三浦半島下浦沖のタチウオ

 

 1116日、職場の釣り仲間10人でタチウオを狙う。左舷トモに釣り座を構え7時30分に出港。最近の釣り場は久里浜港を出て南西へ15分の下浦沖120メートルだち。まわりには10ぱいほどの船団。最盛期の観音崎沖に比べると少ないようだ。

 期待を込めて第1投。リールのカウンターが130メートルを指して止まる。ハリス分巻いてからシャクリを開始する。1,2,3。さっそくクイクイとアタリが伝わってくる。想定していたアタリの感じに比べ遠く弱い。去年は70メートルだちでのタチウオ釣りが多かったのでその感触が残っている。しかしアタリは弱いものの食い込んだようなので強く合わせてから巻き上げる。2.5本指サイズの小型があがる。

 第2投もまったく同じパターンでアタリ。こりゃ入れ食いだ。他では上がっていないようなので一人連チャンと絶好のスタート。しかし、良いことは続かないのが世の常。その後自分はシャクッてもシャクッてもアタリはない。一方船中ではポツリポツリとだが釣り座によらず均等にアタリがある。

 「6メートル、置き竿で来るよ」右トモのO氏が教えてくれる。底から6メートルまでシャクり、そこで仕掛けをゆっくりと上下させてみた。するとすぐにグングンとアタリ。一発で食い込む。タチウオのサイズはやはり3本指クラスで小型が多い。置き竿で3本連続で上げるが、すぐにアタリは遠のく。群が小さいのかピタッとはまってもすぐに止まる。

 投入着底直後、右となりのH氏とおまつり。氏の方には魚が付いているようだ。見ると自分の道糸がタチウオの口に掛かっている。あっと思ったつぎの瞬間、道糸はすぱっと切れ、仕掛け一式と道糸160メートルが海の藻屑と消えた。オモリは海底にあったので糸をゆるめたままタチウオを取り込めば助かったかもしれないが、無意識に糸を張ったのは失敗だった。タチウオの歯はカミソリのように鋭いので、口に掛かると道糸はまず切れる。これを防止するには高速で巻き上げてタチウオを遊ばせないことだが、それでもおまつりするときはする。残りの道糸では底だちが取れないので、すぐに予備の電動リールに取り替える。

 水深120から140メートルを流している。このため道糸が張っていない時にあたるとアタリを見逃すことがある。エサを点検するために仕掛けを上げてみると、タチウオが付いており、それも頭だけだったりする。サメもいるようだ。H氏も頭だけ釣り上げたり仕掛けごと持って行かれたりとサメの被害にあっている。

 11時頃からはシャクッて底から10メートルでアタリがでるパターンになる。ただし一発食い込みとはいかず、コンの小さなアタリが多い。これはすぐに合わせても針がかりしない。タチウオがサバタンの端っこをくわえているだけなのだ。仕掛けを同じタナかむしろ下げ気味にして食い込みを待つ。うまい具合にグイグイと強い引きがきたら合わせる。グイグイが来ないでそのままサヨナラもある。この辺の駆け引きが冬場のタチウオ釣りの真骨頂といえよう。1分2分と待ってやっと掛けたときには「釣った!」の実感がある。

 2時に沖揚がりとなる。釣果は船中8〜15本。自分は10本。外道にシロムツ、ドンコが上がった。小型主体で渋い1日だったがタチウオの難しさを楽しめた。

(当日の仕掛)

    竿:リョービALERT沖潮502.1メートル

    リール:シマノ電動丸3000XH、道糸PE6300m

    仕掛け:片テンビン、オモリ100

        ハリス83.5メートル、タチウオ針中2本