総合・歴史編 １1．東北縦貫線の昔と今 1410・1505
新幹線の上を走る上野・東京ライン（東北縦貫線）とは？
上野−東京間約3.8kmの上野・東京ライン(昔の呼称：東北縦貫線）と呼ばれる路線は新規の敷設ではなく復活路線です
2015年3月14日 ダイヤ改正で運転開始
↑品川駅まで乗入れる常磐線特急657ＥＣ：東京駅8番線ホーム1503
2014年7月29日 営業車両を使用した試運転を開始
↑秋葉原駅で離合するＥ231形電車と185系200電車：秋葉原141026
2013年12月9日 JR東日本はこのルート愛称を「上野東京ライン」と決定
上野・東京ライン（縦貫線）の歴史
・第二次世界大戦以前から上野−東京間に回送列車や貨物列車を走らせるための「回送線」があった
・敗戦後1946年7月客車列車として初めて連合軍専用列車の直通運転を開始する
・1950年代：東北本線・常磐線・高崎線の通勤電車が新橋駅まで各1往復程度乗入れ
準急「日光」
東海道線方面に乗入れた列車
急行1201･1202列車 横浜−札幌間常磐線経由 後の急行「十和田」 1952年9月から東京始発に変更される
準急「湘南日光」 快速「わたらせ」
・1960年代：後半 68年(よんさんとう)東北・上信越線特急・急行の一部を東京駅まで乗入れ
特急｢つばさ｣｢やまびこ｣｢ひばり｣「ひたち」「とき」「あさま」「新雪」(臨時)｢そよかぜ｣(臨時)
急行｢ときわ」「常盤伊豆」（臨時平−修善寺・伊豆急下田）「軽井沢」(臨時)「草津」(臨時)
・1983年1月31日：東北新幹線建設により直通運転廃止になる 秋葉原駅−神田間で線路が分断された
・1991年6月20日：新幹線開業
新幹線開業後の線路の利用
上野駅−御徒町駅−秋葉原駅 上野駅高架ホームから秋葉原駅手前まで留置線を設ける
神田駅−東京駅 神田駅の東京駅寄りまで東海道線の折返し留置線・機関車の機まわしなどで使用
上野・東京ライン（東北縦貫線）の工事 全長 約3.8km 上野方から記述しています
工事区間は下記のように区分される
１．「線路改良区間」：上野駅−秋葉原駅間は既存の引込み線を改良して使用する
２．「線路改良区間」：神田駅−東京駅間は既存の引込み線を改良して使用する
３．「秋葉原方アプローチ部分」：「線路改良区間」から上り勾配で「高架橋新設部」を繋ぐ
４．「高架橋新設部」：神田駅周辺は新幹線が通り土地の確保ができないため重層高架になる
５．「東京方アプローチ部分」：「高架橋新設部」から下り勾配で「線路改良区間」に繋ぐ
６．「南部ヤード部」：工事は東京駅南側から新幹線の軌道内を通って大型の機械や資材が運ばれる
新幹線最終後 深夜の工事が開始される また 新幹線始発までに工事は終了するが問題発生時には
最悪新幹線上野始発に変更される
上野駅−御徒町駅−秋葉原駅間 1.6ｋｍ
上野方留置線を望む：秋葉原駅ホーム
・分断前の線路に改良本線化する
秋葉原方アプローチ部分（秋葉原駅神田寄りから靖国通り付近まで） 0.35ｋｍ
秋葉原駅構内：130519
・秋葉原駅構内は線路を改良本線化する
・秋葉原駅（御徒町寄り）トンネルから新幹線が東京方面に上り勾配で出てくるので新幹線と在来線の間に割って入るような形で走行し
新幹線高架を左に見ながら新幹線高架より上部に上り勾配でアプローチする
重層高架部分（靖国通り付近から神田駅構内東京寄り） 0.6ｋｍ
神田駅構内の重層部 下部を新幹線が通過していく：神田駅130519
・神田駅構内高架橋は２層構造になり上部から東北縦貫線複線＋新幹線複線になる 東北縦貫線の線路敷設は在来線側にずれて敷設
東京方アプローチ部分（神田駅構内東京寄りから首都高速道路下付近） 0.35ｋｍ
・神田駅構内東京寄り付近から下り勾配で在来線側に降り東京駅７〜10番線に向かう
神田駅（首都高速道路下付近から）−東京駅間 0.9ｋｍ
・分断前の線路に改良本線化する ポイントの改良
東京駅９・10番線ホームから神田駅方面を望む：東京駅
信号の設置と車止めが設置された：東京駅
上野・東京ライン（東北縦貫線）の工事完成後の列車の運用
・東北本線高崎線の列車は東海道線に乗入れ 東海道線の列車も東北本線高崎線に乗入れる
朝・深夜の東北本線高崎線の列車は上野始発・東海道線の列車は東京始発がある
・ 新橋駅・品川駅では改良工事が行われた
・上野−東京間はノンストップ
・常磐線は日中の特急は品川駅折返し
参考資料： ・鉄道ピクトリアル2004．9 ・交通公社発行時刻表復刻版
・ＫＡＪＩＭＡマンスリーレポートダイジェスト 2010年8月特集「新幹線の真上に架けるＪＲ東北縦貫線」