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この本に書かれている内容は過去18年間のわが家の子供たちの成長の記録です。記録といっても、父親としての私の眼から見た子供にまつわる事実と感情と印象の記述であり、あくまで、主観的な日記であり、客観性がどれほどあるのか父親としての私自身心もとなく思っています。つまり、ここに描かれているのはあくまで父親の眼に映った子供の姿です。子供というものがもつ心の闇の部分に到底私の観察力は届いていないかもしれません。そのことをあらかじめお断りしておきます。また、子供は成長するにつれて親とは生きる軌道を別にたどっていきます。そのことは誰も否定できないことです。親と子の精神的蜜月時代は、はかなく一瞬にして過ぎていきます。私自身,そのことに気付くのが遅すぎたのかもしれません。そのことを念頭において読者の皆様も現在の自分と子供の関係をお考えになりながらこの本をお読みいただくと、「子育て」においておおいに役に立つと思っております。
また、他の登場人物につきましては現実の「日記」にはすべて実名で書かれておりますが、プライバシーの侵害にあたると失礼になりますので、この本においては、お名前は表記しないことにしました。 私の職場についてもそこに勤める皆様のプライバシーの侵害にあたらないよう出来る限り表現を控えさせていただきました。 これとは反対に地名、学校名、店名などについてはあくまで「日記」の記述に忠実に再現しました。もし,表記に一部誤りがありましたらご容赦の程よろしくお願いいたします。 また、私の日記は当然ながら私の個人的な記録です。この本に書かれていますのは、「日記」の中のあくまで「家族」「子供」に関係することだけに限定し,後の18年間の膨大な記述は削除しました。 最後になりましたが「日記」という特殊性のため記述が平板になりますので、便宜上、次男の旅男を中心に、内容を「幼年時代」「小学生時代」「中学生時代」「高校生時代」と分けました この日記は、隆正が5歳、麻季が3歳。旅男が1歳の1983年2月1日(火)に始まります。
第1章 幼年時代
1983年(昭和58年)
2月1日〈火〉
旅男、隆正と麻季の真似をして、何とか言語表現のごときものをしようとするも,意味をなさず。「アウ、アウ」「ガー、ガー」などと意味不明な音を繰り返す。まだ歩行不可能。もっぱら匍匐前進あるのみ。
2月3日(木)
節分の日。自分が帰宅する直前に、隆正と麻季が勝手に「福は内、鬼は外」の豆をまいてしまっている。撒かれた豆の間を旅男が匍匐前進している。
2月9日〈水〉
酒を飲んで酔っ払って帰る。居間に誰がこぼしたのか納豆が落ちている。
「誰だ、納豆をこぼしてキチンと後片付けしていないのは!」と、叫ぶとお芳、隆正、麻季が集まってくる。それから三人でこぼれた納豆を見て笑い出した。「お前たち、何がそんなにおかしいのだ。」と、事態が飲み込めず、自分が怒鳴ると、お芳が笑いながら、「あなた、酔っ払っているわよ。」と、言う。続いて隆正と麻季が、「父さん、それ、納豆じゃないよ。旅男のウンチだよ。」と、なぜかうれしそうに報告する。「ウンチ?」自分は愕然として思わず吐きそうになった。そこに「バウ、バウ、ウー、ウー・・・」と、旅男君が、何か意味不明なことを訴えつつ、半分取れ掛けたオムツを引きずって、匍匐全身しながら隣の部屋から現れたのだ。そして、旅男君が、自分のウンチを見つめながら、バツの悪そうな顔をする。
2月20日〈日〉
隆正の幼稚園の発表会が文化会館であるので、家族を車で送っていく。3時ごろ迎えに行って、舞台を覗く。隆正の出演は午前に終わったとのこと。先生の挨拶のとき、舞台に整列した園児のうち、隆正一人が正面の観客席の父兄を見ず舞台の天井をずっと眺めていて、父兄から失笑が漏れていたとお芳が嘆く。
2月28日〈月〉
隆正が、自分に近づいて来て耳打ち。「あした、『幼稚園』の四月号を買ってきて」との頼み。隆正得意の耳打ち戦法。お芳への耳打ちは自分には聞かれたくない秘密報告。自分への耳打ちは単に金のかかる頼みごと。その差は歴然としている。そうとわかりつつ、この耳打ち戦法には抗すべき術がない。それに子供は自分に大切なことは絶対忘れない。
3月9日〈水〉
帰宅すると隆正と麻季、テレビの「ドラえもん」を熱心に見ている。旅男は芋虫のように畳の上に転がって意味不明のことを叫ぶ。
3月13日〈日〉
旅男、やっと一人で立てるようになるが、まだまだ歩行は困難。言葉もまだはっきりとは言えない。隆正はおもちゃをいじり本を読む。麻季はリズムを取りながら、歌って、踊って、一人芝居。
3月14日〈月〉
昨夜、夜の空に美しいイルミネーションの円盤が素晴らしい編隊飛行をする夢を見る。隆正を映画「ET」に連れて行かなくてはならないという強迫観念の表れ(?)
3月17日(木)
隆正がよく泣くので叱る。「何があっても泣いたりしないこと」という標語を作って、隆正の部屋のドアに張る。
3月23日〈水〉
朝、食事中、隆正が幼稚園で、持っていたキイホールダーを友達に取られたことを隆正自身に聞かされる。夜、帰宅して、隆明が取られたキイホールダーを取り返しながら、また別な友だちに取られたと聞いて激怒。隆正を庭に連れ出し殴る。隆正は、泣きはしない。雨の中、そのまま庭にほったらかしにする。20分ぐらいすると、麻季が心配そうにするので隆正を家に入れる。自分が怒っている時に旅男も「ガウ、ガウ」と何か訴えるような眼で自分をみつめる。
4月9日(土)
夜、隆正の6歳の誕生日なので、お芳手作りのレモンパイを隆正君、麻季ちゃん、旅男君と一緒にいただく。
4月10日〈日〉
午前中、隆正,麻季と散歩。坂東小学校で、鉄棒、かけっこ、ブランコをする。雨が降ってきそうになったので帰る。隆正にテレビのプロ野球中継、「巨人対大洋戦」見ながら野球のことを少し詳しく教える。
4月11日〈月〉
麻季は私立のさくら幼稚園へ明日から通うことになる。隆正は今日からさくら幼稚園を卒業し市立坂東幼稚園へ。旅男は、もう少しで歩けそうな雰囲気。
4月17日〈日〉
終日雨。昨夜、隆正が幼稚園でいじめられているとお芳から聞く。気になってそれとなく触れるが、隆正本人はあまり気にしていない様子。旅男やっと二、三歩、歩けるようになる。かすかに、「父さん」「母さん」と言っている様にも聞こえる。
4月19日(火)
近所の飼い犬が隣家の主婦を噛んだ話を聞かされる。子供のことが心配。それに隆正は極度の犬恐怖症。
4月20日〈水〉
早く起きて隆正の授業参観。と言っても、運動場で子供の遊んでいるのを見ているだけ。隆正意外と元気そうである。昼に、隆正、麻季、旅男の写真撮る。隆正と麻季は気取って大人のようなすましたポーズを必死でとろうとするが、旅男は茫然としているのみ。女の子の友だちが二人隆正のところに遊びに来る。隆正はもてるのかいな。
4月27日〈水〉
昼寝しすぎたために、夜、眠られぬ麻季と布団の中でと一時間近くおしゃべり。麻季が訊く。「父さんと母さん、どこで出会ったの?」「田舎のスイカ畑だよ」「一緒にスイカ食べたの」「うん、母さんの方がたくさん食べたけどね」・・・・・・
4月28日(木)
昨日、麻季と自分が一緒に寝たせいか、隆正が今夜は父さんと寝たいと言う。
5月1日〈日〉
昨夜買っておいた「幼稚園」「楽しい幼稚園」を隆正と麻季に渡す。隆正、も麻季も風邪を引いている。二人とも鼻を垂らしながら嬉しそうな顔をする。
5月6日(金)
隆正と麻季、テレビ「パーマン」と「ドラえもん」連続してみる。自分の時代で言えば「赤胴鈴之助」と「月光仮面」を連続して見ているようなものか。
5月8日〈日〉
夜、隆正の布団の中でウトウトしていると、隆正に今日古本屋で買ってきてやった「世界偉人物語・ナポレオン」について横からいろいろ質問される。「ナポレオンは3時間しか眠らなかったのだ」と寝ぼけ眼で演説しながら、眠ってしまう。
5月9日〈月〉
隆正、夕食終わって、「パーマン」と「忍者ハットリ君」を続けてみる。旅男は隆正の家来のごとく仕方なく付き合っている。隆正が「スゲェー、スゲェー」と言うと旅男はオウムのように忠実にその言葉を繰り返そうとする。
5月17日(火)
隆正、科学の本とコミックに熱中している。麻季を連れて夕方近所の公園を散歩。麻季が訊く。「父さんと母さんスイカ畑であったのね」「あれは嘘、実は港の見える丘であったのだよ」「本当?」「本当だよ。一緒にキューバというところへ行こうと思ったていたんだ」「キューバって遠いの?」「遠いよ。地球の果てだよ」「どうしてキューバへ行かなかったの?」「夢が足りなかったのだろう」「どうして夢が足りなかったの?」・・・・・
5月18日〈水〉
麻季は風邪で幼稚園を休む。麻季、旅男を連れて散歩。理髪屋へ行くのが面倒なのでお芳に髪を切ってもらう。
5月20日〈金〉
今日は結婚記念日。旅男、結婚記念日の意味がわからない。それでも眼の前にケーキがあるので喜ぶ。子供たち、口の周りをクリームだらけにしてケーキいただく。
5月29日〈日〉
隆正、麻季と車で本庄駅へ。荷物預かり所で四国の実家から送ってきたインスタントうどんの「どんべい」のパック受け取る。夜、家族全員で「どんべい」いただく。味付けがいい。「どんべい」に関東味と関西味があることを何人の人が知っているのだろうか。
6月1日〈水〉
麻季、幼稚園から帰ってきたので本庄の本屋へドライブ。隆正に「幼稚園」、麻季には「楽しい幼稚園」、今回は特に隆正にもう一冊「小学一年生」も買ってやる。
6月5日〈日〉
隆正と麻季を連れて金魚と小さな水槽をを買いに行く。金魚十匹近く買う。水槽に水と金魚を入れ玄関脇の下駄箱の上に置く。酸素を流入させる装置が低い唸り声を上げる。旅男、水槽の金魚を見ながら「あーあー」と意味不明のことを叫ぶ。金魚たちと金魚語で「交信」しようとしているのか。金魚たちは旅男を完全にシカトして、すまし顔で泳いでいる。
8月20日(土)
快晴。子供たちを連れて群馬の森へ行く。蝉とカブト虫を捕りに行く。たった一つの白い採集網を三人で奪い合い。カブト虫は全くその姿を見せない。蝉を数匹捕る。全員、蚊に脚を喰われる。芝生の上でアイスクリームを食べ、写真を撮る。
9月11日〈日〉
午前中、隆正、調子がおかしく顔色が青いので救急病院に連れて行くと盲腸の疑いがあると言われその場で入院が決まる。
9月12日〈月〉
朝、家族を救急病院まで車で送っていく。隆正、ひどく疲れている。仕事の帰りに寄ると、検査の結果、隆正、盲腸ではないとのこと。昼と夜に食事をしたそうでいたって元気。
9月14日〈水〉
隆正元気に退院してくる。旅男が隆正の廻りを飛び跳ねる。とんだ盲腸騒動だった。
9月21日〈水〉
帰宅、幼稚園から帰ってきた隆正、麻季、旅男と芝生の上で相撲をとる。隆正と麻季を投げ飛ばしすぎて二人とも泣き出してしまう。旅男とは相撲というよりダンスを踊る状態。
10月2日〈日〉
快晴。隆正らと坂東小学校の運動会を見学。隆正、ピストルの音に異様に緊張する。
10月5日〈水〉
午後8時より子供たちとレンタルビデオ屋で借りてきた映画「スターウォーズ」見る。レンタルビデオ屋のベーターのコーナーがドンドン少なくなっている。電器屋に騙されてベーターを買ってしまった、どじな父親。
10月9日〈日〉
隆正はレンタルビデオ屋から借りてきたビデオ「ゴジラの逆襲」を見ている。子供たちに見せたい肝心の傑作「ゴジラ」が近所のレンタルビデオ屋にない。
10月10日〈月〉
体育の日。今日は麻季ちゃんが通っているさくら幼稚園の運動会。旅男君、運動場の隅で見物しながら溝に落ち泥んこになる。
10月23日〈日〉
麻季、旅男の2人、一緒に坂東幼稚園で遊んでいる。麻季ちゃんは旅男君といつも仲良く遊んでいます。
11月27日〈日〉
隆正、先日、幼稚園で描いた絵が市の展覧会に出品され表彰状をもらう。
11月29日〈火〉
お芳が風邪を引き寝込む。帰宅途中、豊受診療所でお芳の風邪薬もらう。お芳が寝込んだせいか、子供たちもイライラした表情になる。旅男の泣き声もどこかキンキンしている。久し振りに台所で皿や茶碗を洗う。
12月11日(日)
隆正の通う坂東幼稚園で餅つき大会。教室で隆正と一緒にお餅を作る
12月14日〈水〉
帰宅。旅男は「ダイナマン」「ダイナマン」とばかり叫んで家の中をヨロヨロと走り回る。テレビの見過ぎ。隆正と麻季はいつも寝転んで本を読んでいる。自分が座椅子に座って本を読んでいると旅男が「ダイナマンだ!」と叫んでダイビングしてくる。一瞬、内臓破裂の恐怖に襲われ腹筋に力を入れる。油断も隙もない。旅男は人間ロケット。
12月17日(土)
午後8時から子供たちと「SF最後の地底恐竜」をテレビで見る。
12月20日(火)
ケーキを買って帰宅。今日は自分の誕生日。「父さんもがんばるからお前たちもがんばるんだぞ」と意味不明な演説をぶつも誰も聞いていない。6つの視線はケーキに集中している。この研ぎ澄まされた集中度はなかなかのもの。お芳が部屋の電気を消し、蝋燭の灯をともす。蝋燭の灯をなかなか吹きけさない自分のじらし戦法に子供たちイライラしているのが手にとるようにわかる。安ワインで乾杯。
12月24日(土)
クリスマス・イブ。子供たちとケーキいただく。ケーキを食べ終わった後、四国の実家の居間の壁に貼ってあった聖母マリアの肖像画の話をする。「父さんは神様を信じてはいないけれど、神様を敬う心は持つべきだと思うよ」と格調の高い演説をしていると、自分の話の意味もわからない旅男が突然お腹が痛いと泣き出す。旅男、ケーキについているイチゴ10個あまりを全部一人で食べてお腹をこわして泣く。夜、子供たちの枕元にサンタクロースがプレゼントを置いていく。
12月25日〈月〉
わが家で自分の知人である若い男女のお見合いが行われる。子供たち、なぜか、若い女性が来たので喜ぶ。隆正は図々しくも一緒に話そうよという風にその場に陣取り、旅男は照れ屋なのか顔を赤くしながら部屋の廻りをうろうろする。麻季は麻季で日記まで出してきて二人の男女の顔を描き始める。
12月28日〈水〉
「テレビランド」に隆正が出したマンガの投稿が掲載されている。
12月30日〈金〉
「ベルタウン」へ買い物。子供たちへ凧、ベイゴマ、ピンポン、オセロ買って帰る。隆正とオセロ一回する。旅男、「バイバイ」「ネエ」とか言葉の数がゆっくりと増えだす。
12月31日(土)
坂東幼稚園の運動場で隆正、麻季、旅男とかけっこする。旅男も、よろよろと走る。麻季よく泣く。隆正とオセロ一回。隆正勝つ。今年もこれで終り。
1984年(昭和59年)
1月1日〈日〉
元旦。快晴。隆正、麻季、旅男、居間で正座させる。「お父さん、お母さん、あけましておめでとうございます。」のご挨拶。旅男は口の中でモゴモゴ言いながら慣れない儀式に緊張している。ご挨拶のあと、お年玉を下賜(?)する。近くの公園で凧揚げ。凧の下に自分が小学校の時にしたように古新聞で長い脚を作りそれをくっつける。凧を持つのは隆正の役。全力で走り出すのが自分の役。麻季、旅男は自分について走る。お芳はベンチでニコニコ見物するだけ。
1月3日(火)
旅男、隆正と麻季の読んでいる本を取り上げてすぐ喧嘩となる。旅男、泣きながら兄と姉をぶとうとする。体力的に兄と姉の敵ではないが、兄弟の中で一番気が強そうだ。
1月4日〈水〉
午前中、幼稚園で凧揚げ。風強く凧が正月の青空にドンドン舞い揚がる。午後、昔、予備校で教えた卒業生の女性たち4人が、わが家へ新年の挨拶を兼ねて遊びに来る。隆正と麻季、この女性たちにお年玉をいただきホクホク顔。全員、まだ独身。年頃の女性が4人集まり、それに大年増のお芳が加わり、色恋沙汰の話をすると、その姦しいこと、姦しいこと。その上、お芳は、今までの結婚生活の積み重なる恨みを晴らさんとばかり、「結婚なんてねえ、女の人が損するばかりよ、・・・・」なんて気合入りまくり状態。自分は酒に酔った振りをしてただ茫然。
1月5日 (木)
坂東幼稚園の運動場で子供たちと遊ぶ。麻季、すぐに泣く。旅男は気が強くて自分の言うとおりにならないとすぐお芳をぶとうとする。
1月11日〈水〉
帰宅途中に隆正に「小学一年生算数」の本を買って帰る。隆正に勉強を教える。ほんの20分ぐらいだが、隆正が勉強だと思っていないところが気楽で楽しい。
1月12日 (木)
旅男、テレビのダイナマンになりきって家中を走り回る。人間ロケットはレーダーを持たないのか、最後に自ら机の脚にぶつかって自爆。ワンワン泣き出す。
1月13日〈金〉
麻季、CGS(スーパーの連合)主催の地区の絵画展で佳作になる。
1月14日(土)
帰宅、車で家に近づくと、闇の中に赤い点滅灯が光っている。自分の家の前に消防車が2台停車しているのだ。心臓が割れ鐘を打つ。まるで映画の世界のようだ。お芳と子供たちが表に立っているのを見て一安心。しかし、子供たちも緊張した表情である。隣のおうちのボイラーが故障して煙が出たため消防車の出動を要請したとのこと。
1月21日(土)
午後8時に帰宅すると、隆正と麻季が仲良く留守番をしている。お芳は旅男を連れて町内の寄り合いに出かけて留守。ご褒美に隆正と麻季に職場でいただいたカステラ上げる。子供たちに「ハメルーンの笛吹き男」の話をしてやる。隆正、麻季、大いに笑う。旅男は意味もわからず付き合いで笑う。
1月24日(火)
夕食。隆正は視線をあらぬ方向にやりながら口の中をクチャクチャ言わせてご飯をいただく。麻季はブツブツ何かを呟きながらご飯をいただく。旅男がいやに今日は静かだと思ったら、天麩羅を口に加えたまま、ちゃぶ台にうつぶせになって眠っている。お芳が心配して起こすもほとんど目を覚まさず。
1月25日〈水〉
帰宅。麻季と旅男、テレビのマンガが終わったので、黙ってテレビを切ると二人して泣き出す。夢から現実に覚める一瞬。
2月1日〈水〉
隆正や麻季と一緒に日記書く。
2月2日(木)
帰宅。旅男、テレビで「ウルトラマン」を見ている。少しは話の内容がわかるようになってきたみたいである。隆正、麻季と一緒に日記書く。二人とも既に日記の内容は内緒だと言って見せてくれない。
2月5日〈日〉
隆正と麻季を連れて伊勢崎文化会館へ、子供たちのための映画を見に行く。「アラレちゃん」「母を訪ねて三千里」「赤い風船」「リボンの騎士」。麻季、映画は初めてなので真剣かつ緊張した表情をしていた。隆正は話がしたそうに映写技師と映写機の近くに寄ってウロウロしていたと麻季が報告してくれる。
2月16日〈木〉
昼前、隆正、麻季、お芳と一緒にドイトへ。窓の外にあるガスボンベの囲い買う。帰宅すると、寝ていた旅男が歩いてきて勝手に玄関口に落ちてそれから眠ったのか靴の間で泥んこになっている。
2月17日〈金〉
雪降り積む。隆正、麻季、旅男、きちんと並んで庭先の窓にヤモリのようにへばりついて雪を眺めている。旅男、意味不明なことを叫ぶ。
2月20日〈月〉
隆正、幼稚園から帰ってくる。算数と漢字教える。算数は二年生の足し算、引き算を教えていると突然出来るようになる。何が彼をして理解させたのか自分にもわからず。
2月25日(土)
隆正、麻季、旅男、仲良くコタツの中で眠っている。眼を覚ましてから、珍しく隆正と麻季が喧嘩。隆正のパンチが麻季の頬に当たり麻季泣き出す。旅男、兄貴と姉貴の喧嘩に真中でおろおろしているだけ。
3月1日(木)
帰宅。子供たちとお芳の誕生日を祝う。手作りのケーキいただく。
3月3日(土)
帰宅。赤飯。雛祭り。四国のおじいちゃんが買ってくれたガラスケースに入ったお雛様飾る。ケースの裏のオルゴールから「明かりをつけましょう、ぼんぼりに、お花をあげましょう桃の花」のメロディー流れてくる。麻季、ガラスのケースを雑巾でうっとりと磨く。
3月7日(水)
夜、四国の母より電話。麻季がおばあちゃんに元気にやっていますという葉書を出したお礼と隆正が小学校に上がるお祝い、金3万円を送ってくれる。
3月18日〈日〉
朝食後、隆正に漢字教える。漢字の「読み」を覚えさえすれば小学校の勉強の半分は終わったみたいなものだ。
4月8日〈日〉
隆正の小学校入学を記念して家族全員で写真スタジオへ車で出かける。旅男、記念撮影にいたずらをしようと思ったのかシャッターチャンスに何度も舌を出し写真屋さんに叱られる。
4月9日〈月〉
隆正の小学校の入学式。隆正、ランドセルを背負ってお芳と一緒に坂東小学校にでかける。後姿を見送りながらなぜか「二十四の瞳」という映画を思い出す。今日は隆正の誕生日でもある。隆正7歳。
5月3日(木)
憲法記念日。午前中、子供を連れて坂東小学校に行く。体育館で中学生女子のバレーボール練習試合を二回の観覧席から見る。選手たちの奇声と監督の罵声に麻季と旅男「父さん、怖いよ」と言って怯え、蒼ざめる。
5月8日〈火〉
旅男風邪。隆正、夕食も取らずにプラモデル作りに熱中している。旅男、夜に何度も目覚めて泣く。風邪を引いて悪い夢でも見ているのか。
5月9日〈水〉
帰宅途中、いいだ屋へ。隆正が注文した雑誌「ホビーボーイ」を受け取りに行く。帰宅。隆正と旅男「ホビーボーイ」を奪い合う。
5月20日〈日〉
10時より子供たちを連れて坂東小学校へ。バスケットボールをすると、麻季、旅男はどんなにボールを力をいれて投げてもバスケットには届かない。
6月4日〈月〉
10時過ぎ、旅男を連れてお芳と病院へ。旅男、カッターナイフで指を傷つけたが一応完治。子供に「小学一年生」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」買ってやる。旅男、「テレビマガジン」を少し見てすぐに隆正の「小学一年生」を一緒に読もうとし、「あっちへ行けよ」と、隆正に邪険にされると、今度は麻季と「たのしい幼稚園」を一緒に読もうとするが、「旅男、邪魔だよ」と麻季に相手にされず、再び「テレビマガジン」に戻る。
6月10日〈日〉
雨が続き終日鬱陶しい一日。子供たちも調子がおかしい。この1週間は子供たちが病気になって病院通いが続いた。隆正は「喉が痛い」と言う。課微熱があるようだ。麻季は「耳が痒い」と言う。風邪の上に耳に膿みが溜まっている。旅男は「麻季ちゃん、『楽しい幼稚園』見せて」と姉に頼みごと。それでも風邪のため声がしわがれている。
6月11日
坂東幼稚園で、旅男、平気な顔をしてブランコに乗っている。旅男、現在2歳だが、隆正は4歳までブランコに乗れなかった。
6月17日〈日〉
麻季とさくら幼稚園へ自転車で行く。麻季、幼稚園ではおとなしい。「父の日」に感謝するそうだが、自分は二日酔いでありがた迷惑。酔眼で廻りを見渡すと一人一人の父親の視線が我が子に注がれているのが面白い。
7月12日(木)
帰宅。子供たちとお芳を車に乗せて「群馬の森」へ。道路の反対側の店で焼き饅頭をいただく。子供たちの口の周りがタレだらけで茶色くなる。何本もお代わりをする。
7月22日(日)
朝、いつものように突然の思いつきで、どたばた準備をして、家族全員で埼玉県の「森林公園」へ。車で一時間。隆正、カブト虫や蝉を捕ることに熱中する。子供三人連れて歩くとぐったり。空は曇り空だったがドンドン晴れ上がる。体が汗ばんでくる。隆正、岩登り、ロープ渡りなどがあるチビッ子冒険コースを喜んでやる。麻季は怖いからと言って最初から参加せず。
7月25日(水)
隆正に庭で剣道教える。首を前に曲げて竹刀を振るのは自分の昔の癖に恐ろしいほど似ている。それでも少しは素振りがうまくなったように見える。
7月28日(土)
「ドイト」に寄り子供のための机を作る材木のキットを買う。自分ひとりでキットを組み立てるもどこかがおかしい。隆正が椅子に座り、新しい机に向うと、隆正が机の上で勉強が出来ない状態になる。机の脚が長すぎたのである。自分にはちょうどいいのだがどじなことをしてしまった。
7月29日〈日〉
子供たちを連れて再び「ドイト」に行く。今度は慎重に寸法を見て買い家で組み立てる。隆正の机が出来上がる。隆正嬉しそうに机に座りコミックを読み出す。旅男がすぐに隆正にじゃれつく。
8月6日(月)
朝、子供たちを市民プールに連れて行く。隆正に水泳教える。水への恐怖からか体に力が入りすぎて、筋肉が硬直する。体に力ばかり入れて、うまく呼吸が出来ないので、もうひとつ泳ぎが進歩しない。ゴチャゴチャ指導しているうちに隆正より自分が炎天下のせいか気持ち悪くなる。麻季と旅男は幼児用プールで水遊び。
8月7日(火)
隆正、算数小学3年生のドリルする。割り算も出来るようになる。
8月12日(日)
四国の母より電話。町田に8日より帰省している子供たちから夏休みの絵葉書届いたとのこと。母、実に嬉しそうな声である。
8月13日(月)
朝10時にお芳より電話。本庄駅に家族を車で迎えに行く。自分も今日は外食しなくて済む思うとうれしくなる。本庄駅で「父さん、只今帰りました」と隆正が子供たちの代表として自分に挨拶。
8月18日(土)
朝、子供たちを車でプールへ連れて行く。三人ともプールで泳ぐのが気に入る。隆正と麻季はプールの滑り台を果てしなく昇り降りする。隆正、呼吸の仕方がもう一つつかめず3メートル以上泳げない。
8月20日〈月〉
10時30分、幼稚園に行った麻季を迎えに旅男とスクールバスの到着ポイントへ行きバスが来るのを待つ。さくら幼稚園のバスなかなか来ず。旅男と暑い日ざしの中ぼんやりと待つ。陰のない陽射しの強い街路でいると頭がぼんやりとしてくる。昔、小学生の頃、友だちと国鉄の線路の上に寝そべりレールに耳を押し付けて遠くから蒸気機関車が走ってくるのを早く発見しようとする遊びをよくした。微かに震動音が聞こえてきた時に陶然とした気持ちになったことを思い出す。あれは西部劇映画でインディアンがやっていたことを真似た遊びだったのか。
8月26日(日)
今日は麻季の5歳の誕生日。ケーキでお祝いする。5本の蝋燭を麻季が一息で吹き消す。自分、お芳、隆正が拍手をして「お誕生日おめでとう」と言うと、旅男が一呼吸遅れて「お姉ちゃん、お誕生日おめでとう」と言いながら拍手をする。旅男の頭の中でもしっかりと誕生日とケーキがリンクされたようである。
9月1日〈土〉
午前中、麻季をさくら幼稚園まで送っていく。午後、家族でヤマダ電機へ。ビデオとテレビ買う。2年のローン組む。今度は間違わずにVHSを買う。帰宅してテレビとビデオを取り付けてテレビ番組を10分ぐらい録画して再生する。その録画を見てお芳も隆正もビックリ。隆正、「何、この映りは。このビデオ変なんじゃない」とまで言う。VHSの映り、ベーターに比べて圧倒的に悪し。
9月2日〈日〉
お芳と子供たち、豊受小学校の町内運動会へ。隆正、剣道の演技を観衆の前で見せるので張り切っている。子供たちを迎えに行く。午後、旅男を連れて、レンタルビデオ屋に行き、旅男が借りたいと言う「ゴジラの息子」借りる。夜、子供たちと「ゴジラの息子」鑑賞。ゴジラはたった一人の息子ミニラとゾルゲル島に住んでいる。このミニラの表情が秀逸。ゴジラが宿敵のカマギラスと対決している時などの緊張した表情、勝利を収めたときの嬉しそうな表情がすべて生き生きしている。子供たち、大いに笑う。それにミニラが父親のゴジラと会話するとき「クワックワッ」としか言わないのだがこれがまた旅男たちにバカ受け。見終わって、麻季が訊く「ミニラの母さん、どうしたのかなあ」。隆正が答える。「死んだか離婚したんじゃない」麻季が言う。「お母さんがいないからミニラはさびしいよね」
9月11日(火)
夕方、ビデオ「ラドン」借りてくる。子供たち、特に隆正は熱心に見る。昔,この映画を田舎の映画館で見た時、ラドンよりも炭鉱の底の地下深くに棲息している怪獣の幼虫が不気味だったことを思い出す。
9月15日(土)
敬老の日。終日雨。朝、何の脈絡もなくお芳の発案で駒形の分譲住宅を見学に行く。営業マンの人が丁寧に説明してくれるので申し訳ない気がする。子供たちにシャボン玉セットいただく。帰宅、さっそく、子供3人でシャボン玉遊びを始める。家中、みるみるシャボン玉の嵐となる。
9月17日〈月〉
隆正も麻季も寝転んで本を読む癖がついてしまっている。旅男はまだトイレに自分で行けない。隆正は昨日までの風邪が治ったようで今日は元気だ。
レンタルビデオで角川映画「幻魔大戦」借りる。隆正一人で見る。
9月30日〈日〉
快晴。隆正の坂東小学校の大運動会。お芳、麻季、旅男、お弁当を持ってでかける。「あなたは行かないの?」とお芳に誘われる。「父さん、一緒に行こうよ」と麻季にも誘われるが、「父さんは疲れているから」と家で朝寝と昼寝。
10月1日〈月〉
夕食の後、突然、麻季が「父さん、指輪を買ってくれない」と言い出す。幼稚園児の頼みとしては青天の霹靂。お芳と自分が驚いてその理由を聞くと幼稚園の友だちが指輪を持っているからと説明する。自分が「指輪というものはねえ、結婚する相手の男の人からプレゼントされるもので、親が買ったり自分で買ったりするものではないよ」といい加減なことを言う。麻季、自分の話を聞きながら「じゃあ、あの子はもう結婚する相手がいるのかしら」と言う。
10月7日〈日〉
麻季の運動会。家族、坂東小学校へ行く。一人で留守番。子供たち、3時前に帰ってくる。麻季、かけっこで3位になったとのこと。
10月23日(火)
朝、旅男の雑誌「テレビくん」のプレゼント葉書を代筆してやって二人でポストへ投函に行く。お芳と旅男をさくら幼稚園へ連れて行く。旅男の来年の入園手続。旅男はまだ幼すぎるところがある。
10月28日〈日〉
子供たちを連れていせ屋へ。旅男が「テレビ君」のプレゼント葉書出すのを手伝ってやって以来ひどくなつく。
11月6日〈火〉
午前6時に車で家を出て、麻季のために矢島病院診察の予約を取りに行く。11時にお芳、麻季、旅男を車で矢島病院へ送る。旅男を華蔵寺公園へ連れて行き20分ほど遊ぶ。
11月11日〈日〉
午後、学校と幼稚園から帰ってきた子供たちを連れて「群馬の森」へ。県立美術館で県展を見る。美術館に入っていった旅男が美術館の正面にある置物を見て、急いで戻って来て、大発見をしたかのように自分とお芳に叫ぶ。「父さん、母さん、大魔神がいるよ。ほんとうだよ。大魔神だよ」自分とお芳が驚いた表情をしないことに旅男はどうして驚かないんだという表情をする。「旅男、それは大魔神じゃないよ。埴輪だよ」「埴輪?父さん、埴輪って何?」と訊きながら、旅男の夢は急速にしぼみ、落胆の色がありあり。旅男に埴輪の説明をしてやる。
11月15日(木)
帰宅。子供たちとのカルタ大会。旅男が一番好きな「いろはカルタ」は「総領の甚六」意味もよくわからないはずなのにこれは隆正に対する潜在的対抗意識なのか。俳句カルタは「とんぼとり今日はどこまでいったやら」。
11月24日(土)
帰宅。酒を飲んで隆正と将棋を一局。最近、夜になると隆正と将棋をしている。隆正もよほど興味がある様子。旅男はつまらなさそうに将棋盤の廻りをウロウロする。四国の母に電話。旅男の誕生日のお祝いに1万円送ってもらったお礼。
11月26日(日)
午前中。子供たちに命令して自宅の駐車場で車の洗車するように命令する。途端に3人ともやる気のない表情になる。それでも隆正と麻季は車のボディーを雑巾で拭き始めるが、旅男はウロウロしているだけ。「旅男も一生懸命やらないと駄目だろう」と叱ると哀しそうな表情をする。
12月6日(木)
隆正、最近、異常に将棋に興味を持っている。移動図書館で、将棋の本を借りてきて、一人で研究している。今夜も一緒に週刊文春の米長棋聖の棋譜を打つ。覚え方は速い。もともとゲーム的なものが好きなのか。二度目の小学生の算数ドリルも何とか終わりそうである。隆正に「5年生の算数」を買ってくる。
12月12日(水)
帰宅途中のレンタルビデオ屋で遂にビデオ「ゴジラ」を発見。夜、子供たちと「ゴジラ」鑑賞。子供たち、一致して、黒いアイパッチをした隻眼の芹沢博士がかっこいいと言う。自分も20数年ぶりに芹沢博士に再会。芹沢博士役の平田昭彦が若々しい。ゴジラは、最後はその芹沢博士の開発した「オキシデント・デストロイヤー」にやられてしまう。この映画の頃、「雨の降っている時に傘をささないで歩くと、『ストロンチウム90』に当たって死んでしまうかもわからないから注意しましょうね」と小学校の先生に言われたことを思い出す。注意している先生も本気なら、聞いている子供も本気。あの頃は、原爆や放射能の恐怖というものは確実に存在していた。その線上にこの「ゴジラ」という映画の迫力があるということを子供たちに話す。
12月17日(月)
出張で東京へ。浅草で羽子板市。子供たちへ正月に揚げる凧を2千5百円で買う。
12月20日(木)
仕事で遅くなり帰宅10時。子供たち皆起きて待ってくれている。お芳の手作りのケーキいただく。自分の37歳の誕生日。
12月23日〈日〉
ガソリンスタンドで洗車。スタンドの年末のサービス籤でクリスマスケーキ当たる。隆正は友だちと今日午前中クリスマスパーティー。お芳は午後からジャズダンスの仲間とクリスマスパーティー。隆正、麻季、旅男と一緒に連れて行く。
12月24日〈月〉
夜、買ってきたもみの木にクリスマスの飾り付けを子供たちとする。色とりどりの豆電球がきれいである。ケーキをいただく前に家族全員でお祈り。
12月29日〈土〉
帰宅途中、中村屋で旺文社の「テープ付き小倉百人一首」を9800円で買う。高い買い物なり。夕食後、さっそく、家族で練習。日本語が美しい。
12月31日(月)
外出して帰宅すると子供たち「ドラえもん」見ている。大晦日の夜に子供たちと小倉百人一首の練習。テープで聞くと便利である。百人一首で今年も暮れる。
1985年(昭和60年)
1月1日(火)
起床8時。家族で新年のご挨拶。隆正、麻季、旅男、正座して自分とお芳に「父さん、母さん、明けましておめでとうございます」とかわいい声で言う。子供たちにお年玉あげる。四国と町田のおじいちゃん、おばあちゃんに新年の挨拶の電話。子供たちも電話に出る。
1月2日〈水〉
子供たちと凧揚げに行く。風強く凧よく揚がる。麻季と旅男の買った凧すぐに壊れる。4時ごろ、家族5人で久し振りに食事へ。「山楽ホテル」で中華いただく。
1月4日〈金〉
帰宅。隆正と昨日ビデオに撮っておいた「野良犬」見る。三船敏郎が若い。隆正、見終わって感想を聞くと「野良犬が一匹も出てこなかった」と文句を言う。
1月25日〈金〉
昼、職場にお芳よりTEL。隆正と旅男、それぞれ気管支炎、肺炎のため、伊勢崎市民病院に入院したとのこと。帰宅して町田から駆けつけてくれたおばあちゃんと麻季を連れて病院へ。隆正、眠りつづけている。旅男、熱があるのに元気そうである。.
1月30日〈水〉
帰宅前、病院へ寄る。隆正も旅男も眠っている。隆正は眠りっぱなしとのこと。
2月1日〈金〉
帰宅途中本屋で「テレビマガジン」「幼稚園」「小学一年生」買う。病院へ。隆正起きている。お芳は風邪気味。
2月2日(土)
ケーキを買って帰宅。麻季、隆正と旅男退院して帰ってきたので嬉しそう。家族でケーキいただく。隆正と将棋二局する。子供たちが家に戻って来ると家が明るく勝つ狭くなる。
2月11日〈月〉
建国記念日。隆正、小学校で今日は日本という国が出来た日だと教わったとのこと。テレビを見ていると今日は将棋の日とのこと。隆正とNHKテレビで将棋の日の特集番組見る。
2月16日〈土〉
代休。午前中、麻季、耳の手術のため伊勢崎市民病院へ入院。お芳、麻季、旅男を車で送る。入院室が内科で中年以上の患者ばかりでお芳と当惑する。午後、小学校から帰ってきた隆正と連れて病院へ。お芳と旅男は病院に泊り込み。
2月17日〈日〉
隆正と食事。将棋二局。NHKテレビの「将棋講座」、隆正と一緒に見る。午後市民病院へ。麻季も旅男も退屈しきっている。隆正といせ屋へ。将棋の本、買ってやる。
2月19日(火)
6時50分に目覚し時計で目が覚める。雨。隆正のマラソン大会中止。出勤。雨が霙になりそれから雪になる。5時過ぎ、雪の中伊勢崎市民病院へ。到着に2時間半近くかかってしまう。麻季、手術は無事に終了したが、まだ、麻酔から醒めない。
2月22日〈金〉
麻季、元気になって退院。
3月1日(金)
お芳の誕生日。ケーキを買って帰り、皆でいただく。
3月3日(日)
今日は雛祭り。朝食後、隆正に漢字教える。麻季にも漢字教える。麻季,小学2年生の漢字すらすら読む。旅男には「あいうえお」を教える。なかなか覚えてくれない。それでも旅男,自分にも隆正や麻季と同じように漢字教えろと叫ぶ。
3月10日(日)
隆正に郵便物をポストに投函しに行かせる。途中に大きい犬がいたと言って蒼ざめた表情で逃げ帰ってくる。隆正が4歳の頃、近所で大きな猫で出会い、真っ青になって「虎がいた、虎がいた」と飛んで帰ってきてお芳と大笑いした事件を思い出す。隆正、大の犬嫌い。
3月21日(木)
春分の日。午後、家族といせ屋へ。近くの古道具屋で碁盤と碁石買う。自分は碁が出来ないので、子供用の碁入門の本を買って、隆正に独習させるようにする。
3月24日〈日〉
昼間、家族一緒に伊勢崎市内の本屋へ行く。隆正と麻季に「どらえもん」旅男に「怪獣ガイド」買ってやる。
4月9日(土)
帰宅途中、ケーキ屋探す。隆正の誕生日。隆正に将棋の通信講座届いている。子供たちとケーキいただく。誕生日のたびにケーキを食べることが出来る子供は幸せだ。
4月14日(日)
快晴。隆正には剣道着を着せ、麻季、旅男には幼稚園の制服を着せ、庭で写真撮る。旅男と散歩。近くの消防署で消防自動車を見て公園で少年野球見る。
4月22日〈月〉
隆正と将棋三局。全勝。麻季、幼稚園の鉄棒から落ち込んで、頭に軽い怪我。たいしたことはないみたいだ。
4月28日〈日〉
9時過ぎ、子供たちが「どらえもん」を見るために車で映画館へ連れて行く。映画館へ迎えに行くと、旅男、麻季が持っている「どらえもん」のパンフレットを奪い取ろうとして泣き喚く。
5月9日(木)
麻季、先日の幼稚園の小運動会で「かけっこ」一等になったとのこと。
5月10日〈金〉
夜、晩酌をしながら子供たちに「ふみわけてもふみわけても青い山」という種田山頭火の句を教える。隆正、麻季、旅男に10回ずつ言わせる。ここに人生の本当の姿があるんだと寝言のようなことを演説してお前たちも一句作ってみろと言って出来上がったのが次の句。
隆正 「ふみわけてもふみわけてもお金の山」
麻季 「ふみわけてもふみわけても指輪の山」
旅男 「ふみわけてもふみわけてもマンガの山」
5月12日〈日〉
「母の日」でささやかなパーティー。麻季、近所の道端からとってきたお花のプレゼントをお芳にあげる。
5月19日(日)
豊受小学校へ、家族送って行く。隆正の通う剣道同好会の試合。隆正、面を二本取られて負けたとのこと。
5月20日〈月〉
結婚記念日。ケーキを買って帰り家族でいただく。子供たちケーキを食べられるので実に喜ぶ。結婚記念日をお芳は忘れていたと言う。子供たちと唄を歌う。隆正が好きな唄は「十五夜お月様見てたでしょう。桜吹雪の花かげに花嫁姿のお姉さま車に揺られていきました・・・・・」という歌詞の「花かげ」。麻季が好きな唄は「お雛さま」。旅男が好きな歌はロシア民謡の「カチューシャ」。
6月7日〈金〉
帰宅途中書店で「NHK将棋講座」「小学一年生」「テレビマガジン」買う。
子供たちを本好きにするのが自分の夢。
6月16日(日)
父の日。9時に旅男と自転車でさくら幼稚園へ。父兄参観の日。運動場で簡単なゲーム。旅男、幼稚園ではあまり喋らずおとなしい。帰宅。父の日の記念にみんなで庭で写真撮る。
6月17日(月)
朝、起きて、朝食を取りながら、「吉本家は毎日が父の日だぞ」と叫ぶも誰も相手にしてくれず。
6月26日〈水〉
帰宅。隆正、脚を怪我する。病院でギブスを入れる。夜、痛くて眠れないと言う。
7月6日〈土〉
隆正はまだ脚の怪我が治らず。脚のギブス入れたまま。旅男、蕁麻疹が出来ているとのこと。夜中に痒くて泣く。
7月14日〈日〉
隆正、NHK将棋講座の問題の正解者の一人として名前がテレビに出る。
出題者の田中寅彦棋士の署名入り扇子がもらえるのである。
7月20日〈土〉
終業式。隆正の通知表、国語、社会悪し。5時ごろ突然降り出した雨の為町内の盆踊り大会中止。隆正たちガッカリしている。
7月24日〈水〉
夜、子供たちと庭で花火。自分はビールを飲みながら花火を見る。
7月25日(木)
隆正を連れて山崎外科へ。脚の打撲傷治ったとのこと。お昼、子供たちとソーメンいただく。旅男とポストへ暑中見舞いの葉書出しに行く。
7月27日〈土〉
快晴。家族で長瀞へドライブ。1時間40分近く掛かる。まず県立自然博物館見学。旅男恐竜を見るのが気に入って、時間がかかる。河原で昼食。写真撮る。ロープウエーでお猿の国へ行く。歩き疲れる。帰宅5時。さすがに子供たち早く眠る。
8月4日〈日〉
夜、旅男、部屋に来て、一緒に寝ながら「カチューシャ」を歌ってやると、本当に眠ってしまう。
8月15日(木)
終戦記念日。午後3時、家族、夏休みに帰省していた町田から帰宅。隆正と麻季は背が高くなり都会の少年、少女風になっている感じがする。旅男は疲れからか家に着くやいなあ4時間近く眠る。隆正を剣道の練習のため小学校まで送っていく。
8月25日〈日〉
明日は麻季の誕生日。自分の職場の旅行の都合で一日早く家族でケーキいただく。
8月29日
夜、三泊四日の旅行から帰宅。子供たちにお土産渡す。隆正には伊勢神宮の鉛筆と鉛筆削り器。麻季には「乙女の祈り」のオルゴール。旅男にはミニチュアのロボット。そしてお芳には真珠の首飾り。
9月15日(日)
旅男が麻季を「おねしょ」「おねしょ」と言うので、叱って殴る。旅男、生まれて初めて父親に殴られたので激しく泣く。
9月23日〈月〉
旅男、やっと自分の幼稚園のクラスが青二組だということがわかるようになる。子供たちに「テレビマガジン」「小学1年生」赤塚不二夫「ニャロメの原子力教室」買う。「ニャロメの原子力教室」は隆正のために買う。
10月8日〈火〉
1週間前から隆正にせがまれ、「いせ屋」で任天堂のファミコン買おうとするも品切れ。「セイユー」で手に入れる1万4千円也。ソフト「ゼビウス」も買ったがこれも4千9百円。高い買い物なり。夜、隆正とファミコンをする。全然得点が違う。どうしようもないほどこちらの神経が老化しているのか。横で旅男が自分にもやらせろと盛んにデモンストレーション。
10月11日(金)
夕食の時、旅男がおならをしたので「駄目だよ。食事中におならするなんて、紳士のすることじゃないよ」と叱ると、「幼稚園の先生がおならはしたい時にしないと死んじゃうと教えてくれたよ」と反論する。「そうか道理で父さんも死にそうになっていたよ」と言って自分もおならする。「どうだ、旅男、人のおならの音を聞くの嫌だろう」と自分が言うと、旅男「お父さんのは音が大きいからね」と再び反論。お芳、隆正、麻季は呆れた顔をしている。「父さんも旅男もご飯食べている時におならをするなんてやめてよ」麻季が抗議すると隆正がボソッと呟く。「麻季ちゃんは乙女の恥じらい」。
10月20日〈日〉
隆正、麻季、旅男に庭の草抜きさせる。夜、布団の中で子供たちとおしゃべり。子供たちを早く寝かしつけて自分がファミコンを独占。何という父親。しかし、ゼビウス、全く前進せず。すぐに撃墜につぐ撃墜。親指が痙攣する。
10月27日〈日〉
隆正、地区のマラソン大会へ。麻季、旅男連れて古本屋へ。「パーマン」の古本11冊買う。帰宅ファミコンをする。隆正、マラソン大会44位。父親譲りの鈍足。
11月3日〈日〉
文化の日。仕事から帰宅すると子供たち真剣にチャップリン「モダンタイムズ」のビデオを見ている。
11月4日〈月〉
振替休日。お芳、麻季、旅男を連れて自動車教習所へ。隆正と車で街に出て「スーパーマリオブラザーズ」を49百円で買う。古道具屋で座椅子と本立て二個計4千5百円で買う。帰宅。隆正とファミコンする。
11月5日(火)
子供たち、一日中、ファミコンばかりして遊んでいる。少しは労働の貴さを教える必要があるのではないかと思う。
11月9日〈土〉
隆正と「佐加田」へ行き酒を飲む。隆正、必死で焼き鳥を食べる。
11月13日〈水〉
帰宅。隆正、小学校のアスレチックから落ちたとのこと。怪我一つせず大丈夫で何より。
11月24日〈日〉
夜、旅男に絵本を読んであげる。麻季にも読んであげようとすると麻季嫌がる。もう赤ちゃんじゃないということか。仕方なく隆正と岩波文庫の目録を読みながら、世の中には様々な本があるんだということを演説。
11月26日(火)
昼休み、ベルタウンへ行きケーキ買う。今日は旅男の誕生日。旅男も4歳になる。ファミコンソフトの将棋も買う。夜、蝋燭を4本立てて家族で旅男の誕生お祝い。
12月6日〈金〉
子供たちに「小学三年生」「小学一年生」「テレビマガジン」買って帰る。子供たち喜ぶ。お芳、自動車の仮免許試験に合格。
12月8日〈日〉
子供たち、プラネタリウムを見に行く。隆正、しもやけ治らず。風呂の中で足を洗面器につけて冷やしているのも奇妙な図なり。
12月15日〈日〉
隆正に新聞に出ていた日能研の数学の問題解かせる。4年生の問題はすべて解き5年生の問題は半分解く。夜、子供たちと歌を歌って遊ぶ。
12月20日〈金〉
自分の誕生日。38歳。ケーキを家族でいただく。子供たちは本当にケーキが好きだ。お芳の自動車教習所の最終試験に合格した祝いも兼ねる。
12月24日(火)
クリスマス・イブ。帰宅してお芳の手作りのケーキいただく。隆正も小学2年生、終業式で持ち帰った通知表見るも算数は出来るけれども音楽、体育悪し。ファミコンに興味を持ち過ぎ。麻季は習い事をしたいと言っている。旅男はまだ赤ちゃんのままである。
12月25日〈水〉
子供たちをスカイラークに連れて行く。3人ともお子様ランチいただく。隆正、自分の分を食べた後も旅男の残りを食べる。食欲旺盛。
12月28日〈土〉
お芳が免許を取って初めて家族で車に乗せてもらうも、助手席で見ていてあまりにひどい運転なので恐怖を覚える。子供たちは平気。
12月31日(火)
子供たちと近くのお店で凧を買う。隆正、麻季、旅男はともに元気に一年を過ごしたが、麻季は耳が悪いことが心配なり。旅男は末っ子のせいで甘えているところがあり過ぎる。
1986年(昭和61年)
1月1日〈水〉
起床8時。子供たちと新年のご挨拶。お年玉渡す。四国と町田の実家に電話。子供たちにもおじいちゃん、おばあちゃんに挨拶させる。
1月2日(木)
朝、隆正、剣道の寒稽古に行く。昼間、子供たちと体操。坂東幼稚園で凧揚げ。隆正の凧と旅男の凧が強風で高く揚がるも糸がちぎれて遠くに飛んでいってしまう。家族全員で探すも凧は発見できず。
1月4日(土)
朝、お芳、麻季、旅男を病院へ送っていく。帰りに隆正と古本屋へ。隆正に「日本の偉人・北里柴三郎」「世界の偉人・エジソン」「世界の偉人・キリスト」「小学四年理科」買ってやる。
1月11日〈土〉
夜。隆正、麻季、旅男と話しする。隆正、「日本の偉人・北里柴三郎」「世界の偉人・エジソン」「世界の偉人・キリスト」読み終わったとのこと。子供の読書力は凄い。
1月12日〈日〉
お芳の車の練習で、家族で群馬の森へ。何度もエンスト。恐ろしい。自分の恐怖が子供たちに伝染。パニック状態で群馬の森に到着。帰りは車の中で全員沈黙したまま、お芳のハンドルを握る手が硬直しているようでなおさら恐ろしい。無事、帰宅して車からおりた時には全員で溜息。
2月9日〈日〉
伊勢崎市民文化会館で旅男の幼稚園の発表会。一人で後から出かけると既に旅男の発表は終わっている。
2月15日(土)
朝、お芳が食道から出血。魚の骨が喉にひっかかったとのこと。子供たちも心配げである。お芳を病院まで連れて行って出勤。帰宅するとお芳、まだ気分が悪いと言うので子供たちと一緒に豊受診療所へ行く。
2月16日〈日〉
パンを買いに行き、朝食、皆でいただく。お芳、体調回復したようである。子供たちも明るくなる。母親の体調と精神状況は子供たちとへその緒で結びついている。
2月20日(木)
お芳の病院での検査結果が出たが、肝臓の鉄分が常人の十分の一、赤血球数が五分の一とのこと。ただ低血圧だとお芳から聞かされていただけなので驚く。ふと、何の脈絡もなく、昔、結婚の申し込みをするためお芳の親に会いに町田の実家に行った時のことを思い出す。1時間ほど話はしたが、二人の結婚に難色を示した両親にお暇のあいさつをして、帰りのバス停に向っている時、お芳が急にワッと泣き出したのだ。記憶が曖昧になっているのだが、どうして、お芳はあの時泣き出したのだろう。
3月1日(土)
お芳の誕生日。家族でケーキいただく。
3月5日(水)
仕事の関係で、FM群馬でDJをすることになり1回分を吹き込み、テープを家に持って帰り家族で聴くも隆正一人が笑っているのである。
3月21日(金)
春分の日。昼食、おはぎ。四国の祖父母から、麻季の小学校入学のお祝いに図書券を送ってくる。皆で本屋へ行き本を買う。
3月29日〈日〉
季節はずれの大雪。子供たち、庭で雪合戦して遊ぶ。
4月5日(土)
家族でいせ屋に行く。隆正にグラブとボール。麻季にリカチャン人形セット。旅男にジグゾーパズル買ってやる。
4月8日(火)
帰宅。麻季小学1年生になる。坂東小学校の入学式に出席したお芳から麻季は1年1組になったと聞かされる。旅男が、姉さんのランドセルをを奪って自分も小学校へ行くんだと言って一人で騒ぐ。
4月9日〈水〉
帰宅。隆正の誕生日。9歳になる。安ワインとお芳の手作りのケーキで、麻季の小学校入学祝も兼ねたお祝いパーティー。
4月20日〈日〉
昨夜来、雨降り続く。昼、珍しく、家族で中華料理を食べに行く。お勘定
5600円也。しかし、子供たちどこか不満な様子。店から出てきて、隆正、「ラーメン、食べたかったよなあ」と言う。どうも麻婆豆腐や春巻きの代わりに、単純にラーメンを食べたかったようである。
4月26日〈土〉
帰宅。麻季嘔吐。病院へ連れて行く。いつも麻季と喧嘩している旅男が「麻季ちゃん、大丈夫なの」と、どうした風の吹き回しか心配そうにお芳に訊く。
4月27日〈日〉
麻季、少し元気になる。隆正、剣道の試合に行く。二勝二敗(一勝は不戦勝)とか。午後、子供たちと群馬の森へ。子供たち勝手に遊ぶ。写真撮る。お芳と自分の着ている服が8年前と同じだとお芳に言われ驚く。お芳、増血剤を飲んでいるので、血色もよく体調もよくなってきたとのこと。
5月17日(土)
小学校の授業参観。お芳が行く。麻季、授業中、ぼんやりしていて、先生に国語の教科書を読むように当てられた時、、どこを読んだらいいかわからず、参観していたお芳がドギマギしたとの報告。
5月18日〈日〉
午後、家族で利根川へ小ピクニック。みんなでおにぎりいただく。自分は缶ビール。子供たちを水遊び、相撲をとる。旅男、隆正に相撲を負けるのがいやで何度もチャレンジする。
5月20日(火)
帰宅。お芳、高島屋で先日買った服を着てめかし込んでいるので不思議に思っていると、今日は結婚記念日とのこと。今度は自分がきれいさっぱり忘れていたのである。子供たちと小さなパーティー。
6月5日(木)
7時過ぎ帰宅。ピアノが届いている。60万円もする。麻季は本当に練習をするのか。いつまで続くのかさっぱりわからぬ。どこの家でも娘が少し大きくなるとピアノは粗大ゴミ化してしまうという話を思い出す。
6月5日〈金〉
麻季、ピアノの塾に通い始める。
6月11日〈水〉
帰宅。疲れ気味。隆正が毎日のように肩を揉んでくれる。旅男に肩を揉ませようとすると手のひらが小さすぎてうまく揉めないんで肩を叩くように言うと肩を殴りだす。
6月15日〈日〉
父の日。朝、パイロット工場の運動場でさくら幼稚園の父兄運動会。家族で出かける。父親が子供を肩に担いで徒歩競争。日頃、腹一杯飯を食べているせいか、旅男は重い。旅男の全体重が肩に食い込む。パイハーハーゼーゼー言いながら一応走りぬく。死んじゃうよ。
6月28日〈土〉
帰宅。子供たちとおしゃべり。旅男は末っ子のせいかまだまだ幼稚である。麻季ピアノの練習あまりせず。隆正は江戸川乱歩の「怪人二十面相」ばかり読んでいる。書店を巡り麻季に「小学一年生の算数」買う。
7月17日(木)
夜、お芳と旅男、剣道に行っている隆正を車で迎えに行くもなかなか帰らず。麻季が「お母さんたち帰りが遅いね」と心配そうに言う。「もしかすると、お母さんも隆正も旅男もこのまま帰らずに家出しているのかもしれないなあ」と冗談を言うと、麻季の眼にみるみる涙が溢れ激しく泣き出す。「冗談だよ。麻季ちゃん、冗談」と言っても相手にされず。そのうちにお芳、隆正、旅男、帰ってきてホッとする。キッチンで麻季がお芳の耳元で何か囁いている。自分にとっては最悪の日。
7月29日(火)
明日からお芳と子供たち、夏休みを利用して町田に帰省。
8月4日〈月〉
帰宅すると家族町田から帰っている。4日間逢わないでいると、隆正、麻季、旅男ともに背が高くなった気がする。家族全員で疲れた自分の肩を揉んでくれる。麻季と旅男の手のひらはまだ小さすぎる。
8月8日(金)
久し振りの休日。昼、麻季、旅男を連れて「セイユー」で買い物。隆正、利根川のキャンプに行ってしまう。
8月12日(火)
麻季の風邪のため家族、四国への帰省延期。旅男、いろいろなことを喋るようになる。
8月15日〈金〉
朝、6時過ぎ、家族を本庄駅まで車で送っていく。お芳と子供たち、今度は四国に帰省。ホームまで見送る。
8月19日(火)
家族、四国から帰ってきている。四国の帰省報告。隆正「おじいちゃんが連れて行ってくれた鮨屋のお鮨がおいしかった」。麻季「讃岐うどんがおいしかった」。旅男「タコの刺し身がおいしかった」。それぞれ食べ物の話ばかりである。
8月26日(火)
ハワイ研修旅行から帰宅。今日は麻季の誕生日。みんなでケーキいただく。ハワイ土産、お芳にはサンローランのスカーフ。隆正、麻季、旅男にはお揃いのアロハシャツ。さっそく子供たちにアロハシャツ着せてみる。アロハシャツのせいなのか昭和20年代の金持ちの子供のように見えてしまう。「あこがれのハワイ航路」から何十年経ったのか。
9月2日〈火〉
旅男、幼稚園で東武動物公園へバス旅行をする話ばかりしている。
9月7日〈日〉
古本屋で隆正のためにアドベンチャーブックを数冊買う。夜、旅男発熱。明日入院して扁桃腺切除の手術をするというのになんということか。
9月8日〈月〉
朝、隆正、麻季、小学校へ。9時過ぎ、お芳と旅男は病院へ。12時過ぎ、お芳、旅男帰宅。旅男、発熱していて、入院は延期となる。
9月28日(土)
午後、いせ屋で左利きのグラブ、4千円で買う。友達の家から帰ってきた隆正とキャッチボール。隆正も自分と同じ左利き。麻季と旅男は二人の周りを、ただうろうろしているだけ。
9月29日〈月〉
帰宅。お芳と旅男、すでに伊勢崎市民病院へ入院している。子供たち連れて市民病院へ。小児科にベッドがなく、産婦人科のベッドにいる。帰宅。食事。隆正も麻季も大きくなったのか母親がいなくとも落ち着いている。
10月2日(木)
帰宅。食事も摂らず、隆正、麻季を連れて、伊勢崎市民病院へ。旅男、手術も無事終了して、術後の経過もよく、元気そうである。日頃、甘えてばかりで仲の悪い麻季にいろいろ話しかけたりする。やはり兄弟一緒でないと寂しいのか。
10月5日〈日〉
隆正、麻季とスカイラークで食事。二人とも、お子様ランチをぺろりとたいらげる。伊勢崎市民病院へ。旅男、閑を持て余している。「いつ、家に帰れるの」と訊く。「先生がもう大丈夫だというまでだよ」と答える。「早く、ファミコンやりたいなあ」と旅男が言う。「大丈夫だよ、旅男、お前の分まで兄さんがやっておいてやるから」と隆正が答える。
10月8日〈水〉
帰宅。旅男、無事、退院。お芳が家の中きれいに掃除している。久し振りに家族全員揃って食事。旅男、やはり家でいたいようである。隆正も喜んでいる。麻季も喜んでいる。
10月12日〈日〉
今日は旅男の運動会。かけっこで3位。旅男1位になれなくてご機嫌が麗しくない。
10月19日〈日〉
朝、隆正、麻季、町内のマラソン大会へ。午後、隆正と公園でキャッチボール。隆正も自分に似て運動神経は鈍い。
11月2日〈日〉
子供たちの七五三の写真撮る。麻季、着物を着せると、どうしたことか、自分の着物姿を鏡で見て笑い出す。笑いが止まらなくなってしまい写真を撮るのに往生する。どうしておかしいのか自分にもお芳にもさっぱりわからず。
11月7日〈金〉
夜、布団の中で子供とクイズごっこをして遊ぶ。この時は子供たちの目が輝く。自分が尋ねる。「第1問。世界で一番高い山は?」「エベレスト」隆明が答える。「ピンポーン。はい、正解です」「では第2問。鉄人28号を作ったのは誰でしょう?」「敷島博士」麻季が答える。「ピンポーン。はい、正解です」「では第3問。世界で一番やさしい人は誰でしょう?」三人とも黙り込む。隆正すぐにニヤニヤし始める。旅男はきょとんとした顔。「お母さんです」麻季が言う。「ブー。残念でした。もう一人もっとやさしい人がいるだろう」とヒントを与える。突然、旅男「ハイ!ハイ!」と手を挙げる。「ぼく、知っているよ」「では旅男君、答えは」旅男、低い鼻をヒクヒクさせながら「世界で一番やさしい人は、それはお父さんです」「ピンポーン。当たりです」旅男、得意満面。
11月13日(木)
帰宅。子供たち元気である。特に旅男は昔よりよほどよくしゃべる。夜、布団の中で子供たちとクイズ遊び。「第1問、鉄腕アトムの妹の名前は」「ウランちゃん」麻季が答える。「ピンポーン。はい、正解です」「第2問、ゴジラの親子が住んでいるゾルゲル島は大西洋、太平洋、インド洋、地中海のどこだったでしょう」「太平洋です」隆正が答える。「ピンポーン。はい、正解です」旅男、悔しそうにする。では「第3問、世界で一番かっこいい男の人は誰でしょう」隆正、麻季はニヤニヤする。「お父さんでしょう」旅男がそっけなく答える。「ピンポーン。正解です」。この洗脳工作は一度しか使えない。旅男にさえ見破られている。
11月17日〈月〉
旅男、自分の誕生日を覚える。本人は一ヶ月前からずっと自分の誕生日のことばかり言って喜んでいる。
11月26日(水)
旅男の5歳の誕生日なり。お芳の手作りのケーキでパーティ。旅男、はしゃぎっぱなし。
12月5日〈金〉
帰宅途中、本屋に寄って「水木しげる選集」を4冊買う。帰宅、子供たち、水木しげるを奪い合う。
12月20日〈土〉
午後7時過ぎ帰宅。隆正が剣道の練習から帰ってきてからみんなでお芳の手作りのケーキいただく。今日は自分の39歳の誕生日。子供たち三人で「お父さん誕生日おめでとう」のプラカードを作ってくれているのに感激。
12月24日〈水〉
クリスマス・イブ。ケーキいただく。隆正と麻季の通知表見る。隆正図工悪し。麻季算数悪し。子供たち、遅くまでワインを飲んで騒ぐ。
12月31日〈水〉
年末の最後の仕事、午後8時に終了。帰宅。お芳、おせち料理の用意。麻季、旅男、寝るも、隆正、除夜の鐘を聞くまで起きている。
1987年(昭和62年)
1月1日(木)
9時起床。風邪気味。10時。子供たちと新年のご挨拶。お年玉をあげる。四国と町田の両親に電話。午後、恒例の凧揚げ。今年の元旦は風が強すぎて凧うまく揚がらず。
1月4日〈日〉
夕方、家族で高崎のステーションビルへ。本格的中華料理いただこうとしてあまりに金額が高そうなので全員ラーメンを代わりにいただく。
1月5日〈月〉
夜、眠れないので隆正が何か本を読んでくれというのでみすず書房「北一輝著作集」の中の1ページを読む。隆明、訳がわからず、すぐに眠りに落ちる。
1月11日〈日〉
午後、子供達を連れて群馬の森へ。美術館で、群馬小中学生の美術展を見る。学年別に其の実力の差歴然としている。民芸館も見る。古墳の映画上映中、家族で観るも自分は途中で眠ってしまう。
1月12日〈月〉
夕方より雪降り出す。東京は雪激しいとのこと。雪の夜は静かな夜なり。子供たちと布団の中でおしゃべり。
1月13日(火)
旅男、目が痛いと言うのでお芳が眼科に連れて行くと「眼が疲れている。ファミコンのやり過ぎだ」と先生に言われガックリ。ファミコンは吉本家では当面使用禁止となる。
2月1日〈日〉
朝、隆正とソビエト映画、アンドレ・タルコフスキー監督「ぼくの村は戦場だった」をレンタルビデオで見る。馬と林檎の場面がいい。隆正も何かを感じ取った様子。隆正と漢字の勉強。隆正に「アンネの日記」麻季に「小学1年生」旅男に「テレビマガジン」買う。
2月4日〈水〉
帰宅。隆正、中学1年の漢字の勉強。布団の中で麻季と旅男にお話をしてやる。シャーロック・ホームズの依頼人の話。
2月5日(木)
隆正「アンネの日記」の感想文、学校の作文コンクールに出すと言う。帰宅途中、書店に行き、隆正に中学生の漢字のドリル問題集買う。
2月8日(土)
午前5時、お芳と子供たち、町内会のスキーに出発。6時頃、子供たち帰ってくる。行きのバスの中で隆正、気分が悪くなって吐き、旅男はスキー中に緊張のあまりウンチしてしまったとのこと。麻季は本当にがんばったとお芳は言う。
2月11日〈水〉
建国記念日。1時前から隆正、麻季と一緒に漢字の勉強。一時間、二人ともよく漢字を覚えるようになる。正座して勉強するのは偉い。午後、隆正、麻季と伊勢崎市民文化会館へ。さくら幼稚園の発表会。旅男「12月の月の王」というミュージカル(!)に出演。舞台の下から写真撮る。
2月14日(土)
バレンタインデー。お芳と麻季よりチョコレートいただく。麻季よりチョコレートもらうのは初めて
2月21日(土)
9時より坂東小学校で麻季の授業参観。お芳と行く。麻季、教室で縄跳びする。うまいので驚く。それに麻季は歳の割には背が高いことに始めて気付く。
2月22日〈日〉
肌寒い一日。午後、隆正とリタード・アッテンボロウ監督の「ガンジー」観る。ガンジー、ネルーのそっくりさん大会の赴きあり。隆正、旅男を助手に「スーパーサンデー」という新聞を作る。一面のみの新聞。一面「世界の平和について」で終り。これが創刊号。居間の壁に張る。
2月28日〈土〉
お芳と坂東小学校へ授業参観。隆正、元気でよくしゃべる。途中から今度はさくら幼稚園へ。旅男の授業参観。旅男、仏頂面している。途中で帰宅。幼稚園から帰った旅男、「父さんと母さん、どうして途中で帰ったの。ぼくは真面目にやっていたのに」と、文句を言いながら怒っている。
3月1日〈日〉
冷え込みひどし。子供たちと坂東小学校へ行き、写真を撮る。雪が舞う。お芳の39歳の誕生日。子供たちと一緒に作ったケーキいただく。「おい、ところで、『サンデージャーナル』どうなっているんだ。2号はいつ出るんだ?」と訊くと隆正困った顔をする。「2号はでません」と隆正答える。「そうか、あれが創刊号で終刊号か。残念だなあ。父さんは愛読しようとしていたのに」と嫌味を言う。麻季は必ずテレビの「リボンの騎士」を観る。
3月11日〈水〉
大雪。帰宅。子供たち、コタツの中に猫のように潜り込みながらテレビの「ドラえもん春祭り」をゲラゲラ笑いながら観ている。
3月27日〈金〉
隆正と旅男、「ドラえもん」の真似をして狭い押入れの中で寝ている。どちらが「のび太」でどちらが「ドラえもん」かわからず。隆正が奥に寝て旅男が手前に寝ているので旅男は押入れから落ちそうになっている。旅男を下に降ろす。
4月6日〈月〉
午前11時過ぎ、家族で華蔵寺公園へ。子供たち遊園地で遊ぶ。隆正、麻季、ジェットコースター「エンタープライズ」に乗る。二人とも面白がって泣きもしないのが不思議。自分は高所恐怖症でスピード恐怖症なのに子供たちは別なのか。お芳のおにぎりいただき帰宅。
4月9日(木)
帰宅。隆正10歳の誕生日。お芳の手作りのケーキいただく。夜半、旅男吐く。ケーキの食べ過ぎか、自家中毒か。すぐに眠る。
4月10日〈金〉
隆正、小学4年生。麻季小学2年生。旅男さくら幼稚園を卒業して坂東幼稚園の生徒となる。
4月13日〈月〉
研修日。お芳、編物教室へ。旅男幼稚園から帰ってくる。隆正、麻季、小学校から帰ってくる。麻季、ピアノの練習をしないので叱ると泣き出す。6時過ぎ、中野卓球場と言うところへ行き、家族で卓球1時間。全員へたくそで汗が出ない。麻季、旅男は卓球台のまわりでただ遊んでいるだけ。
4月29日〈水〉
天皇誕生日。午前10時、家族で群馬の森へ。駐車場が満車で30分近くうろうろする。11時。群馬交響楽団の演奏会始まる。2千人ぐらいの聴衆。隆正、麻季、旅男、ほとんど音楽を聞かず。おにぎりを食べるのにいそがしい。
5月4日〈月〉
連休2日目。12時前、子供たちを連れて利根川へ。おにぎりいただく。缶ビール1本飲む。晴れているけれども川風は冷たい。
5月9日〈土〉
旅男と久し振りに風呂に入り体を洗ってやる。隆正、風邪治らず、昨日、今日と学校を休む。麻季、小運動会のリレーの成績がよくなかったとのこと。旅男だけが元気。クイズ大会をやろう、クイズ大会をやろうと言う。
5月11日〈月〉
勤め先の予備校の生徒たちとディズニーランドに行く。帰宅。子供たちにお土産渡す。隆正にはマジック・トランプ。麻季には、櫛と鏡。旅男には西部劇のリボルバー銃。
5月12日〈火〉
帰宅。旅男がディズニーランド土産のリボルバー銃を持って家中を走り回っている。隆正、風邪がやっと治ってきたようである。
5月16日〈土〉
子供たちと布団の中でおしゃべり。隆正は自分の創作(?)「地球の滅亡」に凝っている。地球に宇宙人が襲来し地球が滅亡するという筋立て。旅男は「あいうえお」読めるようになったがそれでも母親に本を読んでもらおうとする。
5月20日〈水〉
帰宅。今日は結婚記念日。子供たちから誕生日のお祝いとして灰皿をいただく。子供たちが作った粘土の実にシュールな形の灰皿である。ケーキを家族でいただきながらお芳と酒を飲む。お芳と二人で最初にデートした神田の「ウエルテル」という酒場や、結婚前に旅行した吉野山の千本桜を思い出す。
5月31日〈日〉
隆正と車で前橋の西武百貨店へ。大古本市。隆正に「世界ノンフィクション全集」買ってやる。自分が小学生の頃に呼んだ本なり。今でもナンセン、アムンゼン、ノビレ、シャックルトン、スコット、ピアリ、バード少将などの極地探検家の名前が懐かしい。1万円なり。大変な買い物。
6月7日〈日〉
帰宅途中、アイスクリームを買って帰る。家族でハーゲンダッツをお腹一杯食べられるのはいつの日か。
6月21日〈日〉
隆正、剣道の試合へ。帰宅して1回戦で負けたとの報告。夜、父の日のお祝いのパーティー。子供たちにプレゼントもらう。隆正と麻季からバスクリン(!)旅男から紙製のバッグ。お芳の手作りのケーキ美味しくいただく。
6月27日(土)
古本屋で買ってきた水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」全8巻、子供たち、奪い合うようにして読んでいる。子供たちと腕相撲。
7月4日(土)
夜、子供たちと庭で花火をする。マッチの燐と火薬の匂いが狭い庭に溢れる。子供たち、ねずみ花火が好きである。
7月20日〈月〉
帰宅。子供の通知表見る。隆正、体育、音楽、図工が苦手だけれどもクラスの人気者であるとのこと。麻季はその三科目は出来る。しかし、通知表に深い意味はあるのだろうか。
7月22日〈水〉
今日から長年愛飲していたキリンビールからアサヒドライに大転換。夜、アサヒドライの試飲会。子供たちにも一口づつ飲ましてあげる。隆正「苦いけど冷たくておいしい」。麻季「こんな苦いもの、どこがおいしいの」。旅男「やっぱりドライだね」と意味不明のことを言う。
8月5日〈水〉
帰宅途中、伊勢崎市民病院へ。隆正扁桃腺の手術の後、よく眠っている。旅男は扁桃腺の手術を以前にしてしまっていることをお芳に聞かされ思い出す。今日は、お芳は泊り込み。麻季、旅男を連れて帰宅。家の近くのレストランで夕食。麻季、旅男、ともによく食べる。
8月6日(木)
伊勢崎市民病院へ。隆正、吐き気がしているとのこと。市民病院の売店で隆正に「マンガ・日本の歴史」を2冊買ってやる。
8月9日〈日〉
午後、家族で伊勢崎市民病院へ行く。隆正すっかり元気になっている。病院の屋上に隆正も一緒に出て家族の写真撮る。
8月12日〈水〉
帰宅。隆正退院している。入院前より痩せた感じがする。隆正、麻季、旅男とまた3人そろうと騒がしくなる。麻季も旅男も兄の退院を楽しみにしていたようである。
8月19日〈水〉
午後、お芳と子供たち、伊勢崎文化会館へ。「チョコレート工場の秘密」(ロアルド・ダール)という映画を観に行く。夜、隆正、新しい小説(?!)を書き始めたとのこと。
8月21日〈金〉
お芳と子供たち、町田の実家に帰省。帰宅して町田に電話。隆正、麻季、旅男、それぞれ電話口に出る。旅男ぼんやりしている様子。
8月25日(火)
帰宅。お芳、子供たち帰ってきている。隆正、麻季、旅男、三人とも元気そうである。町田への帰省旅行は楽しかったとのこと。隆正と麻季「父さん、旅男がねえ、上野から本庄の1時間半の間、缶ジュース1本をちびりちびり飲み続けたのよ。」と口々に言う。「そんなことできるのかよ」と自分が聞くと、二人とも「本当にやったのんだもの」と答える。ギネスブックものなのか。子供たち三人の自分に対する東京土産は大きな栓抜き。
8月26日〈水〉
帰宅。お芳と買い物へ。デコレーション・ケーキ買う。麻季の誕生日、皆でケーキいただいて祝う。麻季も8歳になったのである。
9月5日(土)
雨激しく降る。秋雨なのか。帰宅。隆正、剣道へ行く。麻季、旅男、パジャマに着替えもせずに眠ってしまっている。
9月15日(木)
帰宅。酒を飲んでいると、隆正の作文のことで担任の先生よりお電話いただく。熱心な先生なり。
9月20日〈日〉
午前8時過ぎ、近くのガソリンスタンドの顧客招待で鱒釣り大会に子供たちと参加。宮城村の釣り堀に行く。他の参加者は何匹も釣るも、自分と隆正はやっと1匹ずつというていたらく。麻季、旅男収穫なしで膨れっ面。鱒の塩焼きをいただき昼食。
9月23日〈水〉
秋分の日。沖縄では金環食。11時5分よりテレビ中継を子供たちと見る。子供たちにフイルムの露出感光したネガを渡して見させると部分日食見える。
9月27日〈日〉
朝、隆正といいだ屋へ行き、予約していた講談社の「二十世紀の出来事」購入。午後、幼稚園から帰ってきた旅男、すぐに遊びに外に出る。夜、隆正、「二十世紀の出来事」ばかり読んでいる。
10月3日(土)
帰宅。旅男君、幼稚園の運動会でかけっこ1位になったとのこと。
10月4日〈日〉
8時起床。隆正、麻季、小学校の運動会。夜、隆正NHKテレビでチャールズ・チャップリン「殺人狂時代」を観る。ビデオ録画する。
10月7日〈水〉
夕食、久し振りに鴨鍋。お芳の話によると鴨の肉は牛肉より安いそうである。隆正と旅男、奥の床の間のある部屋で一緒に眠り出す。麻季は母親と眠る。麻季は母親似なのか本当に寝つきがいい子供なのである。
10月9日〈金〉
帰宅。子供たちとおしゃべり。隆正の得意語「うーん、うーん」。麻季は「ハーイ」。旅男「忘れた」「わかんない」「ちょっと」。お芳は「ハイハイ」このお芳の「ハイハイ」は1回「ハイ」が絶対に多いのである。麻季の「ハーイ」と、お芳の「ハイハイ」には無限の距離がある。
10月11日〈日〉
朝8時30分。家族で林檎刈りに昭和村へ。1年に1万円の会費で自由に林檎刈りができる沼田地区の農協青年部の企画。関越高速道に乗る。2年ぶりの高速道路は疲れる。沼田インターで高速を下りる。林檎は「赤城」という品種で百個ぐらいもぐ。隆正「これが林檎園?」とちょっぴり失望したように言う。沼田文化会館で食事。帰宅、すぐ林檎いただく。四国と町田に送る。ただ,自分も林檎園のイメージが違っていたのでガッカリ。
10月16日〈金〉
帰宅。雨激しくなる。台風が接近しているとのこと。自分が帰ると、麻季と旅男がちゃんと「お帰りなさい」と挨拶をしないので叱る。
10月25日〈日〉
9時30分起床。曇天。お芳眠ったままで起きてこない。お芳起きるのが遅くて子供たち怒っている。麻季は6時30分に起きてマンガの本を読んでいたとのこと。夕方、子供たちと散歩。
11月7日(土)
隆正、ロバート・キャパの伝記の読書感想文で伊勢崎市の佳作の賞状いただく。ロバート・キャパの伝記とは「ちょっとピンぼけ」のことなのか。
11月15日〈日〉
朝、お芳と子供たち、坂東小学校のバザーに行く。留守番。夜、隆正と地図を見ながら勉強する。麻季、相変わらずコミックを熱心に読んでいる。
11月16日(月)
帰宅。夕食、焼肉。隆正、麻季、旅男、ぺろりと食べてしまう。昔の山賊はこういう食べ方だったのかと思ってしまう。果てなき食欲。
11月21日(土)
帰宅。旅男、児童絵のコンクールで入賞したとの葉書が着ている。「マミーマート」で賞品が貰えるとのこと。
11月22日〈日〉
レンタル・ビデオ店で「グーニーズ」借りてきて子供たちを観る。旅男「グーニーズ」の大ファンである。隆正遅くまで起きている。
11月25日〈水〉
明日は旅男の誕生日。恐るべきことに旅男は一ヶ月前から家族全員に対し、もうすぐ誕生日、後何日で誕生日とカウントダウンをしている。
11月26日(木)
旅男の誕生日。隆正が剣道から帰るのを待ってパーティー。旅男、ケーキを食べ兄さんや姉さんからプレゼントを貰い喜んでいる。室内で写真撮る。旅男6歳。幸せな兄弟のように思えてくる。
11月29日〈日〉
隆正、昨日から剣道の合宿。麻季と旅男を連れていいだ屋へ。麻季に「日本の歴史」旅男に「聖人聖矢」買ってやる。隆正、午後4時に帰ってくる。
12月6日〈日〉
朝8時起床。雪。お芳、旅男の坂東幼稚園親子餅つき大会へ行く。午後家族5人で群馬の森へ。群馬近代美術館で「中国文物展」を観る。雪だというのに参観者多し。子供たち、「中国文物展」ピンと来ず。父親自身が考古物と美術品の区別がよくわからないのだから仕方がないか。
12月13日(日)
朝、雪。子供たち9時ごろまで眠っている。午後レンタルビデオ店で「地底探検」〈20世紀フォックス〉借りてくる。子供たち喜んで観る。懐かしのパット・ブーンとジェームス・メースン。夜11時過ぎ、隆正なかなか眠れないと言うので一緒に寝てやる。
12月19日(土)
旅男君に絵画入選の表彰状届いている。賞品は腕時計。旅男の得意満面の表情が面白い。
12月21日〈月〉
会社の忘年会で伊香保温泉へ昨日一泊。帰宅して子供たちにお土産、温泉饅頭。麻季にオルゴール人形。1日遅れの自分の誕生祝いのパーティー。お芳の手作りのケーキいただく。もう40歳である。子供たちも元気そうで何も不安のない家庭のはずなのに。
12月22日(火)
夕方、子供たち小説(!)を書き出す。それぞれに面白い。子供たちの夢が話の中にある。
12月24日(木)
隆正、麻季、10時過ぎに小学校の終業式終え帰って来る。二人とも通知表以前より悪くなっている。
12月25日〈金〉
教え子の女性の結婚式に招待される。帰宅してクリスマスケーキいただく。隆正、麻季、旅男、それぞれ楽しそうである。
12月28日〈月〉
帰宅途中、古本屋へ寄り子供たちに「おとこオイドン」等、マンガの本20数冊を5千円分買う。帰宅。マンガのお土産に子供たちおおいに喜ぶ。麻季が一番マンガが好きで、次が旅男、隆正はそろそろマンガは卒業か。
12月31日(木)
帰宅途中、レンタルビデオ屋で「火の鳥」借りる。帰宅して夕食後、子供たちと観る。大晦日だというのにそういう感じもせず。まずは自分のお芳も隆正も麻季も旅男も元気だったことが何よりか。
続く