Merry Merry Christmas 今宵 楽しいクリスマス 大人もコドモも 男も女も みんな嬉しいクリスマス ケーキ・ご馳走・プレゼント 贈る誰かがいるのなら…… 1.【+3】 室内の騒めきを余所に、ぼくはバルコニーへ出た。気温差が激しい。思わず首を竦めた。凍てつく風は瞬く間に体温を奪い、指先は氷のようになる。その冷たい指先を頬に当て、ぼくはゆっくりと深呼吸をする。 体内に冷気を詰め込むと、少しだけ清められたような気がする。 (でも、やっぱり気がするだけ) 閉ざした大きなガラス戸の向こうから、人々の景気よく笑う声がくぐもって聞こえた。見れば一人の青年を中心に輪が出来ている。 彼は巧みな話術で人を惹き込む事で有名だ。今夜のゲストの中でも、主役級と言えるだろう。滑らかな弁舌は、時に獲物を捕らえる網になる。彼は恐らく、ぼくのコトそうして捕らえたのだと思っている。 (でも、本当は、) ヒュウと一陣の風が吹き抜けた。樹々がざわざわと音を立て……不意に、音が止んだ。いや、本当は辺りに変化など無かったのかもしれない。ただ、全ての音がぼくには届かなかった。 微かに背筋を震わす気配に、ぼくは予感よりもずっと強く、確信を持って、ゆっくりと夜空を見上げた。 雪が、降り始めていた。 くるくると回りながら堕ちて来る、天からの手紙たち。書かれた文字は、ぼくには読めないのだけれど……きっと、其処には。 キット ソコニハ 『彼』カラノ めっせーじガ 「冷たいね」 突然背後から抱きしめられて、ぼくは驚いて身を強張らせた。無音状態のぼくには、彼がガラス戸を開けるのがわからなかったのだろう。 些か暖房の効き過ぎた室内から出てきた青年の身体は、冷え切ったぼくには熱いくらいだ。ゆっくりと、驚いたコトが出来るだけ伝わらないように、まわされた腕を外し、ぼくは彼に向き合った。 見上げた位置にある彼の瞳は、楽しそうな色で染められている。大きな手のひらでぼくの両頬を包んで、もう一度、冷たいねと云った。 「すっかり冷え切っちゃってるじゃないか。寒くないのか? 風邪ひくぞ」 (ああ、この声が……) ぼくは左手を彼の右手に重ね、そっと目を閉じた。 「大丈夫だよ、風邪くらい。それに……あっためてくれるでしょう?」 青年はぼくのコトバに小さく笑った。両手を伝わって心地よい振動が届く。こうして目を閉じていると、まるでずっと以前……『彼』といた頃に帰ったような気がしてしまう。ずっと以前とは云っても、本当はたった三年前のコト。けれどそれでも……遠すぎる過去。 ぼくは目を開けて、幸せな幻想を自ら破った。目の前のこの青年は、『彼』に似てはいるのだけれど……やっぱり違う。誰も『彼』になどなれない。当たり前のコトを確認して、淋しくなると同時に、少しほっとする。 (大丈夫。ぼくは『彼』を忘れたりしてない) 青年はぼくの額に接吻けをして、もう一度ぼくを抱き寄せた。伝わってくる温もりは、ぼくの心を微睡ませ……ぼくはそれに身を委ねた。 「ね、ぼくもう飽きちゃった。抜けちゃお?」 甘えた声でせがむと、仕方が無いという顔を作ってみせながら頷く。本当は、ぼくから言い出すのを待っていたのだろう。いつもぼくの方が積極的だというカタチに収めたがるのだから。 「OK。それじゃあ先に車用意しとくから。少しあったまってから下りておいで」 保護者めいた科白を残して、青年は室内に戻った。すぐさま近寄ってきた女たちを軽くあしらいながら広い室内を横切っていく。ぼくは彼の後ろ姿が消えるのを見計らって、ガラス戸に手をかけた。 室内に入る前にもう一度、ちらりと空に目をやると、降雪は少しずつ激しくなってきているようで、視界は揺れ動く雪片で埋め尽くされていた。 (あの時も、雪が……) 明るく暑い室内に戻ると、少し頭がフラついた。 2.【−2】 高彰を思い出す時、ぼくは大きな暖かい手と、低く落ち着いた声と、そして強い眼差しとを思い出す。一回りも歳の離れた彼は、上の兄の友人として、物心ついた時から身近にいた。 ぼくは四人兄弟の末っ子で、上の三人から歳が離れていて、家中から甘やかされて育った。その所為か学校のコたちなんかとはあまりソリが合わず、大抵兄や姉と、その友人に遊んでもらっていた。中でも高彰は、ほとんど実の兄弟のようで……いや、実の兄弟以上に親しい存在だった。遊びに連れていってくれるコトも多々あったし、誕生日やクリスマスには忘れずにプレゼントをくれたものだ。 ぼくが中学生になった年……五年前のクリスマスは特別だった。 その頃彼は、短大生の姉とは友達以上の関係にあって、高校生だった下の兄の家庭教師もしていて、ほとんど毎日のようにぼくの家に来ていた。イヴには例年のように小さなパーティーを開いて、彼も呼ぶというコトだったのだけど、みんな急に予定が立て込んでしまって、どういうワケか、ぼく一人が家で留守番と云うコトになった。 多少残念ではあったけれど、仕方が無いコトだしと諦めて、ぼくは当日、広いリビングで一人、ぼんやりとビデオを見ていた。その夕方、不意に高彰がやってきたのだ。ケーキにご馳走、プレゼントを抱えて。 「メリークリスマス、咲弥。……どうした? 不思議そうな顔して」 「だって……高彰、来られないって……」 呆然と呟くぼくに、高彰は優しく微笑んで両手を広げた。 「咲弥が家で一人きりだって聞いてさ。放っておけるワケないだろう? 用事なんてすっぽかしてきたよ」 多分、凄く嬉しすぎたから……ぼくは高彰の腕の中に飛び込んで、思わず接吻けをした。半分泣きそうになりながらセーターに顔をうずめて、ただ彼の名前を繰り返し呼ぶぼくに、高彰はそっと、ひとひらの雪のようなキスを額にくれた。 「……たかあき?」 目を上げると、彼は目眩がするほどの、最高の笑顔を浮かべていて、 「俺は、ずっとずっと前から、他の誰とも比べられないくらい、咲弥だけ、大好きだよ」 囁かれた言葉は、どんな毒薬よりも甘く、ぼくの心に染み込んだ。 3.【+3】 地下の駐車場へは、エレベーターで直接下りるコトができる。賑やかな部屋を後に、ぼくは一人エレベーターに乗り込んだ。B2のボタンを押して側壁によりかかり……ふと操作パネルの上部にある時計を見ると、時刻は午後七時半。 一応一時間はパーティーに出ていたワケだ。珍しいなと自分で思う。ぼくはこういった集まりは苦手で、大抵適当なパートナーを見つけたら、その時点で会場からは抜け出しちゃうから。今日は相手が人一倍社交的なタイプだったから、かな? 彼とはそろそろ三ヶ月になる。これも例外的な長さ。 でも……きっと、今夜が最後かもしれない。そんな気がする。 どこか、心の奥の方で何かを知らせる気配がする。終わりと始まりの気配。それはいつから起こっていたのだろう。朝目覚めた時からだろうか。いや、さっき雪の降りはじめと共に始まったのかもしれない。それとも、たった今、時計を見た時から……? そんなコトを考えているうちに、エレベーターは地下二階につき、ドアが静かに開いた。打ちっ放しのコンクリートの壁に薄暗いライト。殺風景の代名詞のような中に、色とりどりの自動車が無表情に並んでいる。駐車場の、こんな乾いた様子が好きだ。 「サクヤ、こっち」 左手から聞こえた声に振り向くと、青年がディープブルーの車体に寄りかかって手を振っている。ぼくが近づくと、彼は助手席のドアを開けて、恭しく一礼してみせて笑った。 「さぁどうぞ、お姫サマ。お城へお連れいたしましょう」 ぼくは微かに笑ってみせて、馴染んだ車内に身を滑り込ませた。それから彼も運転席に乗り込み、車はスムーズに動き出して、斜面に開いたスロープから外へ出た。 辺りには、既にうっすらと雪化粧が施されていて、整った並木に絡みつくイルミネイションと見事に調和したホワイトクリスマスを演出している。舗道には、まるでノイズの中を歩くような恋人たちの姿。窓の外を流れていっても尽きるコトはなく、繰り返し踊り続けるオルゴールのようにも見えた。 カーステレオから流れるクラシックに耳を傾けて……緑色にぼんやりと光るデジタルクロックは、7:39。 どくん、と 一度 心臓が 強く 鼓動を打った 突然なにか、途轍も無い不安の中に取り込まれてしまったかのようで……ぼくは背筋を駆け抜ける寒気に、思わず両手で身体を抱えた。 ナニカガ 近ヅイテイル 「…ヤ、サクヤ?」 右の耳から入り込んできたノイズ……いや、青年の声に振り向けば、彼は驚いたように目を見張っている。左手で、そっとぼくの額に触れてきた。それで初めてぼくは、交差点で停まっているというコトに気付いた。 「どうしたんだい、サクヤ。顔色が良くない……。寒い? やっぱりあんな薄着でバルコニーに出たりするから……」 「ううん、大丈夫。何でもないよ。ほら、信号変わっちゃう」 ぼくは努めて明るい顔を作って、青年の手を軽く払った。彼は、まだ少し心配そうな色を見せながらも、頷いて車を出した。渦のような流れの中に飲み込まれて行く。この広いフィールドの中では、ぼくらは小さな点の一つに過ぎない……。 右折した道路の左手に、煌びやかなクリスマスツリーが見えてきた。もう一つ先の信号で左折すれば………… どくん、と 再び 強い鼓動 交差点の真ん中に見える人影。 すらりとした長身に柔らかな焦げ茶の髪。『彼』を見間違えるコトなんて、絶対にありえない。優しげな微笑みを浮かべ、両手をぼくに向かって…… 「高彰!?」 叫んだぼくに驚いて、青年はフロントガラスから視線を逸らした。車は速度を落とさずに進んでいく。高彰の姿が近づく。懐かしい姿。そう……それは三年振りの。ずっとずっと捜し求めて、待ち続けていた姿。 (ああ、ここにいたんだね) 差し伸べられた大きな手に触れたくて、ぼくはシートから身を乗り出した。高彰は微笑みを深くして、ゆっくりと口唇を動かす。紡がれるのは、きっとぼくの名前だ。フロントガラス越しに、赤い光が後方へと流れ去るのがちらりと見えた。右手から大きな黒っぽい影が近づいてくる。青年は目を見開いたまま硬直している。高彰が近づく。足下の真っ白な雪に滴る鮮やかな赤。 彼の声がぼくの耳に、はっきりと響いた。 「咲弥」 ホラ 届イタ 激しい衝突音と暗転する視界の中、ぼくは高彰の腕の中に飛び込んだ。 4.【±0】 あの日、三年前のクリスマスイヴの夜。ぼくと高彰はホテルのレストランで食事をして、二人だけで過ごすコトにしていた。待ち合わせは午後七時半。高彰が七時まで仕事から抜けられないって云うから。 ぼくがロビーに着くと、時計は丁度七時半だったのだけれど、どういうワケか、普段なら絶対待ち合わせより十分は早く来ている高彰の姿が無い。もしかしたら仕事が長引いたのかも。それとも道路が混んでいるのかもしれない。 今年の冬は異常気象なのか、何と23区内でホワイトクリスマスだ。ぼくは交通機関の雪に弱い体質を見越して早目に出てきたのだけど、高彰は出てこられる時間がきまっているから、遅れてしまうのも無理はないかもしれない。 待つって云うのもなんだか新鮮で面白い。いつ来るかという期待感と、まだ来ないというちょっとイライラする気持ちが微妙に混ざり合って、なんだかフワフワとした高揚感になる。 ぼくはロビーでじっとしているなんて出来なくて、腕に抱えていたコートを羽織ると外へ出た。交差点のトコロで街燈に凭れて時計を見る。7:35。きっと高彰は凄く焦ってる。車を飛ばしながら軽く眉根を寄せている、その表情まで目に浮かぶようだ。 広い道路を車はどんどんと流れて行く。色とりどりの鮮やかな奔流。高彰の車と同じメタリックブルーが通る度、目で追うのだけれど、どれも違う……。 そうして三分程が過ぎた頃だろうか、一つ向こうの信号で止められている一番前の車に目がいった。間違いない、高彰の車だ。ぼくは嬉しいような、遅いと怒りたいような気持ちで、思わず笑みを浮かべた。ここを通る時、高彰はぼくに気付くだろうか。 信号が赤から青に変わる。高彰の車はゆっくりと動き出した。ぼくの待つ交差点へ近づいてくる。降りつける雪を除けるワイパー越しにフロントガラスの向こう側、もう高彰の顔が見える。ぼくは車道際まで出て、高彰に手を振った。予想通りの焦りを浮かべた顔が、一瞬驚きに彩られて、笑顔に変わる、良かった、ちゃんとぼくに気付いた。 高彰は左手をハンドルから離して、ぼくに向かって軽く手を挙げる。丁度交差点に差し掛かったところだ。ぼくも笑顔で手を振り返した。直後、視界の右端に飛び込んできたカタマリ。誰が予測できただろう? だって信号は赤。いくら道路が雪塗れだってまさかそんなコトは、 …………起こったのだけれど。 まるで永遠のような長い時間、ぼくは呆然と立ち尽くしていたように思った。我に返ったのは救急車が来て、白い服を着た人々が、大破した車の中から、ぐったりとした高彰を運び出した時だ。 彼の全身を彩る鮮烈な、赤。 ぼくは野次馬の人垣をかき分けて担架に近づき、彼の名を呼び続けた。 「高彰、高彰!? ねぇ、高彰ってば! ねぇ、ぼくがわかる? ねぇ、高彰、目を開けてよ!!」 何度も何度も呼ぶと、彼はゆっくりと瞼を開けて、ぼくを見た。いつもの強い眼差しから輝きは薄れ、ただ優しいだけの瞳。青ざめた口唇が震えるように動いて、ぼくの名前を呼ぼうとした。 けれどその前に彼は救急車の中に運び込まれ、急かされるようにぼくも乗り込んだ。狭い車内、低い天井。救急隊員がぼくに何か言ったようだけど、わからなかった。けたたましいサイレンを鳴らして、車は走り出す。カーテンが引かれていて、窓の外は見えない。 ぼくは高彰の手をしっかりと握り締めて、彼の顔を覗き込んでいた。雪のように白い顔色。 「たかあき?」 ゆっくり呼ぶと、彼はそっと目を開き、微笑んだ。口唇が震えながら動く。 『ア・イ・シ・テ・ル』 ぼくはかがみ込んで、高彰に接吻けた。きっと、最後の聖なるキス。 不意に、握り締めた高彰の手から力が抜けるのがわかった。少しずつ、触れ合った口唇から体温が消えていくのを感じながら、ぼくは高彰の死体に接吻け続けた。 5.【【+3】】 時刻は7:50。ぼくと高彰はフロントでチェックインを済ませると、エレベーターで客室に向かった。いつものように部屋はツイン。窓側のベッドに腰を下ろして、そっと一度接吻けをして……箍の外れたように求め合った。 衣服を取り去った肌の上に、力強く優しい、大きな手の温もりを感じると、それだけで泣きたくなる程幸せだった。懐かしいなんて言葉じゃとても言い表せない。焦がれて焦がれて、狂おしいほどに捜し求めた、失ったモノ。 一度生命を無くしたその身体から、再び温もりを感じ、分け合うコトが出来る。その喜びに包まれたぼくは、もう他の事なんてどうだって良かった。 確かなのは、ただ高彰が今ここにいて、ぼくに触れているというコト。そして、それだけで充分だった。 幾度も飽き足りずに求め合い、最後に二人同時に大きく息をついてベッドに倒れ込んだ時、サイドの時計は十二時を指そうとしていた。 ぼくは高彰の首筋に腕を絡ませて、彼の耳元に口を寄せた。 「ねぇ、高彰。お願いだからもう何処へも行かないで。高彰なしじゃ、ぼくは生きてけない」 高彰は左腕でぼくを抱いて、右手をそっとぼくの頬に添えた。じっとぼくを見詰める瞳。力強さの奥に激しさの垣間見える、彼だけの眼差し……。 「ああ、咲弥。俺の方こそ、咲弥無しでなんて生きていけやしないさ。……咲弥、永遠に、俺の傍にいてくれるかい?」 高彰の身体越し、窓の向こうでは、闇の中を真っ白な雪が降り続いている。気まぐれな風にひらひらと翻弄される小さな雪片。いつか全てが大地に還ると言うのは本当だろうか。もしかしたら、中にはこの世界から、ふっと何処かへ消えてしまうものもあるかもしれない。 ぼくは高彰の瞳を見詰め返し、一言ひとこと、ゆっくりと噛み締めるようにコトバにした。 「例えどんなコトがあろうとも、いつだって、高彰のいるところが、きっと、ぼくのいるところだよ」 言い終えると、一筋の涙が零れて頬を伝った。ぼくと高彰は、きっと互いに最高の笑顔を浮かべて、深いふかい接吻けを交わした。 時計の針が十二時を指す。 6.【【±0】】 まだ高彰の手を握り締めたまま、そっとぼくは口唇を離した。高彰はゆっくりと目を開けると、やっとぼくの名前を呼んだ。 「さくや、」 「高彰、喋ったりしちゃ……」 「大丈夫だよ。それより、咲弥。今、俺は夢を見ていたよ。三年後のキミを」 高彰の顔色はまだ蒼白だったけれど、瞳には力強さが戻っていた。小さく微笑すら浮かべてみせる。ぼくも安心して微笑んだ。 「ああ……それならぼくも見ていたよ。ほんの一瞬の間に、ぼくはその三年間を過ごしていたんだ」 さっきまで瀕死だった患者がくすくすと笑うのに、見ない振りをしていた救急隊員も、さすがに気味悪そうにこちらを窺っている。 ああ、誰にだって分かりはしないだろう。ぼくと高彰の間に過ぎた三年間を。 ぼくは勝手にカーテンの端を開いて外を見た。降りしきる雪はイルミネイションに照らされて、暖かみを持っているように見えた。この純白に流れた赤い滴りを忘れるコトは決してないだろう。 「……そうだ、咲弥」 「なに? 高彰」 「今日しか言えない大事なコトを忘れていたよ」 悪戯っぽく笑う高彰に顔を寄せると、彼はとっておきの甘い声で囁いた。 「メリークリスマス、咲弥。永遠に愛しているよ」 コトバは毒薬よりも甘く、心に染み込んで、ぼくを蕩かしてゆく。 確かなコトは、今ぼくの目の前で、彼が微笑んでいるというコト。 だから、ぼくも微笑んだ。 「メリークリスマス、高彰。ぼくも、愛してるよ……」 ......end |