伊豆諸島利島沖のイサキ

 

 新緑の季節とくればイサキだ。あのキュキューンの小気味良い引きを楽しみに、5月23日伊豆半島東岸の網代港ゆたか丸で利島まで遠征である。まだ暗い午前4時。乗船客12名。自分は右舷胴の間に釣り座をセットし、ベッドにもぐり込む。期待で眠れない。風は東なので、波にたたかれることもなく船は6時過ぎには利島の東側のポイントに到着する。切り立った緑の美しい利島を眼前まじかにある種の感動を覚える。

 東風5メートル。波うねり1.5メートル。曇り空と絶好の釣り日よりといえる。森野孝船長が仕掛け、コマセ、釣り方などを丁寧に説明してくれる。ゆっくりと準備をして6時半に実釣を開始する。

 タナの指示は23メートル。道糸のマークできっちりと23メートルのタナをとる。このときリールのカウンタ表示は24.5メートル。1.5メートルずれるとイサキは釣れない。海面からのタナ取りでは基本どうり道糸のマークでタナを取ることが大切だ。仕掛け投入後即ピクピクのアタリ。チョット弱い。トラギスがちょこんとひょうきんな顔を見せる。

 船長はすぐに移動を告げる。今度は深くなってタナ75メートルの指示。イサキで75メートルは予想外の深さだが、投入後5秒位でアタリ。巻き上げ途中でも良く引いて、上がってきたのは縦縞のウリンボマークが初々しい30センチの良型イサキ。早々に顔が見られてホッとする。船中どんどんと釣れあがり始める。

 船長は、速い潮の中、狭いポイントを流すので、ひと流し1投である。投入の合図に素早くタナを取ると必ずヒット。いわゆる入れ食いである。水深があるのとひと流し1投なので、1尾では上げず、一荷、一荷半を狙うようにする。自分は本日の開始仕掛けは、ウィリーが2本に先をカラ針としオキアミを付ける。ウィリーにも食ってくるのでイサキの活性は高い。イサキは型がそろっていて、ほとんどが3033センチで良く太っているのでズッシリと重い。皆さん夢中になって釣りまくる。

 2時間ほどで一段落しあとはポツポツになる。そんな時、イサキとは違ってストロークの長いアタリが来る。引きも格段に強く重い。ここ利島周りの海域では黒潮の影響も強いため多彩なゲストが想定できる。引き方からして青物ではないと判断できたが結局はアカイサキで45センチのオスだった。例のハデハデ模様が印象的だ。

 10時ころにはタナ65メートルのポイントへ移動。皆さんポツポツの釣れ具合の中、左隣り氏ひとり気を吐いた。細身のショートムーチング竿、仕掛けは3本針ですべてオキアミを付けている。一連の釣り方の流れとスタイルは特別変わったところはない。それでほとんど空振りなしで釣り上げていく。それも一荷、一荷半が多い。自分にはアタリが来ないのでジックリと観察させてもらうも、ハッキリとは原因はわからない。やはりコマセの撒き方、エサ針のもっていき方が今日の潮にピッタリなのだろうと思う。タナ取り後竿先を下げ気味にしてアタリを取っていたが、自分が真似てもダメだった。

 まずまずの好調の中、12時に沖揚がりとなる。本日外道は少なくオキメバル、アカイサキくらい。船中イサキ3035センチが1052尾。トップはもちろん左隣り氏。腕の差がでた結果といえよう。自分は24尾とそれなりに納得である。

 日並みにもよるがここ利島周りはシマアジ、マダイ、カンパチなどの高級外道も期待できる夢のある場所といえるだろう。

 

(本日の仕掛け)

   竿:マミヤOPキャロナック・スラッシュ503.0メートル

    リール:シマノ電動丸3000XH、道糸PE6300m

    仕掛け:片テンビン、サニービシL80

        クッション2mm1m、ハリス4号6m

        ハリチヌ4号3本針、付けエサはオキアミ