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吸い込まれ
青い空へと堕ちて逝く
キミは最後に見たろうか
光に揺らいだ白昼の夢




抱きしめた枕から
鼓動が伝わってくる
生身の胸に手を当てても
心臓なんてみつからないのに
聞こえてくる響きは
果たして本物なのか
眠りに堕ちる私には
もう わからない




ぼくが憧れる人々はいつだって
ぼくの傍まで降りて来はしないと
相場は決まってて
美しく笑いあう彼等は
ぼくが精一杯手を伸ばしているコトに
決して気付かない

手を伸ばしている限り
永遠に近づけはしないのだと
いつかぼくは気付いたけれど
それでも
求めずにはいられなくて

ぼくはひとり
永遠に
狂おしく焦がれたまま
取り残されたまま




真っ白なミルクに
薄荷の欠片
憂鬱な雨を拭い去る
夏の馨りが広がるよ
碧いグラスに氷が揺れる




この人でなければ駄目なのだと
狂おしいほどに欲する気持ちなんて
ぼくはまだ知らない

相手のコトを知らないまま
恋をするなんてあり得るの?

相手のコトを知ったあと
どうやってそれは恋に変わるの?

恋愛ってどんなものなのだろうか
知りたいと思っているうちは
きっと分からないのかもしれない




青い鳥の聲をききなさい
ここは迷いの森
あなたは出られない
ここは閉じられた森
せめて
歩き続けなさい
ここはあなたの森
あなたが止まれば
朽ちるでしょう




ぼくは 彼を好きなのだろうか
彼を好きだと思おうとしているのだろうか
もう何年も恋を知らないぼくは
その手触りを忘れていまっていて
これが本当に恋なのか わからない

でも 本当に恋だとしたら
決して報われない恋なのだけど




本当はキライだったの?
自分から求めていったのに
知らない顔をして
繋いだ手をそっと放した

求めなければよかったの?
知らないままでいたのなら
怖いコトなんてなくて
キライにもならなくて

恐るおそる繋いだ手を
あなたから放されるのが怖くて
でも、強く握れなくて
そっと放したのだけれど

本当にキライなのは誰?
本当に怖いモノは何?
本当に知ってるの?
本当は知らないの?



わからないのがこわいの
こわいのがキライなの


だから手を放す




他の人たちが
優れているというコトや
恵まれているというコト
そのコト自体だけでなら
ただ羨ましいと思うだけ
けれど
そのコトを自覚してない人たちが
わたしは キライ
当たり前のコトとしているのが
とても キライ
そんな涼しげな顔よりも
子供じみた誇らしげな態度の方が
ずっとイイ
だからわたしは
にっこり微笑ってこう言うの
「ね、すごいでしょう!」




2人というカタチ・必要だから傍にいる・必要とされたくて傍にいた・お互いじゃなくても構わない・偶々アナタがそこにいた・取り換えのきくもの・取り敢えずのパートナ・淋しさの共犯者・きっといつかいなくなる・きっといつか消えてしまうけれど、
今は 2人というカタチ。




立ち去ろうとする君を両手で抱きしめて
ぼくは そっと 目隠しをさせた
真っ白な包帯をぐるぐると巻きつけて
耳の横でリボンのように結んで留めて

   ほら、もう君はなにも見られない
   ほら、もう君は何処へも行けない

君の頬に両手を添えて接吻けて

   ほら、もう君はぼくだけのもの




キミはなにも知らないがいいよ
知らないままでいるがいいよ
護られているがいいよ
大切に 大切に
包まれているがいいよ
あたたかな暗闇に

その胸に顔を埋めたならば
キミの目蓋は塞がれる
なにも見えないコトは
なんて安心
全てを委ねているコトは
なんて安楽

なにも知らないままのキミ
知らないままでいるがいいよ
護られているコトすらも




もう もう もう もう
なんだって構わない
誰も聞いていなくても
ぼくはコトバを紡ぎ続けよう
ぼくの為に
ぼくのこころの為に
もしも そのコトバ達が
誰かのこころに届いたならば
その時ぼくは
微笑んでお礼を述べるだろう




彼女と話をする度に
彼女を深く知る毎に
どんどんと
彼女を嫌いになってゆくのは
それは
きっと ぼくは
彼女が羨ましいのでしょう




俯かない 逃げ出さない
アタシはアタシなのだから
誰になんと言われても
ウシロユビを指されても
アタシはアタシの思うまま
遙か 道の果てまでも
独り笑って歩いてみせる




永遠を映す光の中で
揺らめく無限に閉じ込められて
微笑むあなたは鏡の中に
そしてわたしは闇の中




操ラレタ 左手デ
アナタヲ 拒ミ
アナタヲ 殺シ
アナタヲ 抱イテ
いのちノ ナイ 2人
深ク 深ク
堕チテ 逝ク




慰めないでね
アタシは可哀相なアタシが大好きだから
いつまでも独りで泣いてるわ
ここから動かずにいるわ
変わりたくないの
このままでいたいの

アタシは可哀相なアタシが大好きだから




ぼくの語るコトバは いったい誰のモノなのか
ぼくは知らない
ぼくの中にあるコトバたちは
ぼくであって ぼくではない

   寄セ集メダヨ
   がらくたダネ
   ホラ 壊レソウ

全部ぜんぶ なにもかも
きっと本当じゃないんです
ごめんなさい
ぼくは詩人なんかじゃない

・・・ただコトノハをつむぐだけ




  桜が咲いたらボートに乗ろうか
  ぼくが漕いであげるから
  キミはただ座っていればいい
  満開の桜を見上げて

  池の上に架かる
  桜のアーチの下もくぐろう
  視界に入るものは
  咲き誇る桜と それを透かした空だけ

  時間はゆっくりと流れる
  そこは切り離された世界だから
  水と桜と 二重の結界で
  誰もぼくらに触れられない

  今はまだ少し寒いけれど
  春はもう 来ているんだよ
  わかるよね
  空気には春が漂っているコト

  桜が咲いたらボートに乗ろうか
  ぼくが漕いであげるから
  キミはただ座っていればいい
  満開の桜を見上げて




大切なコト
つかまえたと思ったのにな
歩いて歩いて
気が付いたら
みんな雨に流されてた
失くしちゃったよ
ぼくのものになったのに
でも
哀しくても泣かない
誰も見つけてくれないから




ゼンマイ仕掛けの歪なぼくらは
失くした螺子を探しているけど
壊れた世界もそれなりに
気に入っていたりするものだから
互いの螺子を隠しあっては
日が暮れるまで遊んでる




ぼくがなにかを「嫌いだ」と言うのを
哀しく聞くやさしい人がいる
そのコトは
ぼくをとても哀しくさせる
だから
思うコトは変えられない代わりに
ぼくは無口になってゆく
貝のように
言えないコトバを溜め込んで
そのコトバたちは
いつか真珠になるだろうか?




誰も知らない
知られてはいけない
ぼくの中の闇を
あふれてしまわないように
抑えつけているモノを

未だ、失くせないから……




あたしは、ひとり
他にだれもいないわ

いつからかしら
いつまでかしら

でも そんなコトはいいの
あたしは、ひとり
ただそれだけ




雛鳥たちは巣立ってゆくけれど
キミだけは いつまでも
永遠に
ぼくだけの少女(アリス)




やわらかなしあわせ
きみのあどけない寝顔
無防備なその姿
おだやかな寝息が
泣きたいくらいの平和な日常

うん、大丈夫
きみがいてくれるなら
ぼくは大丈夫。




叫ぼう
叫ぼう
空に 海に
ぼくたちの声で
ぼくたちの言葉で
世界中に呼びかけよう
“ぼくは いま、ここにいる”



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