■ best birthday ■


俺は、幸せだったのです。

ミトさんは優しくて、森の動物たちも仲良くしてくれて、空も、大地も、森も、みんなみんな俺を見守ってくれていました。

それなのに俺はわがままです。

俺は欲張りです…。


「ゴン、もうすぐ誕生日ね」
 ミトさんがお皿を洗いながら歌うように聞いた。
「うん、11歳だよ」
「プレゼント、何にしようかしらね。何か欲しいもの、ある?」
「…何でも、いいよ。」
「そうねえ…」
 ごめんね、ミトさん。俺は嘘をついちゃった。
本当は有るんだ。ずっとずっと心に在った、願い。
でもこの願いは誰にも叶えられっこないから、きっとミトさんを困らせるから。 だからこの願いを知っているのは神様だけ。

… だってそれはこの島で一番綺麗な時間と場所でたった一度だけしか紡くことのなかった言葉だから…。

 

 

 

明日はアイツの誕生日。

何を送ろう、何を贈ろう、 アイツが俺にくれたもの

その大きさに適うもの。


「俺、皆でピクニックに行きたい!!」
  ぱあっとゴンの大きな瞳が輝いた。
「…そんなものでいいのか?」
 納得いかないって面してるクラピカ。俺だって納得いかねえ。だが当のゴンは俺の腕を掴んで『ピクニック、ピクニック』とねだるように連呼していやがる。
「ゴンがそれがいいってんなら俺も断る理由ねえけどよ…」
「わーい!決定だね!!明日4人でピクニックだよ!!約束だよ!!あ!ミトさんにお弁当作って貰おうっと!!ミトさーん!!」
 …飛んでいっちまったよ…、マジで嬉しそうに。
  そう、ここはくじら島。ゴンの故郷だ。俺とクラピカはぎりぎりまであちこちの店を回ってゴンへのプレゼントを物色していた。お互い諦めの悪い性質だと思う。でもやっぱり自分で選んでやりてえじゃねえか。
  しかし「これだ!!」っていうものは見つからずに結局前日である今日になってようやく主役にお伺いを立てている次第である。それもかなりしぶしぶ。
「ピクニック…ねえ…」
  複雑な表情をして紅茶を口に運ぶ俺。
「まあ、ゴンがそう言うのだ。仕方あるまい」
  そうは言いながらもまだ納得の行かなげな面してるクラピカ。
  ゴンにはハンター試験の頃から色々と世話になっている。実際ゴンがいなかったら俺はハンター証を手にすることなんて出来なかっただろう。ゴンの奴は「そんなことないよ」なんて言いやがるがそれが事実。いくら感謝してもし足りない位だ。
だからこそ誕生日には何かでっかいモン、プレゼントして喜んでもらおうと思っていたんだ。
そんでクラピカとあちこち回ったさ。おもちゃ屋に釣具屋、雑貨屋から本屋etc…。でもどれも何かゴンのイメージじゃなくて…。
  思わず零れる溜息。しかもクラピカとシンクロしちまった。考えていることは同じらしい。
「…せめて、弁当作りでも手伝うべきだろうか…」
「やめとけ!」
  クラピカが世にも恐ろしい提案を呟いたもんで思わず瞬時にして叩き落しちまった。うわ…すげえ目で睨んでやがる。
「…何だ、その怯えの入ったまなざしは…?」
「ほ、ほら、ゴンはミトさんの料理が大好きな訳だし…本人も喜んで飛んでいったことだし…やっぱほら、ゴンの意見を尊重すべきだと…」
  しろろもどろに言い訳してたその時、
「ごめんなさいね、ゴンが無理言って」
 よく通る声と共に女性がひとり、部屋に姿を現した。ゴンの叔母のミトさんだ。その後ろにゴンとキルアが悪戯っぽい笑顔を浮かべて立っている。
助かった!と心の中で大感謝をして、大げさに手を振る俺。
「いえ!ゴンのためなら例え火の中水の中ですよ!!」
「今夜は泊まっていってね。今部屋を用意するから」
 俺の仕草に笑いをこらえながら宿泊を促すミトさん。慌てて辞退の旨を伝えようとしたが宿のある街までの距離の物凄さときっと明日は日が昇る前からゴンに付き合わされるから、と押し切られてしまった。
「ゴン、キルア、部屋の準備手伝ってくれる?あ、それで部屋だけど…」
  準備に取り掛かろうとした彼女がふと足を止める。
「キルアが言ってたんだけど同じ部屋でいいのね?」
ぶうッ!!!
がたーんッ!!!
  ほぼ同時に俺は紅茶を噴出し、クラピカは椅子から転落した。
「キキキ…キルアああぁぁぁぁッッ!!!」
  ようやく床から這い上がったクラピカは家じゅうに響き渡らんとばかりに叫んでいた…。

 

 

明日はお前の誕生日

何を送ろう、何を贈ろう、 お前が俺にくれたもの

そのぬくもりに適うもの。


「あ〜、可笑しかった!」
「キルア、やりすぎだよ〜」
「とか言いながらお前も笑ってるじゃねえか」
「えへへ、だって先刻の二人の顔…」
  そしてまた二人で腹を抱えてベットの上で大笑い。ミトさんには怒られたけど「お約束」だろ?結局部屋は分けてもらったんだし、いいじゃねえか。
それに俺は見たぜ。オッサンがちょっと悔しそうな面してたの。
「それにしても明日楽しみだなあ〜v」
「…それなんだよな、何であんなこと頼んだんだよ。俺ならチョコロボくん100ダース位買ってもらうぜ」
「そう?一日中皆で楽しく過ごせるんだよ?最高だよ。へへ〜、明日は二人に思いっきり甘えるんだ。『もう勘弁してくれ』って言われても!!」
「……」
「キルア?どうかした」
  突然黙り込んだ俺を不審に思ったのかゴンが心配げな声を掛けてくる。
「何でもねえよ、ほら、じゃあとっとと寝ようぜ、おやすみー」
  誤魔化すように電気を消して布団を目深に被ってみせる。『おやすみ』とやや納得いかなげなゴンの声を背中に聞いた。明日のことでも考えてんのかしばらくは布団の中でごそごそする音が隣から聞こえていたが、やがてそれは静かな寝息に変わる。

  俺はゆっくりと起き上がり窓の外に目をやった。夜空には窓越しでも解るほどの満天の星。
『明日は二人に思いっきり甘えるんだ。』
  ゴンの弾んだ声が耳の奥に響く。
「じゃあ、俺は…?」
  思わず、呟く。だってピクニックのプレゼント、レオリオとクラピカはいいかもしれないけど、それでは俺は何もしてやれないじゃないか。
  今まで知らなかった幸せも、ずっと欲しかったぬくもりも、お前が教えてくれた。レオリオよりもクラピカよりも俺が沢山のものを貰っているのに。二人よりも、誰よりも、俺が一番でっかいプレゼントをしなくちゃいけないんだ。なのに。
  思い出すのはハンター試験の後、もう二度と会わない覚悟を決めて家に戻ったあの時。俺の闇を知ってしまったお前がどんな目で俺を見るのか、考えるのも怖くて、そしてゴンから逃げたんだ。
  なのに、お前は追ってきてくれた。
    再会した時笑いかけてくれた。
      …前と変わらないまなざしで俺をまっすぐに見てくれた。
お前、知らねえだろ、あの時俺が泣きそうなくらい幸せで胸がいっぱいだったかなんてさ。

  溜息をついて視線を俺の鞄に移す。あの中には迷って迷って迷った挙句のプレゼント。
ゴンに喜んで欲しくて、ゴンの笑顔が見たくて。あちこち走り回って、沢山品定めして、チョコロボくんもちょっと我慢して…。
でも俺は友達のためのプレゼントなんて探すの初めてで結局見つからなかった。
だから、作ったんだ。それこそ一生懸命だったんだぜ。お前に見つからないように、でも丁寧に…。それでもこんなものでいいのか不安でたまらなくてさ…。
「……」
  胸の中に溜まる不安を打ち消すように勢いよく布団をかぶる。やがてフクロウの声を子守唄に俺は夢の中へと落ちていった。

 

今日は彼の誕生日

何を送ろう、何を贈ろう、 彼が私にくれたもの

その重さに適うもの。


「ぶわ!こ…こら、1対2とは卑怯だぞ!!」
「だって俺たち半人前だもんなー」
「そうそう!えい!!」
「待て!こら!降参だ、降参!老体を少しは労われ!!」
  叫びながら湖から上がるレオリオ。全身ずぶ濡れのその姿はゴンとキルアの攻撃のすさまじさを暗黙の内に了解させる。
彼は二人に『1時休戦!』と宣言して、昼食の準備をする私の隣に転がった。
「だらしないぞ、レオリオ」
「うるせえ、こちとら普段は朝から晩まで机に座ってる身なんだぞ。朝の5時から起こされてあいつらのペースで遊び続けたら死んじまうだろーが」
私の差し出したタオルを受け取って髪を拭きながらボヤくレオリオ。でもその表情はまんざらでもなさそうだ。

 今日は5月5日、ゴンの誕生日。約束通り私たち4人はピクニックに来ている。
 夜明け前に起き出し、朝日と共に出立して、はしゃぐゴンの先導で自然を堪能した後、開けたこの場所で昼食をとろうと準備をしているところだ。
 昼食準備の手を止めて顔を上げると雲ひとつない青い空、まるで天気までもがこの日を祝福しているかの如き見事な五月晴れ。そして緩やかに吹き抜ける風と湖から漂う涼しげな香り。春から夏へと衣替えの最中であろう春の花と夏の緑の色彩をふんだんに敷詰める大地…。都会が利便性と引き換えにして捨ててしまった贅沢がここには当然のように存在していた。
 
湖で未だ果敢に水と格闘している幼い二人の勇者を眺めながらレオリオが口を開く。
「平和だなあ」
「そうだな…」
「何かこうしてると家族って感じしねえか?奥さん♪」
「しない。」
  意味深げににやけながら掛けられた台詞を即否定してやる。落ち込んでみせてもダメだ。全くすぐにお前は調子に乗るのだから。
「でも…さ」
 しばらくして今度は真剣味を含んだ声が言葉を紡ぐ。その瞳に優しい光をたたえながら、跳ね回るゴンとキルアを映して。
「でもゴンにとってはこんな風に遊ぶってのは初めてなんだろうな…。あんなにはしゃいじまってさ」
「……」
「昨夜さ、ミトさんに言われたんだよ。『ゴンに甘えられて羨ましい』ってな。多分あいつなりに気を使ってきたんだろうさ」
「…ゴンらしいな、あれでしっかりしているから」
  私の目から見てもゴンは少し大人びた面がある。早くに自分の中で色々とけじめをつけてきたのであろう。自分で考え、判断し、そして責任をとることに重要性をしっかりと理解している。
ただその分自分でこうと決めたことはてこでも覆さない融通のきかなさにはよく苦笑させられるが。まあ私もその判断によってこうして生き長らえているのだから何とも言えない。
  ふっと脳裏を過ぎるヨークシンでの日々。余裕の無かったあの頃、全て一人でケリをつけるつもりだった私にゴンが援助を申し出てくれた。
勿論私もそれを拒んだ、だがゴンは決してその申し出を撤回しなかったのだ。正直、ゴンたちの援助がなければ私は今ごろ同朋と同じく瞳のない冷たい骸と化していただろう。
  「ま、甘えられて悪い気はしねえな、ゴンなら」
とテレ笑いを浮かべながらレオリオ。そうだな、とつられて私も微笑む。
その後『でもお前の妻は勘弁だがな』と付け足しておいた。再び肩を落とすレオリオ。 その仕草にまた笑って、ゴンとキルアに声を掛ける。
「二人とも!準備ができたぞ!!手を洗ってから来い」
「はーい!!」
  気持ちのよい返事をして二人が駆け比べよろしく走ってくる。ごはんごはんと急かす二人の髪を無理やり拭いてやった。まだ春の冷えを残す空気に風邪でもひいたら大変だ。
「よし、では食べるか」
私の許可を皮切りにして『いただきまーす』と叫ぶや否や二人は目の前に装われた昼食に飛びつく。
「ゆっくり食べろ、時間もお弁当もまだ沢山あるのだぞ」
「しっかり噛んで食べねえと大きくなれねえぞ」
「え!!」
途端、ゆっくりと噛んで食べ始める二人。思わずレオリオともども吹き出さずにはいられなかった。

 

 

 

今日は俺の誕生日

皆が沢山の『しあわせ』をくれた最高の誕生日

何を返そう、何から伝えよう 皆が俺にくれたもの

その幸せに適うもの


「見て!凄いでしょ!!」
  俺は振り返って皆に両手を広げてみせた。 そう、もうすぐ日が暮れる。
  お昼を取った後クラピカに頼んで子守唄を歌って貰った。知らない言葉と知らない曲の子守唄。でもそれはとても懐かしくて、とても気持ちよくて、暖かい陽だまりの中キルアと俺はいつの間にか眠ってたんだ。
 夢から覚めてまた森を皆で歩いた。枝にからまって遥か頭上で俺たちを見下ろすグミの実。いつものように木に登って取ろうとしたらひょいって体が浮いてびっくりしたんだ。下を見るとレオリオが『肩車はどうだ?』って笑ってた。ちょっとくすぐったかったけど高い視線にとても嬉しくなったんだ。

  そしてピクニックの終点。ここは俺の秘密の場所。沈む夕陽が照らし出す橙色。遠い遠い地平線から投げかけられるその色が生命力溢れる緑さえも打ち消しながら今日という日の終わりを告げている。
「…神様の、灯り、なんだ」
「…神…?」
  聞き返したレオリオの言葉に大きく頷く。
「お前、神サマなんて信じてるのかよ?」
  キルアの意外そうな声にもうひとつ頷く。そして振り返る、神様の灯りを背中いっぱいに浴びながら、両手を大きく伸ばして、

「だって、皆と会えたんだよ!」


…あの日、俺はここで呟いたんだ。誰にも言えない、願い。誰にも叶えられない、願い。

  ミトさんは優しいけど、大好きだけど、甘えてはいけない人。ずっとずっと俺を本当の子供のように育ててくれた、だから、甘えてはいけない人。

 コンとは兄弟のように過ごしてきた、ずっとずっと一緒だった、でもコンは森の長。森で一番敬われる彼はそれゆえじきに「人間」である俺から去らなければならないだろう。

『友達に、逢いたいです』

 友達ってどんな人なんですか。
  優しい人でしょうか。
   面白い人でしょうか。
    甘えてもいいのでしょうか。
     一緒にあちこち冒険してくれるでしょうか…。

 誰にも言えないけど、誰にも頼めないけど、神様、俺の友達がもしいるのなら、その人に逢いたいです。

…そして、皆と会ったんだ。

皆が『友達だ』って、言ってくれたんだ。

たくさん笑いかけてくれたんだ。

だから…


「皆、今日は有難う。俺すっごく楽しかったよ」

 太陽が沈んでしまった後、俺は皆にお礼を言った。もっと気の利いたことが言えればよかったのに胸の中がいっぱいで言葉が何にも思いつかなかった。
「何を言ってんだ、こんなケチくさいプレゼントねだりやがって」
  レオリオがいつもみたいに俺の髪をくしゃくしゃってかきまわす。
「全くだ。これではプレゼントにならないな」
  クラピカが溜息をつく。でもその目はいつもの優しいまなざしで。
「ああ、俺たちまで楽しいんじゃどうしようもねーじゃねえかよ」
  キルアが口を尖らせて俺の頭を軽くこづく。
「本当!?皆も楽しかった!!?」
「喜ぶなっつーの!」
  いつもの空気、いつもの皆、それがこんなにも嬉しくて楽しい。
「えへへ…、さ、帰ろ!!きっとミトさんケーキ作って待ってるよ!!」
  俺は皆の手を引っ張りながら来た道を辿る。沈んだ灯りに心の中でありがとうって何度も言いながら。

「じゃあ、レオリオ、クラピカ、お休み!今日は本当に有難う!!」
「礼なんか言うなよ、俺たちも楽しかったからさ」
「一日中はしゃいだのだから夜更かしせずに早く寝るのだぞ」
「うん!!」
  満天の星灯りの下、クラピカに星の話を聞きながら帰ってきた俺たちを待っていてくれたのは予想通りミトさん特製のケーキ。
パイの土台にブルーベリージャムを挟んだスポンジ、その上には木苺やサクランボなんかが敷き詰められているケーキ。その頂上にそびえる13本のロウソク。その火を一気に吹き消すと皆が拍手をくれたよ。そしてミトさんが切り分けてくれたケーキを食べた。レオリオもクラピカも美味しいって言ってくれて嬉しかったなあ。キルアなんて「おかわり!」とか言い出すし。…俺も言ったけど。
 食べながら今日の出来事をミトさんにたくさんたくさん報告した。ミトさんは笑いながら聞いてくれて最後に「よかったわね」って言ってくれた。
  そして今俺たちはそれぞれの部屋に戻るところ。皆におやすみを言ってキルアと一緒にベットに飛び込んだ。でも何だか目が冴えてしまって眠れない。まだ胸のわくわくがおさまらなくて。
「今日は本当に楽しかったね」
「そーだな」
「あーあ、二人とも、明日もうかえっちゃうんだよね、寂しくなるな」
「…そーだな」
  …キルア、もう眠いのかな…、言葉が少ないキルアに身体をむける、と突然キルアが『よし!』って言って起き上がった。そのまま部屋の隅に置いてある自分の鞄をあさっている。
「…?」
「確か昨日このへんに…あった!」
「何が?」
 聞き返した俺の顔先に何かが突きつけられた。
  それは小さな木彫りの魚の飾り物。木彫りの魚と綺麗な天然石が首飾りのように茶色の皮紐で括られている。それを黙って差し出しているキルア。
「ひょっとして…誕生日のプレゼント?」
「…要らないなら俺に見えないように捨てろよ」
「要る!!」
  慌てて受け取る。俺の手の中でしゃら、と涼しい音を奏でるそれ。あ、これよく見ると手作りだ。じっと眺めていると何だか自然に顔がほころんできた。
「…んだよ、突然にやけて…」
「へへへ…だって何だか嬉しくてさ…」
「…バーカ、何が嬉しいんだよ」
「だってこれキルアの手作りなんでしょ?」
「ま…まあな、何かいいモン見つからなくてな。ま、これからも世話になるわけだし…。あ、俺が世話する方が多い気もするがな」
「嬉しいよ!俺ずっと大事にするから!!そうだ、こうやって鞄に結んでおけばいつでも見れるよね!」
 俺も鞄を引っ張り出してきてその横にキルアのプレゼントを括りつける。うんうん、いいかんじ!キルアがそんな俺をじっと見ながらぽつり、と呟いた。

「…気ぃ使わなくてもいいんだぜ?そんなつまらないモン別に嬉しくねえだろ?」
「気なんて使ってないよ!本当に嬉しいんだ!!だってこれキルアが俺のために作ってくれたんだよ?世界でたったひとつの俺だけのためのプレゼントだよ?」
「…ゴン」
「もし無くしちゃっても世界中走り回って絶対捜すからね!いや、無くさないけど!!」
「…バカ」
照れたようにキルアがこつんと俺の胸にパンチを繰り出す。やっと少し笑ってくれて。
「ね、キルア、誕生日ついでにもうひとつ、いいかな?」
「何だ?」

「…これからも友達でいてくれる?」
  流れる、沈黙。キルアが目を丸くして俺を見てる。またバカなこと言ってるって思われただろうかって心配になった時、
「ったり前だろ!!」
 キルアが、笑った。思いっきり笑いかけてくれた。 嬉しくて、嬉しくて俺も思いっきり笑い返したよ。


そう、ずっとずっと欲しかったんだ。

ずっとずっと願ってたんだ。

だから皆と会えたこと

それはきっと一生で一番素敵なバースデープレゼント

END

かなり試行錯誤しました…。前にゴン+キルアの本を出した時も思ったのですが、ゴンのストーリーって難しいです!!ゴンはキャラクター掴みづらくて…。原作でもいつも読者の意表をついてくるし、無敵そうだし(笑)、弱点なさそうだし…。ツッコミ所が無いんですよね…。今回は完敗いたしました。ゴンのキャラクターに。

それでもちょっと家族的な雰囲気で書けて嬉しかったですvミトさんの扱いが何だかぞんざいになってしまったのには反省しておりますが。 でもゴンは無意識にミトさんに甘えることを避けているんじゃないかなあと思うのです。彼女を敬愛するゆえに距離を置いているのではないかと。
…とはいえレオリオやクラピカに甘えているかと問われればNOとしか言えないのですが。…とくに原作は。かえってピカがゴンの好意に甘えまくりですよ…。それでいいのか、母(笑)辛うじてキルア位でしょうねえ…、ゴンが甘えを見せるのは。ゴンは本当に強いです。もう12歳なのに「格好いい」くらい強い。

後半はゴン主観で文章作っていったのですが、ははは…細かい表現使えなくてちょっと苦戦しました。もう苦戦ばっかり…がくり…。
ゴン、ごめんね…、でも誕生日おめでとうvこれからもいい男でいてねvv

平成13年5月13日up


→ハンター部屋へ