アウシュビッツへの道
オシフィエンチムへ行く電車です。
といっても分かりづらいですが、アウシュビッツなら分かるでしょうか。
オシフィエンチムはポーランド名で、アウシュビッツはそのドイツ名なのです。
クラクフ中央駅から20分ほどのこの駅で、電車を乗り換えます。
ここからオシフィエンチムまでは、さらに1時間半ほどかかります。
のどかなローカル線の旅です。
アウシュビッツ
アウシュビッツ収容所の跡地は博物館になっていて、建物の中にも入っていけます。
写真は、有名な収容所の入口の鉄のゲートです。
分かりにくいですが、ドイツ語で「ARBEIT MACHT FREI 」(働けば自由になる」とあり、
「ARBEIT 」の「B」が上下さかさまになっているのが有名ですが、ホント、その通りでした。
陰惨な感じはなく、6月のさわやかな陽気にまどろむようにのどかな感じで、正直、拍子抜けしました。
ビルケナウ
アウシュビッツの近くには、第二のユダヤ人収容所であるビルケナウ収容所があり、両収容所間をバスが結んでいます。
往復70円ほどです。
アウシュビッツほど有名ではありませんが、実はビルケナウの方が敷地もずっと大きく、
その分、ずっと大規模な「任務」が行なわれていたといいます。
「任務」、すなわち計画的な集団殺害です。
写真は「死の門」と呼ばれた入口のゲートです。
まさにその名の通り、人々は生きて再びこの門をくぐることはなかったのです。
先のないレール
「死の門」からまっすぐにのびる線路をたどっていくと、車止めがあって、レールは途絶えていました。
収容者たちの人生はこのレールと同様に、先がなかったわけです。
ここまで来ると、門の周辺の人のにぎわいも聞こえず、シーンとしていて、寂しいかぎりです。
ドラマ「白い巨塔」で唐沢寿昭演じる財前センセーが立ち尽くしていたのも、このビルケナウでした。
アウシュビッツよりも広い分だけ、こっちの方が静かな感動、と言っては失礼ですが、妙に心に残るものを感じました。