ホンダ CR-X SiR
機種コード ホンダ・E-EF8
全長/全幅/全高 3800mm/1675mm/1270mm
ホイールベース 2300mm
最低地上高 150mm
車両重量 1000kg(エアコンディショナー・パワーステアリング装着車)
エンジン形式 B16A 水冷直列4気筒 横置 DOHC気筒あたり4バルブ
気筒数/総排気量 直列4気筒/1595cc
内径X行程 81.0mm×77.4mm
最高出力 160ps/7,600rpm
最大トルク 15.5kg-m/7,000rpm
燃料タンク容量 45.0L
変速機形式 5段
タイヤサイズ・前/後 195/60R14 85H
製造年 1987年9月(SiR 1989年9月) 〜 1992年2月
所有期間 1993年5月22日〜2003年9月27日
購入の経緯
バラードスポーツCR-X(E-AS型)の後継機として購入。購入時点でCR-Xは電動オープンルーフのCR-X DelSolになっていたが、スポーツカーとしてのCR-Xが欲しかったので、旧型であるがこの型が気に入っていた。タイミングよく1年4月落ちの高年式中古車が行きつけのホンダディーラーに入庫したことが購入のきっかけとなった。
長所
@画期的機構である可変バルブタイミングVETCエンジンの第1号であるB16Aエンジンは、低回転から8000rpmのリミットまでどの回転でもフレキシブルに使える。また、特に5000rpmを超えてから2次曲線的にパワーがリミットまで盛り上がっていく。ドライバーの気分もエンジンパワーにシンクロして高揚する。
A快音に痺れる高回転の「ムウォー」という官能的なエンジンサウンドと排気サウンド。ホンダF1エンジンはこんな音なのかと彷彿させる。
B高回転を多用した上での総走行距離75000kmでの売却時にもオイル漏れはなく、パワーダウンも感じられなかった。複雑なバルブ開閉機構を持つにもかかわらず、エンジンの耐久性は高い。
C美しいスタイル。この車を見る都度に「いい車だなあ」と幸せな気分になる。特に後ろから見たスタイルは絶品である。
D低く構えて手足を水平に伸ばすドライビングポジションにより「スポーツカーに乗っている」と実感できる。このポジションとコンパクトな車体によって車体の四隅まで自分の身体の一部のように一体化して感じられる。車と言うより原動機付きのドライビング・スーツ・マシーンという感じである。
E短いホイールベースによりステアリングをあまり切らずに右に、左に、すいすいと軽快に旋回できる。ワインディングロードが楽しいだけでなく、街なかの交差点を回るだけでもこの車独特の感覚を味わえる。ただし、微舵領域の反応が敏感というわけではない。
Eスッと抵抗なくゲートに入って、決まるギアシフト。
F高回転型エンジンであるが燃費は11km/Lから8km/Lくらい。あとはエンジンオイルを交換するだけで何のトラブルもなかった。ホイールも14inchでタイヤも安い。ドライビングを楽しむ車ではあるが、一般の車と同じような経費で済む経済的な車であった。
短所
@エンジンもギアシフトも素晴らしいのに、ステアリングが軽すぎて、ちょっと頼りない。微舵領域の反応も甘い。
A見かけだけ立派で背骨をきちんと支えない貧弱なシート。腰痛を発症し我慢できなくなり、レカロシートに交換した。
B欠点というほどではないが車体剛性はあまり良くない。ただし、前モデルAS型よりは相当良くなった。
Cパワーがあり、コーナーも速い、十分楽しい車であったが、たまに、FFでなくてFR駆動であればいいのに、と思ってしまうこと。
思うこと
このCR-Xは実質的に2シーターのため、家族構成の変化によりやむを得ずシビックタイプRに買い替えとなってしまったが、適度にパワフルなエンジンと軽量かつコンパクトな車体が丁度良い頃合いでバランスしていた。自分がマシンを思いのままに操縦しているという感覚が楽しく、ドライビング時には自分の身体の一部と思えた。これ以上パワーがあっても使いこなし感が無くなってしまう。また、ホンダのイメージにぴったりと一致したモデルであったと思う。欠点も含めて愛することができた。自分にとって、インテグラや現在所有のシビックタイプRと比べても、最高のマシンだった。
(2011年9月3日執筆)
低く、短く、コンパクトで流麗なスタイル 俊敏な走りをスタイルでも表現している
リアスタイルは特に美しい
運転席(RECARO SR-2ルマンに交換後) スポーツカーの雰囲気をもつ運転席側
助手席側 リアシートはあくまで非常用であり、実用的な広さは無い。
VTEC 1号機のB16A  パワー、官能性、耐久性のいずれにも優れる名エンジン(名機) 後継のシビックタイプR(右)と共に(2003/09/23)
後継のシビックタイプR(左)と共に(2003/09/23) CR-X最後の日(2003/09/27)
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