インドネシア共和国の首都ジャカルタは、いうまでもなくインドネシア音楽の発信地。世界一多彩な音楽都市として様々な音楽がひしめき合っている。街角の音楽として庶民に人気の高いダンドゥットや近年とみに人気の広がりを見せるロック、国内やマレーシアなどでも人気のスロー・ロック、他のアジア諸国と比べてもオリジナリティに溢れた質の高さをみせるポップ・インドネシア、古い歴史を持ち、いまではヒット・チャートに載ることはないが、インドネシア国民の心の音楽として親しまれているクロンチョンなど様々なジャンルがある。 首都のジャカルタには独自の伝統芸能やポップスも数多く存在する。代表的なものでは18世紀にバタビア(ジャカルタの旧名)の北部やその周辺に住む華人を中心にして生まれたガンバン・クロモン、ジャカルタの大衆演劇レノン(演奏はガンバン・クロモン)、トペン・ブタウィ(ブタウィの仮面劇)、ガロジェン(ブタウィの伝統舞踊)タンジドール(ブラス・バンド)など。ジャカルタのポップスは庶民の悲喜を歌った親しみやすさが特徴だ。ブタウィとはバタビア(ジャカルタの旧名)に由来するジャカルタ人のこと。


インドネシアの国民的人気俳優兼歌手であったベンヤミン・S。ジャカルタの庶民派の俳優として、数多くの映画作品を残している。ジャカルタの伝統的なガンバン・クロモンを現代的なポップスにアレンジしたガンバン・クロモン・モデルンを確立し、ファンキーなR&B風ポップスなどをジャカルタの方言(バハサ・ブターウィ)で庶民の悲喜を演じ歌い続けた。インドネシア独立50周年の年、1995年9月5日に惜しくも亡くなってしまった。享年56歳。

Benyamin S.
In Memoriam
1975-1995
(CD)
1975年から95年までのヒット曲を編集したベンャミン・SのメモリアルCD。ガンバン・クロモンからファンキーなポップスまで多彩な内容。

Benyamin S. /
si Jampang
(10LP)
60年代に残された10インチ・レコード。このキメポーズはインドネシア拳法プンチャ・シラット。プンチャ・シラットの形はブタウィのタリ・サムラーや西ジャワのジャイポンガンなどの舞踊に取り入れられている。

Benyamin S.
Simpang Lima
(CT)
ベニャミン・Sの遺作。ポップ・ジャワを取り上げたカセット。盟友マントースがプロデュース。ベンヤミン・Sのジャワ語の味わい深いボーカルが胸に染みる。

Benyamin S. &
Ida Royani
(CT)
レコードからカセット時代に移行した70年代のカセット。美女と野獣コンビのデュエットが確立したころの録音。彼の没後トリビュート・アルバムが大量に発売された。
Benyamin S. &
Ida Royani
(LP)
70年代の名コンビ、美人のイダ・ロヤーニと組んだ初期のレコード。ベンヤミン・Sのガンバン・クロモン・ポップのレコードは70年代に数多く録音されている。
Benyamin S. &
Ida Royani
/Timbel(CT)
没後発売されたベニャミン・Sとイダ・ロヤーニのメモリアル・カセット。70〜80年代のヒット曲が90分テープに34曲ギッシリと詰まったお買い得カセット。
Benyamin S. /
Jeneka
(LP)
インドネシアのジェームス・ブラウンの異名を持つベンヤミン・S。 独特のファンキーなR&B感覚を発揮した70年代のレコード。ユニークなサウンドとリズム感溢れる歌は今聞いても新鮮だ。

ベニャミン・Sが亡くなった年のGATRAの特集号。インドネシアを代表する国民的大スターだったことがうかがえる。経歴や彼と親しかったアーティスト達のインタビューなど濃い内容だ。

協力:配島克彦


スミソニアン・フォークウェイズがリリースしているインドネシア民族音楽シリーズのガンバン・クロモン編。特徴的な二胡やトランペット、クラリネットなどの響きが中国と西洋が入り交じったなんとも不思議な音楽。民族音楽研究家のヤポンスキーの詳しい解説書付き。

Gambang Kromong/
Jali-jali Siantan
(CT)
現在のガンバン・クロモンのステージではダンドゥットの曲がレパートリーの中心になってきている。このカセットはガンバン・クロモンをダンドゥットのアレンジにしたカセット。この衣装は伝統的なブターウィの舞踊スタイル。

Gambang Kromong/
Karya Emas
(LP)
60年代後期のレコード 。当時人気のあったガンバン・クロモンの歌手のコンピレーション。ポップなベンヤミン・Sと違って、ガンバン・クロモンの原形をとどめた素朴な歌と演奏だ。
Lenong Gaya Baru
Tuan Tanah/
Patekwan
(CT)
ガンバン・クロモンの音楽で演じられるレノン劇のカセット。ブタウィ語で庶民の下町感覚あふれる演劇が演じられる。ブターウィ一家の記念写真風アルバム・ジャケットが和む。
 
Lembaga Kebudayaan Betawi/ Sambrah Betawi(CT)
20世紀初頭にバタビヤに生まれた演劇、サムブラー・ブタウィの音楽。ムラユ色の濃い音楽を基本にガンバン・クロモンやクロンチョンなどの曲をバイオリン、ブラス、グンダン、ハルモニウなどで演奏。ダンドゥットのルーツに繋がる興味深い音楽だ。
スミソニアン・フォークウェイズのインドネシア・シリーズのコンピレ。ダンドゥットの帝王ロマ・イラマからランガム・ジャワのクロンチョンまで、インドネシアの庶民的なポップスが並んでいる。ダンドゥットの有名曲をタンジドールのブラス・アレンジで演奏した曲が収められている。
Tanjidor(CT)
ジャケットはタンジドールとなっているが実際はジャイポンのカセット。西ジャワ・スンダのジャイポンガンの強烈なクンダン(太鼓)とクラリネットがからんだスピード感あふれる迫力満点の演奏だ。摩訶不思議なジャイポンガン。
Frozen Brass (CD)
93年にオランダで発売されたアジアン・ブラス・バンドのコンピレーション盤。ジャカルタのタンジドール、ミナハサのバンブー・クラリネット、マルークのパペルやサプルアなどのフィールド・レコーディング。本格的なタンジドールのカセットが無いだけに貴重な録音集だ。
 
Dapur 61/
Dua-Duanya Oke
(CT)
ベンヤミン・Sより脈々と歌い継がれている下町情緒あふれるコミカルなポップスがダプール61の持ち味。デヴュー当時はジャマル・ミルダットのバックをつとめていた。インドネシアにしか存在しない独特のポップス感覚。

Orkes Kampung/
Aku cinta Rupia
(CT)
ダプール61のメンバーやダンドゥットも歌うポップス歌手マリオなどを中心に結成されたグループ。経済危機で起こった庶民のドル買いを皮肉ったコミカルな内容だ。ダンス・チューンや軽快なダンドゥットなど飽きさせない。。

Dapur 2000/
Sedap Betur
(VCD)
台所61から2000を名乗った街角ポップスのカラオケVCD。上記のオルケス・カンプンの女の子たちの歌声とルックスがなんと可愛いこと。ギターを持ったプガメン(流し)風の奴等との歌の掛け合いがもう最高。ダサ・カッコ良いポップス。
PMR/Paling Jempelan (CT)
ダンドゥットの佐藤蛾次郎ことジョニー・イスカンダール率いるPMR。コミカルな替え歌ダンドゥットが持ち味のグループ。シリアスなダンドゥットも得意とするジョニーだが、ひょうきんな彼の歌もまた和みだ。