外房大原沖のショウサイフグ

 

 2月1日、外房大原港の敷島丸を訪れる。狙いは今が旬のショウサイフグ。今期好調で良い日はトップ80尾の声も聞かれるので期待は充分である。午前5時半、16人の釣り人を乗せて山本幸夫船長の操船で太東崎方面へ向けて出港する。

 本日の釣り座は左舷ミヨシ2番。20メートルダチで第一投となるが船中音無し。船長は「走ります。寒いですから中に入って下さい」と親切な挨拶で思いっきり良くいきなりの大移動を決める。

 30メートルダチで船団に合流し再開となる。今度は頻繁なアタリで船中活気づく。しかし北風が10メートル以上、波も3メートルと海況は最悪。苦戦が予想されるすべりだしである。

 船長の指示は「ベタ底で空合わせして下さい」「???」アタリをとって合わせると思っていた自分の頭の中は疑問符だらけ。20センチタナを切ってアタリを待つがなかなか来ない。右となりの常連さんはポツポツ釣っている。何が違うんだ? 観察してみると、底ダチ→数秒待って→タナ切り→空合わせのサイクルを繰り返している。

 釣れない時は釣れている人の真似をする、これが一番。タナ切り後空合わせ。するとズドーン。これだーっ。空合わせする竿先が一気に押さえ込まれ、これぞアタリ。しかし巻き上げ途中でのさらなる引き込みは少なく、鈍重な重みが続く。20センチのショウサイフグがおなかをプーッと膨らませて上がってきた。このあと面白いようにこれが決まり、タルの中のフグが増えていく。

 それでもまだ常連さんには遠く及ばない。そこでまた勉強。今度は自分の仕掛けはハリスが少し短いことに気が付いた。それまでハリス長15センチのカットウ針1本で釣っていたが、急遽ハリス長22センチのカットウ針を追加してみた。するとどうでしょう。4尾のうち3尾は下のすなわち22センチのほうに掛かってくる。

 この時の水中の様子を想像するとこうなる。フグはエサ針から垂れたアオヤギのキモを目指して突進する。キモまであと数センチのところで仕掛けはシャクリ上げられる。フグの目の前を上のカットウ針が通過。危ないっと思ったところに下から第2のカットウ針が上がってきてフグのおなかに命中。接近するフグよりも下にカットウがなければ掛からないという単純な理論なのだ。

 船中ポツポツと釣れてはいるものの、大シケのため4分の1くらいのかたはキャビンへ退避している。時折糸を張って待っている時にスーッと竿先が押さえ込まれるアタリがある。このアタリで合わせてうまく乗った時は、空合わせよりも釣ったの実感がある。

 仕掛けの考察をも一つ。カットウ針を1本にするか2本にするか。単純に2本が有利とはいえない。2本の場合、カットウ針どうしで絡み合う、また釣り上げたフグに2本の針が食い込むとはずすのに手間取る。1本のほうが有利と思える。

 早揚がりと思わせた海悪であったが、お客も船長もがんばり定刻の12時に沖揚がりとなる。結果自分の釣果は1825センチの本命を27尾。外道にはイイダコ。船中では1866尾で平均では30尾くらい。外道にホウボウ、ガンゾウなど。

 フグは沖揚がり後船宿で捌いてくれるので帰宅後は楽である。刺身、鍋、唐揚げ、一夜干しといずれも最高に美味な旬の味覚を大いに楽しみました。

 

(当日の仕掛)

    竿:アルファタックル フグカットウ1.5メートル

    リール:アブアンバサダー6500C3、道糸PE6100m

    仕掛け:カットウ仕掛け、オモリ30