外房大原沖のアカイカ

 

 例年1月頃から始まり、3月ともなれば盛期を迎える東京湾、相模湾のマルイカ、今年は4月上旬になっても一向に姿を見せない。その逆に、初夏に盛期となる外房方面のアカイカ(標準和名ケンサキイカの外房、伊豆での呼び名をアカイカ、東京湾、相模湾での呼び名をマルイカという)、2月下旬に飯岡沖から釣れ始まり今は大原沖である。回遊のルートが変わったのだろうか、自然の営みには人間の浅はかな考えを越える奥深い理由がそこにはあるのだろう。

 

 ま、そこら辺の事情はさておき、アカイカ釣りを楽しみたい自分は4月7日外房大原港の喜栄丸に釣行した。本日の相客は埼玉からのご夫婦が一組だけで、左舷前からご主人、奥様、自分と並んだ。5時出港、岩船沖へ向けて南下するが、南風が思ったより強く波に叩かれながら40分かけて65メートルダチのポイントに到着。外房には珍しく40パイ位の船団である。ポイントが広いため他の船とそれほど接近することはないが、地元大原、岩和田に加え片貝の船も見られ、当地のアカイカの好調を物語っている。

 

 道具立てであるが、高波対策に軟調長竿とし、仕掛けはアカイカ用10センチスッテとマルイカ用7センチスッテを混ぜてみた。潮の流れは良いので期待が持てるが何しろ4メートルの波うねりである。第一投は空振り、二投目で早くもグングンの手応え。慎重に手巻きで胴長25センチの中型を釣り上げホッとする。

 

 軟調竿に80号オモリなので手持ちはややキツイが、上下動が大きいため置き竿でアタリをとるのは難しく手持ちで頑張った。その後もアタリはあるが、巻き上げ途中でフッと消えることも多く、やはり波によるバラシ多発である。前半はポツポツの乗りだったが、後半は流しかえのつど、第一投にはほとんど投入即乗ってきた。タナはベタ底だが上の角にもアタッており、遊泳層は下から5メートルまでと見られる。アタリ角にも注目していたがどの角にも平均して乗っており、今回角の違いによる差は見られなかった。

 

 12時に沖上りで釣果は20から35センチ(胴長)が16パイ。ご夫婦も同様の釣果だった。

 

(まとめ)

 今回なんといっても高波の上下動対策がキーポイントとなった。上下動に影響する要因をあげると、@糸の伸びA釣り手が竿先を上下するB竿の曲がりCドラッグのすべりD電動巻き上げが考えられる。4メートルもの上下動に対して@は効果薄。Aは1メートル程度の調整が可能だが一日中波に合わせて正確に上下するのは結構疲れる。Bは竿の選択ひとつで1から1.5メートルの調整が可能。C船が持ち上げられるときにドラッグがきき糸がスムーズに出ていくように緩めにしておく。これで1メートルの調整が可能。D船が下がる時それにあわせて自動で巻き取るように電動スピードを調節する。上下動に対する追随だけなら高速だが、それだと身切れもあるので中速が良い。

 

 自分はBCDをフルに活用して上下動を吸収するようにした。そしてドラッグと巻き上げ速度に細心の注意を払い、手巻きよりも電動巻き主体で仕掛けの安定の方に意識をより傾けた釣り方を心がけた。が、それでも2、3割は途中でバラしているように感じる。難しいものだ。

 

(当日の仕掛)

    竿:NFTヒラメ竿40号3.3メートル

    リール:シマノ電動丸3000XH

        道糸PE6号300メートル

    仕掛け:5号5メートル、枝間1メートル、枝ス3号20センチ

        浮きスッテ上から10cmレンズスッテピンク、7cm糸巻き黄茶、

        10cm布巻き赤緑、7cm糸巻き赤青、10cm布巻き赤白

    オモリ:80号