部、アルバニアとの国境沿いに広がるオホリッド湖畔にある町で、
日本でいえば奈良や京都に当たる文化都市です。
ヨーロッパの東半分を占める東方正教会世界を考える上で
絶対に外して考えるわけにはいかない重要性を持つ町でもあります。
夏にはこの町でバルカン地域を代表する文化的行事が多数行なわれます。
美しい湖からあがる名物のオホリッド・マスを食べつつ、バルカンの雰囲気を存分に味わえる町、
それがオホリッドなのです。
5 雪の日の出会い
写真はオホリッド湖畔に建つ聖ナウム教会です。
内部のフレスコ画も素晴らしいですが、何といっても三つの丸いドームを持つ古風な外観に圧倒されました。
周囲の静けさとあいまって、俗世を超越したような神々しさが漂っています。
ここはもうアルバニア国境に近い所ですが、
この当時、隣国アルバニアで大暴動が起こっていたせいもあって、
アルバニアから逃れてくるアルバニア人難民を警戒するために
マケドニアの兵士が道々に立っていて、実に物々しい雰囲気でした。
オホリッドからは約30キロと近く、バスで簡単に行けますので、どうぞお見逃しなく。
6 青年の夢
オホリッド湖畔の断崖の上に建つこの小さな教会は、
オホリッドの数ある教会の中でも最も絵になるものとして有名なのだそうです。
ここは市内にある教会では最も外れにあるので、
ここをめざして旧市街の教会たちをめぐって歩いてはいかがでしょう?
オホリッド湖の美しい風景とあいまって、きっと素晴らしいひと時を過ごせることと思います。
特にまだ寒いオフシーズンには、素晴らしい静寂があなたを迎えてくれることでしょう。
マケドニアでも一押しのプランです。
7 小国からの旅立ち
写真は、オホリッド湖畔に建つ小さな教会(前回の写真の教会)の庭にあった墓地です。
この日は雪が降り、墓は白く染まり、そのそばに枝に雪をまぶした小さな木が一本、墓を見守るように生えていました。
何気ないスナップなのですが、妙に心に残る光景でした。
そのせいもあって、旅行記第5巻のカバーの裏面をこの写真が飾ることになりました。
凛とした早春の湖畔の静けさを感じ取っていただければ、と思います。