実は今年のベスト10を選ぶのは難しかった。去年と比べるとインパクトのあるアルバムが少なかったように思う。今年のダンドゥットはイヌルを始めアクロバティックなゴーヤン(腰ふり)を売り物にするローカルな歌手達が、VCDなどの媒体を通して大人気となった年だ。それと同時に隣国マレーシアからはシティ・ヌルハリザがインドネシアに進出し、ダンドゥット・チャートのトップになるほどの人気を得ている。そのような状況下でベテランのイェット・ブスタミがスマトラ・ムラユの地方色の濃いダンドゥット・アルバムをリリースした。スマトラ出身の彼女は以前にもムラユ・アルバムがあったが、それとはまったく別物といえるほどの、クオリティの高いアレンジがほどこされている。インドネシアを代表する人気若手バイオリニスト、ヘンドリ・ラミリを全面的にフューチャーしたエレガントなダンドゥット・アレンジだ。彼女の艶やかな歌もマレーシアのシティ・ヌルハリザやノラニザ・イドリスなどと比べても全然退けを取らない。むしろ越えている部分もあるぐらいだ。こんなアルバムは過去にも見当たらない。イェット・ブスタミとマラ・カルマ、ヘンドロ・サキー等のアレンジャーは、ダンドゥットの新しい1ページを開いてくれた。私はこんなアルバムを待っていた。まあイヌルのような強烈なダンドゥットや、ルーツ指向のようなイェット・ブスタミなどバリエーションができて、ダンドゥットの支持層が拡大していることは嬉しい。

ちょっとイェット・ブスタミのアルバムの話題ばっかりになってしまったが、ここで選んだ他のアルバムもそれなりの個性とクオリティを感じさせるものを幅広く選んだつもり。 クリスティナはソニー・インドネシアに移籍してリリースしたファースト・アルバムだが、彼女の歌の上手さを発揮した力作アルバム。新曲2曲と過去の作品のユニークなセルフ・カバー集となったオッピーのアルバム。彼女のソング・・ライターとしての個性を感じさせる楽曲がずらりと並んだ良質のアルバム。男性アーティストのマルセルはハード・コア・バンド出身と思えないR&Bフィーリングを感じさせる歌手。今年は映画でも活躍したが彼は2004年のホープ。ギリシャで公演したりと世界に舞台を広げたルス・サハナヤ。このアルバムでもギリシャのシンガーをゲストに迎えて、壮大なバラードのを展開している。声がハスキーでユニークなカラ。ベテラン女性R&Bシンガーのイマニアルがプロデュースと作曲でクレジットされている。イマニアルはマレーシアの新人歌手ミーシャにも曲を提供して注目されているようだ。このベスト10の中では音楽性が最も違うジャドゥック・フェリアント。2002年のベスト・アルバムで選出した、「シンテン・レメン」というクロンチョン・バンドやガムラン・オーケストラのフュージョン・グループ、「クア・エトニカ」など楽団のリーダーとしての活動の他、映画のサウンド・トラックも手がける多才な人だ。このアルバムは彼のマルチ・プレイヤーぶりを発揮させた宅録のようなアルバム。ガムラン、ルバーナ(太鼓)、スリン(竹笛)などを効果的に使ったインストルメンタル・アルバムとなっている。



Iyeth Bustami
Laksmana Raja di Laut

Kristina
Secawan Madu

Project Pop
Pop OK

Potret
Positive+POSITIVE

Oppie
Lagu Bagus

Bonita
Bonita

Marcell
Marcell

Ruth Sahanaya
Bicara Cinta

Kara
Beri Aku Waktu

Djaduk Ferianto
Quintessence

Indonesian Pops 2003 Special Remix

 

今年は個人的な理由でインドネシア以外の音楽をそれほど多く聴くことができなかった。良く聴いていたのは在仏モロッコ人を中心としたアラブ系移民のミクスチャー・バンド、グナワ・デフュージョンとベルギーのシンク・オブ・ワン。とにかくこの2枚のCDはカッコ良かった。メキシコのエル・グラン・シレンシオはタブラの入った曲が歌謡ダンドゥット風で面白かった。オスカル・アレマンはアルゼンチンのジャンゴ系のジプシー・ギタリスト。すごいテクニックの持ち主で、聴いてて気持ちの良いアルバム。ショーロなども演奏する幅広い音楽性を持ったギタリストだ。ミャンマーのポーイーセンは最近入手したアルバム。ミャンマー・タンズィンという不思議な変拍子で、歌う女性歌手。声も可愛いし楽曲もほどよくポップなアレンジで、すごく楽しい。アルジェリア出身のフェラ。この人の悩ましい声がすごいや。ズルズルと引き込まれて、男性は昇天間違いなし!ちょっと個人的な話題。今年は自転車通勤なんて始めてウォーク・マン聴きながら走ってんだけど、あんまり濃いのはダメで、アメリカのストリング系が気持ち良いのだ。ダン・ヒックスは20年以上前に彼のレコードを集めてたことがあって、当時はまさかDVDが出るとは思わなかった。映像なしのCDも付いていて良く聴いてます。凄腕ミュージシャンが揃ったライブ映像もナミダもの(死語)。モイス・アンド・アリダはケイジャン・バンドだけど、カリプソ、スカ、ラテンなどテンコ盛りで楽しい。昔、私がやってたバンドとテイストがまったく同じなので嬉しくなっちゃった。テリー・ヘンドリックはインディーズ系の女性シンガーなんだけど、渋いハスキー声が魅力的。楽曲もけっこう凝ってて、思わず聴きこんじゃう。しかしこうして改めて並べて見ると、全然脈絡のないラインナップで自分でもあきれてしまいます。



Gnawa Diffusion
Souk System
France

Think Of One
Marrakesh Emballages Ensemble
Belgium

El Gran Silencio
Super Riddim Internacional !
Vol.1 /
Mexico

Oscar Aleman
Grabaciones Recuperadas
Argentine

Po i sen
Da Yo Si Ron Tin Tin Jio
Myanmar

Siti Nurhariza
EMAS
Malaysia

Fella
BADR 14
Lebanon

Dan Hicks
& The Hot Licks
US


Moise And Alida Viator With EH, LA-BAS !
Mermaids Of The Canary Islands
US

Terri Hendrix
The Ring
US


2003年の大収穫音源!
インドネシアで1920年代に録音されたエジソン・ベルのクロンチョンのSP盤。世界で最初にレコーディングされたクロンチョン!

Indonesian Pops 2002 Best 10 Album