第7章章扉と1〜3の写真とコメント


いきなり、ブダペスト!



クルージ・ナポカから夜行バスに乗って、朝起きたらブダペストでした。
人口200万人近い大都会です。
田舎ばかり回ってきた人間には、めくるめくような感じです。
ちなみに、ブダペストの人口はヨーロッパで第10位なんです。
けっこう大きいですよね。
写真は、王宮の丘から望むくさり橋と大聖堂です。
真ん中を流れるのはドナウ川。
この街で最もシーニックな所です。

今日からハンガリーに入ります。
まずは数日ブダペストで過ごし、
その後、地方へ出かけることにしましょう。



ブダペストの顔



ブダペストといえば、ここから始めるしかありません。
ドナウ川のほとりから見たくさり橋とブダの王宮です。
ブダペストというのはドナウ川をはさんで、王宮のあるブダと手前側のペストがくっついてできた街です。
夜には橋がイルミネーションに輝いて、とてもきれいです。
私はドナウ川沿いの首都を他に3つ見ましたが(ウィーン、ベオグラード、ブラティスラバ)、
やはりここが一番でした。
物価も安く、人々もまあまあ親切。
適当に賑やかで、適当にのどやか。
ウィーンのような敷居の高さがないのも魅力です。
私はこの街に10日ほどいましたが、
もっといてもいいような、いい街でした。


スポットライト?



これは、ドナウ河畔に建つ国会議事堂です。
何でも、ネオ・ゴシック様式なんだそうで、
今から100年ほど前に建てられたものだということです。
ちょうどこの写真を撮った時、曇ってたんですが、
議事堂の周辺にだけ夕日が落ちてきたんです。
議事堂の背景はみんな曇ってるでしょ。
本当に神々しかったです。
今、立っているのは漁夫の砦という所です。
ブダ王宮の敷地内にある展望台です。
ここからはドナウ川の流れやそこにかかる橋、ペスト側の市街を一望にできます。
暑い日なんか、川面を吹き抜けてきた風が丘に沿って吹き上がってきたりして、気持ちいいですよ。
私が行ったのは5月でしたが、もう夏のようでした。
初めてこの街に来た時は8月の終わり頃だったんですが、もう暑くて暑くて、
南駅からこの丘を越えて、ペストの街へ歩いていくうちに意識が遠くなってきて、へたり込んでしまいました。
脱水症状を起こしてたんですね。
スーパーでジュースを買って飲みましたが、いくら飲んでも減らないんです。
っていうのも、ジュースの着色料が濃すぎて、色がボトルの裏側に張り付いてたらしくて、
どれだけ飲んでも喫水線が下がらなかったんです。
おかげで、舌はオレンジ色に染まっちゃうし、ろくなことがありませんでした。
1990年頃のことです。
さすがに今ではそんなヤバイジュース、売ってませんけどね。


国のまほろば



これは、聖イシュトヴァーン大聖堂です。
章扉の写真でくさり橋の奥にドーム状のものが見えていると思いますが、実はこれです。
聖イシュトヴァーンというのは、ハンガリー王国の初代国王です。
俗人ではありますが、ハンガリーの国教をキリスト教に改宗した功績により、後に聖人に列せられたのです。
ハンガリーの建国は896年ですが、王国になったのは1000年のことでした。
イシュトヴァーンがローマ法王からの戴冠を受け、ハンガリー王となり、キリスト教王国としてのハンガリーがスタートしたわけです。
この大聖堂はその故事にちなんで建てられたんですが、着工から完成まで55年もかかったそうです。
下を走るバスの大きさと比べてみれば、この大聖堂がいかに大きいかが分かるでしょう?
オーストリア=ハンガリー二重帝国時代のハンガリー帝国の首都ブダペストの威勢の良さがうかがえます。