大磯沖のカマス

 

相模湾のカマス(標準和名アカカマス)、秋冬の乗り合いのシーズンはとっくに終わっているが、最近アジ船でたくさん釣れだしたとの情報を得、3月8日、大磯港の恒丸を訪ねた。前日の天気予報が厳しかったためか、客は4人のみ。右トモに入る。7時半に出船し、真沖の水深120メートルラインでカマスの群を探す。30分ほどのクルージングののち第一投となる。底から10メートルを探ってみてとの船長指示。船中音無しで静かな出足。釣れる日は第一投からアタリがあるもので、本日の渋さ加減を予感させる。実は今回のカマス釣行はカミさんからの依頼なのだ。趣味の日本画で是非カマスを描いてみたいとのこと。自分にとっては理由はなんであれ、釣行が増えるのはシメシメである。ただし型の良いのを最低2本は釣らねばならず、プレッシャー。 8時半頃やっと小さなアタリ。それを見た船長が飛び出してきて、手取り足取りの指導だ。「まだ合わせちゃダメ」、「ジワジワと糸を送る」、「まだ待つ」、「よーし合わせて」。アタリから合わせまで1分以上は経過した。合わせた竿に重みが乗って、確かな手応えがある。ドラッグは締めたまま電動中速で巻き上げる。途中の引きは盛期と比べると弱いが心地よい。良型の本命が一荷で顔を見せた。魚探を見せてもらうと、水深120メートルの底から20メートルは真っ赤。魚はいるが食い気がないとのこと。その後も船中ポツリポツリのアタリで終始する。

 潮回り後、落とし込み即アタリ。慎重に食い込ませようとするが、どうも動きが変だ。でも間違いなく魚はいるので、巻き上げるとシッポの付け根に落下中の針がスレで掛かっている。群が濃い証拠だ。すぐに次の投入。なんとまたスレだ。喜ぶべきか?

 2時半、最後の流しに入る。小さなアタリがあり、シメタと食い込みを待つが次の引き込みがこない。ジワジワと糸を送りつつ、道糸のテンションを一定に保つ。1分2分。諦めてそーっと聞き上げてみるが反応はもはや無い。ガッカリ、食い込まなかった。船長の沖上りの合図に仕掛けを上げてびっくり、小型のカマスが付いていた。針がかりはしたものの、魚の活性が低く次の引き込みはなかったのだ。

 釣果は船中では4〜10本。自分は9本で二番手。僚船には船中全体で3本の船もあるとのことで、本日の難しさを物語っている。本船は船長の指導がビシビシと行き渡り、客もそれを守って頑張った結果といえる。

 

まとめ

本日のように魚の活性が極端に低いときは、つぎの点がポイントとなる。

(1)小さなアタリをいかにとらえるか。アタリを見逃しシャクリを続けて仕掛けを動かすと、そこでカマスはくわえたエサを離してしまう。これでもう1本を逃したことになる。置き竿では波の上下動で仕掛けが常に動くため、釣れる確率は低い。竿は手持ちで慎重に探っていくことが重要。

(2)食い込むまでとにかく時間がかかる。船長の話では5分かかって食い込む時もあるとのこと。糸のテンションを保ちつつねばり強く辛抱する。

 

 

 

(当日の仕掛)

    竿:アルファタックル・ヤリイカ乗調子1002.4メートル

    リール:シマノ電動丸3000XH、道糸PE6号

    仕掛け:胴つき3本針、幹糸8号3.6メートル

        枝ス7号60センチ、枝間1.2メートル

                 針白細地ムツ17号、エサはサバの短冊1×6センチくらい

        オモリ120号