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注)CR導入時・CR研究時に私なりに調べて、私なりに解釈したものです。
S値について
S値はシステム感度・読み取り感度などといわれていますが、S値の指標の説明としては入射線量(吸収された)を示す値だと考えています。
入射線量におけるS値の設定のされ方としては、IPに管電圧80kv、0.5mRの均一照射が行われた場合に400となるようになってます。
式で表わすと
S=4×10(4-sk)…@
S:S値 Sk:IPの輝尽発光量
SkとはIPの輝尽発光量でIPに管電圧80kv、0.5mRの均一照射が行われた場合に2となるように設定されています。そしてIPの入射線量の対数値に対応してます。
式で表わすと、
Sk=log10(H/0.5)+2.0…A
H[mR]:IPへの入射線量(0.5mRを代入すると理解しやすい) という関係になります。
Aを@へ代入すると
H[mR]:IPへの入射線量とS値との基本的関係式は
H=200/S
という反比例の式が用いられます。
よって、この式がS値が入射線量を表わすものということ証明されたと思います。
しかし、S値の値がそのまま入射線量を示しているわけではありません。
S値は被写体・IPのフェーディングなどにより、変動を受けるからです。いまこの変動値を少なくするための研究が行なわれています。
L値について
L値というのは読み取りラチチュ−ドといわれています。
写真工学的にラチチュ−ドの概念というのは、本来良い写真を撮影するためには、最適量(最適条件)露光しなければなりませんよね。でも多少露光(条件)に過不足があっても実務(読影)上には問題ない場合もあります。この露光(条件)の過不足が許容できる範囲をラチチュード(露光許容範囲)といいます。これをL値の場合デジタル化に置き換えて考えています。X線を入射してそのデータをデジタル化するときに割り与えられた範囲のことをL値と考えています。
管電圧に対するヒストグラム(解析)
ヒストグラム解析とは、撮影条件に多少バラツキがあっても安定的に画像を出力する機能のことを言います。撮影条件には電圧(kv)と線量(mAs)とありますよね。
電圧はコントラストをコントロール・線量は濃度をコントロールします。CRにおいてはEDR(自動感度調整機構)により、撮影条件に多少バラツキがあってもS値,L値を最適化しています。電圧・線量に対するヒストグラムの図を示します。
電圧を変化させた場合はL値を変化させて対応しています。
このS値・L値・ヒストグラムの説明には富士メディカルシステム株式会社の解説書と大阪市立大学医学部付属病院中央放射線部の論文
「CRシステムにおけるIPへの入射X線量とS値の関係」〜均一照射における定量評価〜を参照にさせていただきました。
情報発信者 Kuwahara
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