消毒薬について(注釈)

・ステリハイドは、ほとんどの微生物に有効であり、化学的滅菌が行えるが毒性が非常に高い。 

・一般細菌で消毒薬耐性が臨床上問題となってくるのは、緑膿菌やシュードモナス・セパシアなどで、
 MRSAではそれ程問題とはならない。 

・ステリハイドなど、区分が高度となる消毒薬はHBVや真菌など、低度消毒薬が無効な微生物を対象として使用するのであり、
 MRSAを対象とするのなら、オスバン,ヒビテン,テゴーなどの低度消毒薬を適切な濃度で清拭すれば十分である。 

・トリゾンラブ,ウエルパス,ベルコムローション,ヒビソフトは、手指のすり込み式消毒用として、速乾性を高めるために、
 0.2w/v%の塩化ベンザルコニウムもしくはグルコン酸クロルヘキシジンを、70?80%の消毒用エタノールでを溶解したものである。
 MRSA対策としては、耐性菌の出現頻度からトリゾンラブ,ウエルパス,ベルコムローション等の塩化ベンザルコニウムの使用が望ましい。

・イソプロパノールは、安価でエタノールとほぼ同様の効果が期待できるが、吸入毒性(頭痛,めまい,抑うつ,吐き気,
 意識障害がエタノールよりも2倍強い。そのため、繰り返し大量に用いることは避けたほうがよいとされる。

・紫外線照射(日光消毒)は、空中浮遊菌〔結核など)に効果を示す。
 しかし、埃や粘液,水に対する浸透が悪く、相対湿度が高いと効果が悪い。
 また、紫外線の当たる表面しか消毒できないことが欠点である。

・熱消毒は、栄養型細菌は65℃以上の湿熱で死滅し、結核菌は100℃で10分,HBウイルスは98℃で2分間で死滅する。
 したがって、煮沸消毒を10分間行うと、芽胞以外はほぼ死滅できる。 

・アルベストDは、医療・理化器具用の無リン低泡性洗浄剤である。 

All Rights Reserved Copyright 宮崎県放射線技師会 日向地区学術班 2001.3.22〜
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