上のFLASHは、なんちゃってです。久しぶりにFLASHを使ったので、リハビリに。(笑

インプラス


珍家すでに、トステムのシンフォニーというサッシが採用されています。
シンフォニーとは、室外側がアルミで、室内側が樹脂(プラスチック)の断熱サッシです。
(シンフォニーは断熱性能だけでなく、気密性能も優れています。)
なぜ、樹脂が使われているのでしょうか。
樹脂は熱伝導率がアルミよりも低いのです。

熱伝導率とはなにか?

対象物の、え~と、他の物への熱の伝えやすさと言うところでしょうか。
たとえば、
冷凍庫に、アルミと樹脂と木、あとガラスを入れて十分に冷やします。
十分に冷えれば、アルミ、樹脂、木、ガラスも同じ温度に冷えているはずです。
このときに、手でさわってみて、冷たく感じる物ほど熱伝導率が高いのです。
実際に実験したわけではありませんが、
(あまり冷やすと、手がくっついてしまうかも知れないので危険です。)
冷たい順(熱伝導率が高い)に並べると、
・アルミ
・ガラス
・樹脂
・木
(特殊な表面加工では無いもの)
になるはずです。
つまり、さわって冷たい物は、空気にも熱を伝えやすい事になります。
ちなみに、空気は木よりも熱伝導率が低いのは、ご存じの通り。

ちょっと具体的に、冬の場合を想定します。
通常のアルミサッシでは、たとえ複層ガラスで断熱していても、
室外側の空気が、室外側のアルミ窓枠を冷やし、
それが室内側のアルミ窓枠に伝わります。
これにより、室内側の空気を冷やします。
この窓が室内側の空気を冷やす現象をコールドドラフトと言います。
気密性能に優れていても、窓付近が寒いのは、このコールドドラフトが原因です。
また、空気が冷やされれば、そこで結露も発生します。
ガラスは結露しなくても、
より室外側の冷気を伝えやすいアルミ製の
窓枠がビッショリなどと言うことが起きるのです。




では、シンフォニーのようなアルミ樹脂複合断熱サッシではどうでしょうか。
室外側がアルミ、室内側が樹脂と言うことは、
室外側の空気が、室外側のアルミ窓枠を冷やすところまでは同じです。
しかし、室内側の熱伝導率の低い樹脂には、室外側のアルミから冷たさが伝わり難く、
室内側の空気やガラスにも熱を伝えない。
結果、室内側の空気を冷やさない。
と言うことになります。
室内側の空気を冷やさないと言うことは、
コールドドラフトも結露も起きないと言うことになります。
断熱サッシと通常のアルミサッシの違いはここにあります。



極寒の地域では、木製やオール樹脂製のサッシが使用されています。
樹脂は耐候性(主に熱と摩耗)、耐光性(主に紫外線)によって劣化・・・。
木製のサッシも風雨にさらされれば、劣化は逃れられません。
つまり、耐久性に難があります。
極寒の地域では耐久性よりも、断熱性が優先されているのです。

シンフォニーのような複合素材の断熱サッシは、
耐久性を補うために、
外側に耐久性に優れたアルミを、
室内側に熱伝導率が低い樹脂を使用しているのです。
しかし、 シンフォニーといえども、
極わずかながら外の冷気が伝わってきます。



さて、いつものように、前置きが長かったのですが、
インプラスの説明に入りたいと思います。
インプラスとは、俗に言うインナーサッシとか、2重サッシにする物です。
上の方にある、FLASHのように、今あるサッシの内側に、
もう一つサッシを設けるものと言えば解りやすいでしょうか。



インプラスを導入した理由は、遮音のためです。
珍家は、そこそこ交通量が多い商店街通りに面しているため、
中には騒音を伴って走る車両があるのです。
それと、最近、空を飛ぶ連中も五月蠅いですね。



インプラスのサッシ部分はオール樹脂製です。
インプラスの作りは通常の屋外に使われる樹脂製サッシのようで、
安っぽいところはありません。
これは、室内側が前提のため、耐候性、耐久性に配慮する必要がないためと、
前述の通り、樹脂は加工性が良く、熱伝導率が低い素材である事が理由と思われます。

インプラスのガラスは、通常のサッシのように、単板、複層が選択できます。
珍のもくろみは遮音性能ですので、単板を選択しました。
さらに断熱性能向上を期待する場合にのみ、複層ガラスを選択しましょう。
ガラスは、フロートやくもりなど通常通り選べます。


取り付け時間は、事前に施工現場を確認して準備できていれば
一カ所あたり、20分程度でした。


カメラを三脚に設置したところ、いつものように、好奇心旺盛のマナがやってきたので、
ネコの手を借りることにしました。

怪力マナ

ガラスの種類は、タペガラスです。
障子の代わりだったので、乳白色のすりガラスを指定したのですが、
汚れが落ちないなどの理由で断念しました。
タペガラスは、すりガラスに比べれば、透明度が高いですが、
視線を遮るには十分で、障子よりも、室内が明るくなりました。
でも、タペガラスは高価なので泣く泣く導入です。


好奇心マナ

元々のシンフォニーの窓枠と、インプラスの窓枠の色が合っているのがわかると思います。
これは、同じメーカーだからでしょう。
和室なので、ライトウッドです。


体感性能は?

遮音性能ですが、騒音計を準備していませんので、
数値で表現できません。
ですので、感覚的に表現するなら、
騒音源が、数十メートルくらい離れた感じ。
これでも、予測した以上に遮音性能が高まりました。
実は、窓より、24時間換気から侵入してくる音の方が
相対的に大きくなりました。
あ、珍家の24時間換気は、吸音材で防音してあります。

さて、インプラスを付けたことで、その断熱性能を語らずには居られません。
今回採用したインプラスの仕様は単板ガラスとはいえ、
今までの複層ガラスのシンフォニーと併せて、
数センチの空気層を持った3層ガラスになったのですから。

寝室に使用している8.5畳。腰高窓2カ所ともインプラス設置。
この段階で、うっすらと感じられていたコールドドラフトは、
全く感じられなくなっています。
ガラスをさわっても、冷えているという感じはしません。

12月、朝の最低気温の予想は2℃。
夜、就寝時にエアコンと24時間換気を止めます。
6時間後の朝。
ほとんど、室温が下がらないのです。
インプラス設置の威力もありますが、
これは、基本的に、
タマックの気密施工が十分であるとともに、
断熱性能が優れているからこそでしょう。

タマックの家であれば、インプラスはその高価を・・・。
違いました。
その効果を十分に発揮すると思います。


シーリングファン導入
だめ押しで、同時にインプラスを施工したリビングに、シーリングファンも導入。
シーリングファンの効果は、室内の空気を攪拌し、
室内上下の温度差を減らすものです。(サーキュレーション効果)

7.5kgもあります

取付時にお手伝いいただきました。
タマック、小山さん、斧さんにこの場を借りて御礼。


本当は下部に照明が付きます。

特に、今まで床暖房が無くても、天井から床までの温度差に特に不満はありませんでしたが、
シーリングファンの効果は確実にありました。
さらに、足下まで温度が一定になることで、体感温度が上がり、
暖房の設定温度を下げました。
床暖房を設置している場合には、シーリングファンは不要と思われるかも知れません。
しかし、もう一つの、シーリングファンの効果が判明しました。
それは、シーリングファンを設置した部屋と繋がっている
隣の部屋の温度まで、すぐに一定になること。
シーリングファン!おすすめです。



以下戯言です。

インプラスの一般的な使われ方

古いマンションなど、気密性は良いが、断熱性の悪いサッシが使われているために、
ひどいコールドドラフトと結露が発生している場合があります。
それを解決するために、インプラスが使われる場合が多いようです。

インプラスのコストパフォーマンス
はっきり言って、良くないと思います。
つまり、絶対的に高価だと・・・。
繰り上げ返済に回しましょう。(笑
実は、高価なのはガラスです。
ガラスを妥協すれば、そこそこの価格になります。
先ほども言いましたが、結露がひどい程度であれば、
単板の薄いフロートガラスで十分ですので、
一度、見積もりを取って見てください。

そうはいっても、目標は、全室インプラス。
今回は、6カ所で、予算いっぱいいっぱいでした。


ガラスの種類について


単板、複層が選べますが、
通常のサッシと同じように以下のようなガラスが選べます。

・フロートガラス(透明板ガラス)
普通の透明ガラスです。

・くもりガラス(型ガラス)
フロートガラスを凹凸の付いた型で成型したもの。
透明よりも気持ち薄くなるようです。

・すりガラス(サンドブラスト加工
ガラス表面を、砂のような細かい粒を吹き付けて白くします。
汚れが落ちないという問題があります。

・タペガラス(エッチングガラス)
ガラス表面を、特殊な溶液でエッチングしたもの。
仕上がりはきれいですが、高価。

シーリングファン取り付け
重量物を天井や壁などに取り付ける時には、
ビスを打ち込むための下地を探す必要があります。
シーリングファンはモーターが入っているので、
照明よりも重いと思います。

下地探しには以下のような器具を使います。

下地探し

ホームセンターで調達。
先端を石膏ボードに押しつけると、細い針が飛び出します。
石膏ボードだけなら、針は抵抗感無くブッスリ刺さります。
石膏ボード下に下地があると、途中で針が止まります。
そして、力加減が解らないと・・・・。
下地があっても針が刺さっていないのか?
と勘違いして、針がグニャグニャに。

力入れすぎ

珍はシーリングファン取り付け予定のところに、下地がないと思っていたので、
梁を下地として探していたところ、
実は、思いっきり広範囲に下地が入っていたため、
かなり離れたところまで、石膏ボードが堅い?
などと、勘違いして・・・・。(略


補助金の話
インプラスを導入するにあたり、使える補助金制度があります。
NEDO断熱窓リフォーム補助金制度
です。
インプラス本体&施工費用の1/3くらいが補助されるようです。
見積もり時に聞いてみるとお得になるかも知れません。

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