さあ、歌いましょう!
ここは女子大学生の彼女のおじいさん、おばあさんが通っている集会場です。
この集会は正教でもカトリックでもない、それとはまた別な宗派の集会なのです。
ちなみに彼女はカトリック、彼女の両親はルーマニア正教を信仰しています。
家の中に三つも宗派があるわけです。
よくケンカにならないもんだ。
一番右に座っている人が持っているのはアコーディオン。
みんなで賑やかに歌うのがこの宗派の特色らしい。
この建物、外観は普通の家だけど、実質的には教会の役割を果たしているようですね。
ちなみに彼女も前に立って歌を独唱したけど、素晴らしくうまかった。
何せ、彼女はアマチュアのポピュラーソング歌手。
歌い終わると、みんな割れんばかりの大拍手!
ホント、歌っていいよね。
カタイなあ・・・
ホント、これ、カタイんですよ。
え、これ、何って?
これは干し草の山です。
かなり色が変わってるから、秋か冬に刈ったものをこうして蓄えておくんでしょうね。
下の方が崩されてるのを見ると、少しずつ崩して、羊に与えてるんでしょうな。
それにしてもこれ、何か、栗の実をひっくり返して半分土中に埋めたような感じしませんか?
僕はけっこう気に入ってるんですけどね、この山の形。
ちなみに真ん中で山に足をかけてるのは、大学生の彼女の幼なじみさ。
大相撲の琴乃若関似のナイスガイだよ。
ここへは彼が連れてきてくれたんだ。
いい所があるって言ってね。
ホント、気持ちのいいやつだよ。
お〜い、もう帰ろうぜー!
お父さんの仕事
幼なじみ君と二人でブラブラしてると、向こうから鈴の音がカラン、コロンと聞こえてきました。
その音の鳴る方へ行ってみると、羊が群れています。
そして、その群れの真ん中に彼女のお父さんが立っていました。
お父さんはじっと羊を見ています。
その目はとても穏やかで、優しいまなざしにあふれていました。
今日は天気もよく、羊もお父さんも気持ちよさそうです。
世の中にはこんな労働もあるんですね。
ちょっとお父さんがうらやましい僕でした。
超ローカル線の旅
帰省の終わった彼女と一緒に、ローカル線の列車に乗り込みました。
この列車は朝の7時40分発ですが、これを逃すと次は午後3時25分発まで列車はありません。
そう、超ローカル線なのです。
客車もすごく年季が入っていて、シートは木目調の板張りだったりします。
コンパートメントに二人きりで向き合って座って、などというとロマンチックですが、
二人とも早起きしたせいか眠くて、じきに寝入ってしまいました。
目を覚ましてしばらくすると、英語を話したいという女子中学生二人組が入ってきて、
私は彼らの守りをさせられました。
こうして、出会い多い列車の旅は7時間近く続いたのでした。