三浦半島秋谷沖のイナダ

 

 絶好調が伝えられる今年の相模湾のワカシ、イナダ。数が多くて育ちも早い。このため船宿が掲げる看板がワカシからイナダへ切り替わるのが例年よりもかなり早いようだ。大好きなカッタクリを堪能したくて、8月30日、葉山あぶずる港の愛正丸を訪ねた。

 

 定刻6時、飯田孝弘船長の操船、釣り人7人で出船。ミヨシにはルアーの2人、あとは竿釣り一人、カッタクリが3人、自分は右トモにはいり、竿とカッタクリの両方を使う。

快晴無風の相模湾を南下、航程20分の秋谷沖30メートルだちで開始。アンカーは打たず流し釣り。

 

 出船前の船長との話では、「バケは魚皮よりもウィリーが良く、竿を使ったシャクリ釣りがいいよ」とのことだったのでウィリーシャクリで開始した。仕掛けを20メートルまで落としてシャクリを開始。1メートル幅のゆっくりめのシャクリに止めをやや長めにとる。10メートルでもぞもぞときて一呼吸おくとグィーンと竿先が入った。イナダ特有の引きを楽しみながら38センチ級を抜き上げる。船中第一号だ。

 

 その後も空振り無しの入れ食いで、6本連続で釣り上げた時点でまだ20分しかたっていない。本日はカッタクリを主とし、竿とリールは意図的に軽量級を用意していたので1本巻き上げるのに引きを十分楽しめるが結構手間取る。前を見るとカッタクリの方も好調なので、ここで自分もカッタクリに変更。天秤を手釣り糸に付け替えるだけなので簡単だ。

 

 カッタクリでも同じく20メートルから上を探る。ここでもゆっくりめにカッタクり、間を取った。やはりタナ10メートルを中心にアタリがでる。手に直接伝わる引きが心地よい。水面に近づくと横に下にと暴れまわるので、うまくいなして流れるように取り込まないとバレる。

 

 そのうち中羽イワシの群が船のまわりを回遊するようになり、仕掛けに掛かってきた。はじめはいちいちイワシをはずして仕掛けを入れ直していたが、船長が「先バリにイワシをつけてカッタクるといいよ」と教えてくれた。やってみるとそれまでよりもアタリが早くくるようになった。イワシは18センチ前後。アタリがあったら食い込むまで気持ち糸を送って待ってやるといい。イナダのサイズに較べてややイワシが大きいので、食い込まない時もあるが、ウィリーよりも明らかにアタリが早い。

 

 いわゆるサビキヒラメと呼ばれる、サビキでイワシを釣ってそのまま仕掛けを下げてヒラメを狙う釣り方がある。イナダでこれをやってみた。まず水面近くでウィリーサビキでイワシを釣る。鈴なりになったところで10メートルまで下ろして待つと、ゴツゴツとしてギュィーンと竿先が曲がった。この釣り方でも面白いように連続ヒットした。

 一日全体を通してみるとポツポツの釣れ具合で3,4回の時合にバタバタと連続して釣れた。この時合にうまく数を稼いだ方が釣果を伸ばしたようだ。10時までには25本前後釣った方が多く、クーラのサイズによっては満タン近い方もいた。

 

 12時半沖上り。釣果は30から42センチのイナダを32本、30センチのカンパチが2本。船中では10から42本。外道にタチウオ、ソゲも釣れた。サバはまったく混じらずソーダも数少なかった。

 

(まとめ)

本日はイナダがイワシの群に付いている状態なので、イワシの使い方がポイントになった。

(1)こんな日はルアーはダメ。ルアーの方も途中からはイワシを釣って泳がせていた。

(2)イワシが掛かったら、先バリに付け直してカッタクるとよい。先バリ以外だと手前まつりになる。

(3)カッタクるのでイワシは死んでいても食いは変わらない。

(4)当たったら食い込みを待って気持ち糸を送ってやる。

 

(当日の仕掛)

    手釣り糸:24号50メートル(5mごとに色分け)

    竿:剣崎302.1メートル

    リール:アンバサダー6500C3

        道糸PE6号100メートル

    仕掛け1:片天秤、ステン缶50号、クッション2ミリ30センチ

         ハリス53メートル、ウィリー3本バリ

        仕掛け2:サニーカゴ、サビキ5号2メートル、ウィリー6本バリ

                  オモリ50号