2001年10月18日木曜日紹介


SFC「サイコドリーム」

1992年12月11日発売/RIOT/8,900円(別)/ACT

<STORY>・・・説明書より

 1992年、冬。

 閑静な逗子の住宅街にある古い洋館の中で、一人の少女が深い眠りに就いていた。

 

 少女の名は柚木沙耶香。

 両親が離婚したのは、彼女が13才の時だった。父親は愛人と共に姿を消し、一通の離婚通知と母親が少女に残された。母親は少女が男の近くにいることを禁じ、厳格な躾によって決して自分と同じ過ちを繰り返さないように育てようとした。

 そして、17才の夏。

 沙耶香は初めての恋をした。

 もちろん、母親はゆるすわけもなく二人の仲は無理やり裂かれてしまう。母親にとって、それは許されざる行為でしかない。母親自身もまた、その母、すなわち沙耶香の祖母が行なった17才の恋の過ちの果てに生まれた私生児だった。そして旧家の血筋を絶やさぬようにする為だけに結婚を強要され沙耶香を産んだ。今や母親にとって残されたものは、沙耶香だけであった。

 同じ過ちだけは繰り返して欲しくなかった。

 それだけが母親の希望の全てである。

 沙耶香が生まれつき病弱だったこともあり、母親の沙耶香に対する可愛がり方は異常とも呼べるほどだった。

 だが、沙耶香にとってそれはただの抑圧でしかない。いつしか沙耶香は、危険なDムービーの世界へと耽るようになっていた。

 

 Dムービー。

 1980年代の当初から既にその存在は噂されていた。ゲーム機器としても、データグローブのように実現化され一般に市販されているものもあったが、実体験と同様に仮想空間を体験できる画期的なシステムである。ただハードの性能の限界もあり、精神遊離剤となるLiピルと感覚接続器(インターフェース)の併用によって初めて可能となるものでしかなく、開発当初よりその危険性は指摘されていた。

 しかし1980年代も後半になるとハードそのものの性能向上もあり、普及型と呼べるような安価なマシンが急速に広まってきた。1989年には、5個入りのピルとDムービーのソフトを持っていることが、ある種のステイタスとなっていた。それは、先端人種であることの証明ともいえた。やがてアメリカ及びECによって出荷されたソフトの影響もあって、東京都内の若年層における普及率は爆発的に広まっていく。

 だが、それは通常のドラッグとは比べることもできない危険性を持っていた。

 元々、現実逃避を行いやすいモラトリアム時期の青少年にとって、Dムービーは格好の非難場所でしかない。シンカーと呼ばれる、現実に還ってこれない少年や少女の問題がようやくマスコミに登場してきたのは1991年であった。

 シンカー、それは自殺行為でしかない。

 Dムービーの世界にブレインアウトしたまま、現実世界へとリターンしない場合、例え生命維持装置の力を借りて生き長らえたとしてもただの植物人間にしかすぎないし、もし何の手立ても打たなかった場合、飲まず食わずでは一週間しか生きていけないのが人間である。

 それでも、シンクしていくものは後を絶たなかった。

 それほどDムービーの世界は強烈だった。

 それほどDムービーの世界は自由だった。

 Dムービーは、ソフトとして与えられる映画的な枠組みの中に入り込み、夢を見るよりも自由にその世界を娯しむことができる。

 そう、君がスーパーマンになりたければ、Dムービーのソフトを買ってシンクすればいいだけだ。Dムービーの世界でならば、スーパーマンとして地球の自転を元に戻し、恋人と手をつないで空中のロマンスを娯しむこともできる。

 思春期の若者にリターンしろと言うのが無理というものかもしれない。

 そんな彼等を救うべく作られた組織が、国家公安委員会直属の公安4課、記章にはめられた美しい結晶の連想から人々に通称「ダイヤモンドの犬」と呼ばれる特設公務員である。

 創設は1984年。

 この物語の主人公であるリョウとマリアもそのDムービーへの耐性を高く評価され、「ダイヤモンドの犬」の一員として活動していた。

 Dムービーの中でしか自由になれない沙耶香がシンクしたのは、当時最も流行し最も危険だとされた幻想ソフト「廃都物語」であった。

 監督は、奇才デヴィッド・ヴィスコンティ。沙耶香にとっても、母親に縛りつけられる日常からの解放を与えてくれるものとして余りにも誘惑が強すぎた。

 大量のピルを服用したまま、Dムービーの世界へとシンクしていった沙耶香を救うべく、リョウとマリアの二人は深く暗い少女の夢の中へ、恐怖の幻想ソフトと呼ばれるDムービー「廃都物語」の中へと、静かに潜行していく。沙耶香がシンクしてから、既に3日が経過していた。

 病弱だった少女の命は、おそらくあと24時間持つかどうかであろう。万が一、救出作業中に沙耶香が死ぬような事態となれば、リョウとマリアもまたDムービーの世界から永久に帰還できなくなってしまう。

 彼等二人にとってもリターンできない可能性を秘めた極めて危険な任務であった。

 

 1992年、冬。

 薄曇りの空から、重金属を核とした雪の降る寒い夜のことである。


<操作方法>・・・説明書より

 十字キー・・・左右に移動。Rボタンと同時に右または左でダッシュ。下に押すとしゃがみます。下と同時にBボタンで段を降りることができる。

 スタートボタン・・・ゲーム中に押すとポーズ、もう一度押すとゲーム再開。

 Aボタン・・・ファイナルアトラクションで攻撃。

 Bボタン・・・ジャンプ。Rボタンと同時に押すとジャンプ力がアップ。

 Yボタン・・・通常の攻撃。

 Rボタン・・・移動力とジャンプ力がアップ。

 Lボタン+Xボタン・・・自決コマンド

 Lボタン+Rボタン+セレクトボタン・・・リセットコマンド


<その他>・・・色々と。

・リョウとマリアの2キャラから選択可能なACTゲーム。世界観が異色!ストーリーもやたらヘビー(ぼそっと)入力は大変でした(^^;;;

・キャラクターはパワーアップやトランスミューテーション(完全変体)するぞ。性能がどんどん変化するので、使いやすい方を選ぼう。

・ファイナルアトラクション(特殊攻撃)も凄いぞ。まずリョウの「モゼイックディジーズ」は、画面上のすべての敵をモザイク模様にしてダメージをあたえる。またマリアの「ブロッディレイン」は、画面上のすべての敵に血の雨を降らせてダメージをあたえる。

・敵を倒して得られるアイテム(プロテイン)も特殊だぞ。異形植物の光合成エネルギーを発光結晶体に変化させたものや、細胞増殖結晶体とか、寄生生物の力により、フリークアウト(変体)するものや、狂気と幻想が産みだした究極の薬品とか・・・とにかく全てにおいて強烈な雰囲気を漂わせる作品。

・通算315(サイコ)本目なので。