第4章5〜8の写真とコメント


今夜の晩ごはんよ



女の人たちの前にバスケットがあるけど、中には肉とパンが入ってるんだ。
司祭が皿に入った聖水をバスケットにかけると、お清めは終り。
清められた肉とパンは今晩の食卓に上がるというわけです。
それにしても、男たちと違って、女の人たちの服装はきれいですね。
一人一人、スカートの柄が違っていて、とっても個性的。
こういうところで、こちらの人たちはオシャレするんですね。
そう言えば、僕を泊めてくれた大学生の彼女はアマチュアの歌手なんだけど、
舞台で歌う時はこの村の民族衣装を着て歌うって言ってたっけ。
「ローカルであることの誇り」って言うのかな、
そういうのを大事にするのってカッコイイことだと思うな、僕は。


老いて衰えず



ミサが終わって、みんなで後片付けしてる時に、そのジイさんと出会ったんだ。
民族衣装に身を固め、手にはロウソクと聖書を持ち、カメラのレンズをするどい眼光でにらんでる。
だいたい田舎では老人は元気だよね。
一線退いてない現役の風格、っていうのが感じられるよ。
楽隠居で余裕みせてるのもいいけど、たまにはこういう突っ張った感じのジイさんがいてもいいって思うよ。
老人がかっこいいと、若者だって明るくなるさ。
誰だって、老人の姿に自分の将来を見るからね。
だから、老人にはいつまでもかっこよくいてもらいたいのさ。


老いも若きも



みんな民族衣装を着てる。
この女の子の服なんて、スゴイよね。
カラーリングが抜群です。
手に持つバスケットにかけた布もやはり凝った刺繍が入ってて、ナイスなのです。
この子、12歳くらいかなあ。
10年後にぜひ会いたい、などと思ってしまう僕はまだ修行が足りません。
後ろに足が一本見えますが、別に心霊写真ではありません。
おばあさんが一人、後ろに隠れているのです。
どうぞ、ご安心を。
でも、この村の人たちはホント、カメラを構えても自然にニコッと笑ってくれる。
どうしてそんなに自然体でいられるのか、今でも不思議に思うよ。


やけにデカイな



これは普通の家の門です。
決して金持ちとか、特別な人の家ではありません。
このマラムレシュ地方ではこうした門構えがけっこう多いのです。
全部、木でできてます。
柱に彫刻がしてあったり、板を細かくくりぬいたりして、けっこう芸術的なのです。
門の左端下に人が二人いますよね。
彼らと比べれば、いかにこの門が大きいかが分かるでしょう。
村の教会も木造だし、意外に木造の建物が多いんです。
そのせいか、都市と違って、田舎はその分開放的な感じがします。
皆さんも一度、ルーマニアの田舎を訪れてみませんか。
まだまだ新しい発見があること、請け合いですよ。