スラウェシ島は周囲を東はマルク、西はマカッサル、南はフローレス・バンダ、北はスラウェシなど海洋に囲まれた島である。周辺に数多くの島々があり、北スラウェシ、中スラウェシ、南スラウェシ、東南スラウェシなどの州に分かれている。それぞれの地域で独自の文化を持っていてポップスも伝統色がほどよく保たれている。北スラウェシの州都メナドは、16世紀にポルトガルによって香料の貿易港として発展した街だ。キリスト教の布教によってメナドの住民の大半はキリスト教徒。ポップスも賛美歌の影響を受けたハーモニーの美しいポップスや、コリンタン(マリンバ)というトロピカルなポップスがある。また西洋の管楽器を模して作られ、ミナハサ地域独自の楽器として変化したブラス・バンドなど興味深い。

Tielman Sisters/
Pop Manado
(CT)
メナドで一番有名な双子の歌手。メナドのザ・ピナーツ?はカセットの数も他のアーティストと比べて数多く発売されている。哀愁のあるメロディーを完ぺきなハーモニーで歌うのが特徴。2人はポップ・インドネシアの歌手としても活躍していた。
Joice H. Pupella/
So Nyanda Guna
(CT)
メナドのベテラン歌手。歌唱力も抜群で、ポップ・マナドの3連バラードやコリンタン・アレンジのレゲエなど張りのある声で歌い上げている。男性歌手のリドワン・ハヤットと組んだインドネシアの地方ポップスのカセット・シリーズもある。

Lavas Group/
Om Endik
(CT)
メナドのコーラス・グループ。メナドのブラス・バンド、バンブー・クラリネットのメドレー、コリンタンの入ったレゲエ風、ディスコ・ダンドゥットなど。ローカルでコミカルなラップが入る、いかにも島国らしい明るくポップなアルバム。

Henky BlackBrothers/
Esa Mokan
(CT)
80年代にジャカルタで活躍したグループ、ブラック・ブラザーズのリーダー、ヘンキー・M・Sが奥さんのシニアとポップ・メナドをデュエット。レゲエ・アレンジの曲やポップ・チューンのバラードなど。曲作りはさすがの出来だ

Tio Fanta Pinem/
Oh Ina Ni Keke
(LP)
70年代に活躍していたグループの12インチ・レコード。この女性歌手はなかなか味のある声の持ち主で私好み。メナドで一番有名な曲、オ・イナ・ニ・ケケをコリンタンの素朴な音に乗せて暖かみのあるハスキーな声で歌っている。

Tio Fanta Pinem/
Ula Loiah
(LP)
これも70年代のレコードだ。コリンタンは普通のマリンバより厚さがあり、深い音がする。編成はベース、テナー、メロディーなど役割分担が決まっている。メナド産トロピカル・ミュージック。

Tio Fanta Pinem/ Ula Loiah (CT)
メナド出身のエルニー・クリットはジャズ、ポップ・インドネシア、ロハーニ(賛美歌)などを独特のハスキー・ボイスで歌いこなすベテランだ。このカセットはコリンタンのシンプルなバックでポップ・メナドを歌ったカセット。
Tio Fanta Pinem/ Ula Loiah (CT)
インドネシアでもユニークな地方ポップスの録音をシリーズ化しているレコード会社、グマナダ・プルトゥウィ。これは北スラゥエシのメナド編。マラミス・トーマスというベテラン歌手がコリンタンの演奏でメナドの有名なフォーク・ソングを歌ったカセット。

ムシック・バンブー・センとムシック・バンブー・クラリネットはメナドを中心とした北スラウェシのミナハサ半島やサンギル島などのブラス・バンドだ。その歴史はオランダ統治時代にさかのぼる。1923年に行われたオランダ女王の25周年の式典のために、竹でヨーロッパのブラス・バンドの楽器をまねて作ったのが始まりといわれている。その後中国のストーブ職人によって亜鉛やブリキで作られ、60年代には胴製に変化していった。しかしよくみると西洋のブラス・バンドの楽器とは似て非なる形をしている。シンプルな構造で楽器にはリードの部分と指でおさえる孔があるだけだ。西洋の楽器がいつのまにかミナハサ独自の楽器に変化してしまっている。本来の竹製だけのブラス・バンドも残っているようだ。

Musik Bambu Seng/
Harapan Jaya
(CT)
Sengとは亜鉛のことである。つまり亜鉛でできた管を使ったブラス・バンド。竹の根元の様なブラスの独特の形が面白い。ピッコロのような音の横笛とトバロスと呼ばれるチューバのブンブンした音が豪快だ。
Musik Bambu Klarinet/
Mars Minahasa
(CT)
クラリネット(実際はソプラノ・サックス)が入るとムシック・バンブー・クラリネットになる。総勢30人ぐらいの大編成で分厚い音の洪水が迫ってくる。
Frozen Brass (CD)
93年にオランダでリリースされたアジアン・ブラス・バンドのコンピレーション。バンブー・ブラス・バンドのフィールド・レコーディングも収められている。他に西ジャワのタンジドールやネパール、フィリピンなど貴重な録音集だ。
Tielman Sisters / Harapan Masa (CT)
ムシック・バンブー・クラリネットの演奏でティルマン・シスターズが歌ったカセット。ブラス・バンドの分厚い音に、姉妹の涼しいハーモニーが絡む、なんとも不思議な世界。

Kraoke Bugis Makassar (VCD)
マカッサル(99年10月から南スラウェシの州都ウジュン・パンダンからもとのマカッサルに名前を変更)のポップスのカラオケVCD。マカッサルのアーティスト8人によるコンピレーション。同じムラユ圏のスマトラに近い感覚だがおおらかにゆったりした歌が気持ち良い。

Jamila & A.Rasyid/
Parisi Gigi
(CT)
ポップ・マカッサルのひょうきんおやじ、ジャマルの現地版カセット。ローカルな人気歌手でジャカルタのコメディー・グループに近い感覚を持っている。こういうカセットはジャカルタではほとんど入手困難なシロモノ。

Dangdut Gorontaro/
Tinou Wawu Teuti
(CT)
北スラウェシのゴロンタロの現地語で歌われるダンドゥット・カセット。スラウェシ独特のメロディーや音は見当たらないが、こういうローカルなダンドゥットが地元の屋台とかで流れていると、なかなか風情があってよいのだ。北スマトラ風のユッタリしたムラユ風もある。
Rosmaladewi & Will Ferial/Langgam Beat Makassar (CT)
マカッサルの本格的なクロンチョン。曲間にマカッサルの民族楽器を使用した民謡などがあり、なかなか凝った内容だ。ジャケットの2人が身に付けているのはマカッサルの伝統衣装。
Nusa Utara/
Ampai Wayer
(CT)
スラウェシ北部のサンギル諸島、タラウド諸島のポップス。この諸島一帯で使われる言語、サンギル語が使われている。キリスト教の賛美歌の影響か人数の多い分厚いコーラスが特徴だ。このカセットは30曲のノン・ストップ・メドレーで歌い繋がれる。南国情緒のあるコーラス隊。
Tio Fanta Pinem/
Ula Loiah
(CT)
スラウェシ南西部のブキスのポップ・ムラユ。ブキス族はマカッサル族と同じく造船と航海術に優れた種族で、マラッカ海峡にも進出しマレーの王家との関係も深かったとされる。このカセットはスマトラ風ムラユをブキス語で歌ったカセット。