相模湾小田原沖のキンメ

 

 ずらずらーっと仕掛けに鈴なりに魚が付いて上がってくるのは快感だ。早川港出船の小田原南沖のキンメ、例年は2030センチの小型が主体だが、今シーズンは3040センチの中型も数多く混じるときいて釣行してみた。

 2月22日7時20分、曇りで寒いが風は弱い中、坂留丸でキンメファン9人とともに出港する。このところの好調を反映して、小型船の両舷に5人ずつと中深場釣りとしては満船である。自分の釣り座は右4番。

 航程20分の真鶴岬沖で第1投。投入は船を後進させながら船長の合図でミヨシから順番に行う。サバの短冊を付けたハリ8本を20センチ間隔で船縁に並べ、オモリを持って合図を待ち、合図でオモリを前方へポイと投げる。シュッシュッと全部のハリが飛び出し、糸が張ったところでリールのコントロールレバーをフリーにする。糸の出は300メートルで止まる。すぐに底を切り、さらにもう一度底ダチを取り直す。期待したがここでは船中当たらず、船長はすぐに移動を告げる。

 さらに30分ほど南下し初島の東南沖280メートルダチでキンメ船団に合流し再開となる。船長の投入合図があった時、隣で流す船との距離が中深場にしては近いのが気になった。投入は順調にいき、底ダチ後すぐにアタリもあった。が、その後がいけない。船中ほとんど全員がおまつり状態。それも本船だけでは無く隣の船をも巻き込んでの大まつりとなる。結局自分は75メートルまで巻き上げたところで糸が切れていた。どうしてこうなったのかは不明。今日が初使用の新リール、いきなりの高切れである。トホホ。

 気を取り直して仕掛けを作り直し、さばき易さを優先して4本バリに変更する。次の投入からはやっとまともになる。しかし、入れ食いとはいかず、パラパラ状態が続く。使用オモリに対して軟らかめの竿のため、小型のキンメ1尾でもアタリははっきりと竿先にでるので視覚的に楽しめる。巻き上げの途中でも断続的な引きを見せる。仕掛けを取り込む時水中に青白い魚影がヒラヒラと舞うのが綺麗だ。

 アタリはあるものの、フワフワしたり食い上げるのはタチウオモドキだ。タチウオに似てはいるが尻尾の先が二股になっている点が異なる。この他にうれしい外道としてクロムツを釣った方もいる。

 11時頃本日のハイライトをむかえる。船長が「4本バリだとタナを取るのが難しいね」とアドバイスをくれたので、タナを低めに取り、まず上バリに食わせる作戦とする。そして最初のアタリの後、アタリの都度1.5メートルずつ巻いていく。途中の引きも順調。ドキドキしながら巻き上げると、はたして、35センチ級の美しいキンメが4尾と4本バリながら一応パーフェクトを達成する。うれしい!

 ここはチャンスと4本バリの仕掛けを継ぎ足して8本バリとする。底ダチ後3メートル切って待つこと2,3分。本命のアタリだ。アタリの都度じっくりじっくりと巻き上げる。魚が掛かったのか、ハリがかりしている魚が引くのかはわからないが、少なくとも8回以上のアタリを数える。巻き上げ途中、竿の先が水面に何度も突っ込む。仕掛けが水面まで揚がり取り込み開始。1,2,3いるいる、4,5,6まだいる、7,8、なんと見事にパーフェクトである。一番下のハリは沖メバルで、上7尾は小型ながらキンメ。

 釣れたのはほんの一瞬で、あとは2時半の沖揚がりまでアタリなし。自分の釣果は2535センチのキンメが15尾。船中では5〜20尾と不調の1日だったが、一瞬だけでも「ずらずらーっ」ができて楽しめた。

(当日の仕掛け)

    竿:アルファタックル パシフィックスプリント10-30ポンド2.2メートル

    リール:ミヤマエ コマンドX−4HP、道糸PE8800m

    仕掛け:胴突き8本バリ、オモリ150

        幹糸8号、枝間1.5m、枝ス670cm、針ムツ18号