最近、カナダのモデルフォレストを視察する機会がありましたのでご紹介します。
さてカナダは日本の18倍(国土面積は26.4倍)ほどの森林を有する世界有数の森林国であり、カナダ産の木材製材品が大量に輸入されているなど、日本との関係は深いものがあります。
モデルフォレストは、カナダの全土で10カ所にわたって設定されていますが、その一つである、ブリティッシュコロンビア州のロングビーチモデルフォレストを訪問することができました。
このモデルフォレストは40万ヘクタールの広大な面積を有するもので、その区域には、パシフィックリム国立公園なども含まれています。
国立公園内には、レッドシーダーなどの大木が林立するのみならず、千年も経たかと思われる倒木の幹に数十本の樹木が生育している様(注:倒木更新)は圧巻です。
モデルフォレストの通常の区域では木材生産も行われているが、新たな持続の考え方に基づいて、大面積の皆伐方式を改め小面積伐採への移行が実施に移されています。
夜更けまで、モデルフォレストを支える、グループの代表など10名と意見交換を行いましたが、州政府はもちろん、先住民、国立公園、教育関係、木材産業などを代表する人々との話し合いは大変有意義でありました。
また、モデルフォレストは単に森林をモデル的に指定して紹介するのではなく、地域社会全体によって森林の持続を行おうとする総合的な社会組織であることが理解できました。
観念的な森林の管理ではなく意欲的かつ実践的な活動が行われていることが特徴であり、このことは、トフィーノのレインフォレストインタープリーティブセンター(温帯雨林情報センター)における展示等にも表れており、地域参加の実像が体験できる内容となっています。
またカナダといえばツーバイフォー住宅を連想する人が多いと思いますが、在来型構法としてはポストアンドビーム(柱及び梁)構法があり、モデルフォレストの地域でもレストランなどの比較的大型の建物も、がっしりとした木の良さを表して建てられており、工場生産の建物、すなわちツーバイフォーの建物より、低価格で建築できるとの声が聞かれました。
1996年9月ヴァンクーバー島で撮影 (小澤普照)しました写真をご紹介します。
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レッドシーダーの大木の倒木更新の写真ですが自然の神秘を感じさせるものです。
ヴァンクーバー島に生育する温帯雨林の天然林です。
ヴァンクーバー島太平洋岸に打ち寄せられた流木の山です。