第5章章扉と1〜4の写真とコメント


僕らの街へようこそ



どこの国でも、子どもは心をなごませてくれます。
この子たちはシビウの中心広場で遊んでいたんですが、
私を見るや、側から離れてくれません。
「イングリッシュ、イングリッシュ!」
と盛んに英語で話すことを求めます。
私と英語で会話することで、自分たちの英語を聞いてもらいたいようです。
ちなみに、ルーマニアでは小学生から英語の授業がある、とのこと。
こうして、私は友人が来るまでの間、彼らのおかげで寂しさを感じずにすんだのです。

今日から始まる第5章はこのシビウを中心に展開します。
シビウはトランシルヴァニア地方でも有名な古都の一つです。
皆さんをこの魅力的な街へとご案内することにしましょう。



賑やかな聖餐



第3章で訪れた教会にまた行きました。
この前来た時には質素だった夕食が、
今回はうって変わってたいへん豪華になっていました。
何でも、イースター(復活祭)の直後にはこうした豪華な晩餐をいただけるのだそうです。
みんな明るい顔で、食事にパクついています。
僕もその仲間に入れてもらい、楽しい晩餐を共にしました。
復活祭前の物忌みと復活祭のミサ、そして復活祭後の祝いの祭りを一度に体験できたわけで、
たいへんラッキーでした。


ジュースをどうぞ



これは、教会の食堂と調理場をつなぐ窓です。
ここからできあがった料理が食堂へと出されていくのです。
後ろの二人は聖職者で、前の少年は近在から来てるのでしょうか、よくは分かりません。
たなの上に置かれているのは、ビンに入ったジュースです。
何のジュースかは忘れてしまいましたが、美味しかったです。
今では懐かしい彼らの笑顔です。


お目目がいっぱい



写真は、シビウの中心をなす大広場の街並みです。
建物はそれぞれ壁の色は違うけど、屋根はみんなこげ茶色で統一されていて、落ち着いた感じです。
その屋根なんですが、何か目のようなものがいっぱい付いてるの、分かります? 
一番右端の建物の屋根を見れば、分かりやすいでしょ。
これ、屋根裏部屋の明り取りの窓だそうです。
何かユーモラスで、僕は好きです。
西ヨーロッパのような派手さはないけど、どこか古風でドッシリとした存在感がある、
そんなこの広場の街並みは旧東欧地域の良さの象徴とも言えます。
古きよきヨーロッパの姿は今もこうして息づいているのです。


さあ、召し上がれ



ある大学教授が私を自宅に招待してくれました。
彼は、シビウの街に僕を招待してくれた青年の父親の友人だそうです。
机いっぱいに並べられた料理の数々に迎えられ、ワインやビールが会食を彩ります。
ちなみに、青年の両親は共に数学の教師です。
何とも知的なサークルなのです。
教授は京都の大学に数年おられたこともあるらしく、日本の話がよく出ました。
若者たちのものとは一味違った、オツな饗宴でした。