内房富津沖のスズキ

 

 4月22日、釣友のN氏と内房富津港の鹿島丸を訪ねる。きょうの狙いは手バネ竿に生きエビエサという伝統釣法でスズキを釣ることだ。昨夜関東の南沖を低気圧が通過し、北よりの強風に小雨がまじる。鹿島孝夫船長の操船で、客12人におやじさんの伸元船長が中乗りとして乗り込み4時45分に離岸する。

 真沖へ航程15分の13メートルダチで開始。釣り座は右舷胴の間に2人並んで入る。貸し竿には仕掛がセットされており、自分はただエビエサを付けるだけと準備は超簡単だ。しかもナイロン7号の道糸は6ヒロのところでゴム輪で固定されており1日このままでよいとのこと。

 第一投を入れてすぐにN氏が「あっ、きたきた」と道糸を手に取ってたぐる。浅いのですぐに魚の取り込みになる。目測40センチのフッコだ。親父さんのタモ入れの瞬間エラ洗いを見せバレる。アタリ直後の合わせが足りなかったのかもしれない。船中ポツリポツリとあたる中、右ミヨシの常連氏が良型を連発する。

 6時。それまでアタリの無かった自分の竿にコツンときてグイグイと力強い引き。1メートルぐらいグイと竿を引き上げ十分なアワセをくれる。ついで道糸を手に取り糸を通して直接の引きを楽しむ。上がってきたのは62センチ1.7キロのスズキだ。

 船長の指示は向こうアワセなので、コツンのあとのグイグイグイの3発目で合わせる心づもりで待ち受ける。しかし、コツンのアタリはあるもののあとが続かずハリ掛かりしない。たまらず、コツンのあとの1発目のグイで思い切って合わせてみる。と、きれいにハリ掛かりして小型をゲット。

 その後は小さなアタリはあるものの、タイミングをいろいろ変えて合わせてみるがハリ掛かりに至らない。

 8時。N氏に強いアタリ。中オモリまではすぐに引き寄せたが、魚が船の下に潜り手こずっている。親父船長がとんできて糸をとり、やりとりで強引きをかわす。ハリスは5号でも魚とまともに引っ張りっこすれば切られる。大暴れしてやっとタモに入ったのはこれも良型1.7キロの本命だ。

 後半はアタリもなく10時半に沖揚がりとなる。釣果は船中4070センチが1〜9尾。外道はなし。竿頭は左2番の常連氏。N氏と自分は残念ながらともに2尾だった。釣果には不満が残るものの手バネによる伝統釣法を楽しめた。

 船宿のおかみさんの話では、今後夏へ向けて魚が太っていくので、釣り味も食味も良くなっていくとのこと。これからがシーズンのスズキ。伝統釣法で釣るのもオツなものですヨ。

 

(当日の仕掛)

    貸し竿

      手バネ1.8m、オモリ負荷10号くらい、道糸ナイロン7号

      仕掛け:中オモリ三日月型7号、ハリス5号4.5m

          スズキバリ17号ヒューズ巻き