夢・現
1996.Mar.発行
きらきら光る宝石箱
ほら 鍵はここにある
それをあけるのは キミだよ
ねえ、早く見せてよ
ぼくに見せてよ……
晴れた日
April
はじまりは 晴れがいい
ただ
澄んだ空があれば
ぼくたちは何もいらない
時の風
May
蒼い天を碧の風が過ぎて
ぼくたちへ時を運ぶ
いつだってぼくたちは
新しい時に包まれて
君を迎えに行くよ
切り替え
June
流れる涙は誰のため?
別れを告げた
春のため
でも その後には
いつでもハナマル
とびっきりの笑顔
最後の夏
July
最高の夏休み 創ろうよ
今は現在しかないんだもん
無駄に過ごしちゃ勿体無い!
さあ一緒に
夏への扉を開いて……
光
August
太陽の輝きを身に受けて
もっともっと
煌いて
涙は海に
消えるから
残暑
September
置き去りにされた
夏のカケラ
哀しい蜩
一人ぼっちのビーチボール
泣かないで
ぼくたちは また
戻ってくるよ
きっと
天高く
October
茜色に染まった空に
君がのぼってゆくよ
追いかけて
とどかなくて
だけど
いつも君のそばに……
空
November
大きく手足を伸ばしたら
どんなに気持ちいいだろう
冴えわたる凍った青空に向けて
この身体を引き裂くほどに
大きく伸ばしたら――
何かに少しだけ
近づけそうな気がした
冬
December
木々が葉を落とし
雪が降りました
そして
わたしの季節がやってくる
幕明け
January
新しい時代には
何かが起きる
過去よりも現在
現在よりも未来
いつだってぼくたちは
未来を見つめて……
月の満つる前の日に
February
氷の下に
閉じ込めた気持ちも
この時だけは
あたためて
切ない想いを伝えたい
訪れ
March
花が 咲きました
雪が 融けました
空が 薄青色になりました
大地が やさしくなりました
あなたは ゆくのですね
もう、
春です――
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