『怪談』



月の見えぬ夜だった。

厚い雲に隠された夏の月は、漸(ようよ)う姿を現さぬ。

雲の向こうには、葉月の満月がある筈だった。

風も無く、昼間の熱が、地を這うように留まる蒸し暑い夜である。

牛込柳町、試衛館道場には、今宵、人が少なかった。


行灯の灯が揺らめく、ほの暗い部屋の中、座する者達の影が、天井まで長く伸びている。

静まった部屋に、行灯の油がチリリと小さな音を立てた。

「――障子は、手指(てゆび)が入る程に、ほんの少しだけ開いていた」

じっとりとした空気の中、良く通る声が淡々と響く。

「何の気なしに、其方を見た喜八の目に」

語り部、近藤周助を前に、井上と宗次郎が行儀良く座している。

「障子の隙間から、すうっと、女の白い手が見えた」

宗次郎は、先程より緊張に張り詰めたままである。

「白い手は、ゆっくりと喜八に手招きをする」

宗次郎の小さな手は、指先が白くなる程に、固く膝元を握り締めている。

「ゆっくり、ゆうっくりと手招きする」


宗次郎は、息を呑んだ。

「すると、障子の向こうの女の影が、段々と姿を変えてゆく」

小さな面に収まる、宝石のような薄闇色の瞳が、大きく見開かれた。

「背が丸うなって、どんどん耳が尖ってゆく」

小さな躰が、ビクリと揺れた。

「そのうち、大きな尻尾が見えたかと思うと、見る間に二つ三つ、四つと分かれてゆく」

震える小さな躰が、隣の井上に縋りつく。

「とうとう、九つ迄に分かれた時、障子が勢い良くタンッと開いた」

宗次郎は、堪らずに、固く目を瞑った。

「ケーンッ!!」

「・・・っ」

大きな獣の声に、小さな躰は三寸程、飛び上がった。

井上の腕に伝わる宗次郎の鼓動が、早鐘のように打っている。



道場主、近藤周助の居室である。

夕刻、激しく降った俄か雨に、ここ数日の猛暑も収まり、漸く過ごし易い夜を迎えるかと思えば、涼しい所か、却って蒸し暑さに拍車が掛かる始末。


独り語りをしていた近藤周助は、小さな愛弟子の怯える様子に、苦い貌で口を噤んだ。

宗次郎は、蒼白な貌をして、声も出せずに、井上の腕にしがみ付いている。

「おしまい」

周助の言葉に、宗次郎は大きな瞳を見開いた。

「大先生っ、それから?」

徳利を傾け始めた周助に、宗次郎は急くように訊ねた。

周助は、ちらりと小さな愛弟子を見つめる。

「口伝は、そこ迄しか伝わっていないのだ」

「喜八さんは?」

「さあ、どうなったろうなぁ」

しらりと応え、杯を口に運ぶ師に、宗次郎はおずおずと問う。

「・・・食べられたのでしょうか?」

「そうかも知れんなぁ」

宗次郎は、大きく息を呑んだ。

怪談など、中途で聞かぬ方が余程に恐ろしい。宗次郎は、勇気を振り絞った。


「キツネは、いつも女の人に化けるのですか?」

「女ばかりとは限るまいなぁ。良く知る者に化けもしよう」

小さな躰は、ふるりと震えた。ふと、しがみ付いた腕の主を見上げる。

「源さん・・?」

「何だい?」

にこりと微笑む姿は、いつもの井上である。宗次郎は、ホッと溜息を洩らした。

「大丈夫だよ。宗次郎」

周助は、笑った。

「障子をピタリと閉めておけば、何も出ないさ」

さらりとした応えに、宗次郎は、更に井上に固く縋った。



夏の宵、あまりの蒸し暑さに宗次郎がグッタリとしていた処、ほろ酔いの近藤周助が、涼しい話をすると言う。

喜んで井上と共に周助の前に座したが、宗次郎にとっては、あまり有難い話ではなかった。

勝太と土方は、数日前から出稽古に出掛けている。


暗い廊下を、宗次郎と井上は、それぞれの部屋へ戻る。

「・・・源さん、もう寝る?」

「ああ、明日も早い。お前も、もう眠らないと」

周助の部屋を辞し、尚も袖を離さない宗次郎に、井上は微笑んだ。

「大先生のお話は、怪談?」

井上は、首を傾げた。

「さて、あまり聞かない話だったな」

薄闇色の瞳が、緊張した。

「じゃあ、本当のお話なのかな?」

袖元の手に、ぎゅっと力が篭められる。

「・・・一緒に、寝るかい?」

宗次郎は、井上を見上げた。思案の上、弱々しく首を横に振る。

「大丈夫」

やんちゃ坊主の勇気ある応えに、井上は感心した。


「寝る前に、厠へ行っておくかい?」

宗次郎は、大きく頷いた。それから、おずおずと井上を見上げる。

「源さん・・一緒に行ってくれる?」

「いいよ」

余程に恐ろしかったのか、一歩一歩を、宗次郎は慎重にそろそろと進む。

そのあどけない様子に、井上は口元が緩んだ。

「源さん・・・」

「何だい?」

宗次郎は、神妙に井上を見上げる。

「キツネは・・人を食べる?」

「喰いやしないよ」

「本当?」

「大丈夫だよ」

井上は、太鼓判を押した。しかし薄闇色の瞳は、まだ不安に揺れている。


一歩一歩を、大小の影は、そろそろと戻る。

「源さん・・・」

「何だい?」

小さな面は、真剣そのものだ。

「キツネは・・子供なら食べる?」

井上は、必死で笑いを堪えた。

「宗次郎は、キツネが恐いのかい?」

宗次郎は、コクリと首を縦に振り、それから、慌てて横に振った。

「ここは剣道(やっとう)の道場だから・・キツネは、きっと出ない・・」

自分に言い聞かせるように、小さく応える。

「何故、道場だとキツネは出ないんだい?」

興味深げに、井上は訊ねた。

「だって・・強い人が大勢いるから」

そこで、宗次郎は思い当たった風にハッとした。

「源さん・・・」

「何だい?」

「若先生と、歳三さんが居ない事・・キツネは知っているかなぁ?」

泣き出しそうなか細い声に、井上は、とうとう吹き出した。



いつもより、ずっと静かな暗い部屋で、宗次郎は、布団から目だけを出してじっとしている。

少し前から、微かに吹き始めた風が、梢を揺らし音を立てる。

恐怖に捕われれば、風にそよぐ葉擦れの音さえ耳につく。障子に映る立木の影も、宗次郎には、手招きをする女の白い手に見えた。

宗次郎は、頭から布団を被り、固く目を瞑る。

最後に聞いた周助キツネの声が、幾度も耳に木霊する。葉擦れの音は、獣の足音にも似てザワ、ザワと、宗次郎の耳に近く響く。

蚊帳が、僅かに揺れた気がして、布団の中、宗次郎は首をすくめた。

「大丈夫、障子はきちんと閉めた・・・」

まじないのように、小さく呟く。


暫くすると、風とは異なる、ヒタ、ヒタと廊下を軋ませる音が聞こえ始め、宗次郎は身を固くした。

なるべく自分が小さくなるよう、必死に躰を丸め込む。

キシ、キシとゆっくり近付く廊下の音は、宗次郎の部屋の前、ピタリとその音を止めた。

宗次郎は、心の臓が跳ね上がるのを感じた。声を少しも出さぬよう、必死に両の手で口を押える。

布団の僅かな隙間から、黒い影が、ゆっくりと障子を開くのが見えた。隙間から入り込む僅かな風に、蚊帳が、ゆるりと不気味に揺れる。

「源さんっ・・」

悲鳴のような小さな声が、喉奥から漏れた。



常の習慣で、眠る宗次郎の様子をみる為に、障子を開けた土方は、蚊帳の中、この蒸し暑い夏の夜に、ありったけの布団を被っている小さな丸みを認め、怪訝な貌をした。

じっとしているだけでも、汗が滲む程の蒸し暑い夜である。

「・・宗次郎?」

良く通る低い声に、布団の丸みが飛び上がった。

土方は、驚いて部屋に入った。蚊帳を捲り、素早く中に滑り込む。


布団の僅かな隙間から、薄闇色の瞳が覗いているのが見えた。土方は腰を屈め、その隙間を覗き込む。

「・・・何してるんだ?お前。障子を閉めたら暑いだろう?」

布団の丸みが、ピクリと動いた。

「・・誰?」

「は?」

土方は、眉根を寄せた。

「・・歳三さん?」

「他に、誰がいる?」

「・・・」

布団の小山は、出てこない。


「大体、蚊帳を吊って障子を閉める奴があるか?」

土方は、小山の横に伏せながら布団を突っついた。

「出て来い、チビ助」

それに応えず、隙間から更に問う。

「本当に・・・歳三さん?」

「何?」

このチビ助の言う事は、時々判じかねる。

「・・・キツネじゃない・・?」

「はあ?」

薄闇色の瞳が、布団の隙間から覗き見ている。

「だって、歳三さんは、若先生と出稽古に行ったもの」

「だから、こうして戻って来ただろう?」

「まだ、朝じゃない・・・」

「何だと?」

「白粉の、匂いもしないよ?」

土方は、危うく畳に頭をぶつけそうになった。

宗次郎にとっては、何の含みもない言葉である。

しかし、女房に朝帰りを責められる亭主の如き言われように、土方は、決まり悪く苦笑いした。


「チビ助」

「なあに?」

律儀に応えを返す辺りが、宗次郎の可愛い処である。

その律儀さに、土方は、吹き出しそうになった。

「今夜の内に戻ると、言ったろう?」

「・・こんなに遅く?」

「夕立で、足止め喰ったんだよ。ここでも降ったろう?」

「うん」

「それで、雨宿りしていた。わかったか?」

宗次郎は、押し黙った。常に見られぬ頑なさに、土方も口を噤んだ。


「障子・・閉めてあったのに・・・」

「・・一体、何言ってやがる、お前」

今夜のチビ助は、いつもに増して判じかねる。

このまま問答を続けても、埒が明きそうに無かった。土方は、布団を剥ごうと手を掛ける。すると、内側から力の限りに布団を押え込んでいる。

「おいっ、宗次郎。暑いだろうが?」

「暑くないっ」

流石に呆れた時、犬の遠吠えが聞こえた。

瞬間、飛び上がるように布団から抜け出た小さな躰は、がむしゃらに土方にしがみ付いた。

その勢いに、土方は体勢を崩してひっくり返る。

「何だってんだよ、お前はっ」

固くしがみ付く小さな躰は、震え上がっている。

「おい、チビ助?」

「助けてっ、歳三さんっ」

「何?」

「食べられるっ」

「ああ?」

本当に、訳がわからない。



震える背を撫でながら、土方は思案顔になる。暫くして、思い当たった。

「・・・大先生、だな」

舌打ち混じりに溜息を吐く。

「おい、チビ助っ」

土方は、胸にしがみ付く宗次郎を引き剥がした。

「お前、また大先生の怪談聞いたな?」

「はい」

土方は、溜息を吐いた。

「恐がりのくせに、懲りねぇ奴」

宗次郎は、頬を膨らませる。

「恐がりじゃないよ」

ふん、と土方は鼻で笑った。


「恐がりじゃない奴は、冬の布団なんぞ引っ張り出さねぇよ」

宗次郎は、押し黙る。薄闇色の瞳が、いつもより大きく見開かれている。

土方は、乱暴に小さな頭を撫でた。

「大先生の話すのは、作り話だ」

「・・・嘘?」

薄闇色の瞳は、僅かに潤んでいる。

「嘘とは違う。・・怪談だからな」

「怪談は、本当のお話?」

「怪談なんてのは、作り話だ」

「じゃあ、喜八さんは?食べられなかったの?」

「は?」

「障子を閉めたら大丈夫だよね?」

「何?」

「キツネは、子供を食べない?」

「・・・」

「歳三さんは、本物だよね?」

「・・・順に、話せ」

土方は、笑い出した。


宗次郎の、必死の説明を繋ぎ合わせ、土方は貌を顰めた。

(色々な怪談を、混ぜてやがる)

「それは“オトナイさん”だな」

「・・オトナイさん?」

土方は、布団の横で肘枕をしている。

宗次郎が引っ張り出していた冬の夜具は、蚊帳の隅に放り投げた。

開け放たれた障子の向こうから、涼やかな風が吹き込んでくる。


「オトナイさんは、障子や戸の隙間に現れる」

「隙間?」

「そう、隙間に寄る」

「オトナイさんは怪談?」

「あれは、不思議話」

「キツネは・・?」

「狐狸(こり)は、化かすだけ」

「女の人の手は?」

「それは狐だ。狸は、もっと大雑把なモノにしか化けねぇよ」

「大雑把?」

「そう、本所の足洗い屋敷とかな」

「・・・足洗い屋敷?」

土方の手は、小さな躰を撫でている。

「毛むくじゃらのデカイ足に化けて、天井から、ドンっと足を落とすんだ」

小さな躰が、弾けるように起き上がったのを、土方は、片手で夜具に押さえ込む。

「寝ろっ」

掌に伝わる宗次郎の鼓動が、弾けそうな音を立てている。

土方は、危うく吹き出しそうになり、誤魔化すように咳払いした。


「ともかく、オトナイさんは、きちんと挨拶をしてやれば、帰る」

「挨拶?」

「そうだ」

土方は、頷きながらも首を傾げた。

「・・障子に、指の跡を残して消えるんだったかな」

記憶を振り絞るように、天井を睨みつける。

「要は、障子に隙間を作らなければいいんだ。ピッタリ閉めるか、開け放つか、半端はいけねぇのさ」

宗次郎は、土方が開け放った障子を見やった。その先は、深い闇。

「子供、食べる・・?」

宗次郎は、真剣だ。

「喰わねぇよ。子供を喰うのは・・・子鬼、だったかな?」

「子鬼・・?」

弱々しい声に、土方は声なく笑った。

「チビ助。お前、もう子供じゃねぇんだろ?」

普段の強気は何処へ仕舞い込んだのか、薄闇色の瞳は、縋るような色を湛えている。

「だって・・」

「だって?」

「子供じゃないと思っても、子鬼がそう思わなかったら?」

土方は、薄闇色の瞳を覗き込んだ。

「そりゃそうだな。俺が子鬼なら、お前なんかひと飲みだ」

宗次郎が、後退りした。

吹き出しそうになるのを、漸(ようよ)う堪え、宗次郎の貌を覗き込む。


「そんなに恐いなら、何で源さんと一緒に寝なかった?」

宗次郎は、弱々しく応える。

「一人でも、大丈夫と思ったの」

「とても、そうは見えねぇがな?」

「一人でいたら、少しだけ恐かっただけだよ?」

「ふうん?じゃあ、一人で寝られるな?」

起き上がった土方に、宗次郎は、薄闇色の瞳を見開いた。

「歳三さん、一緒に寝てくれないの?」

土方は、にやりと笑う。

「チビ助は、もう子供じゃあねぇんだろ?大人は、一人で寝るもんだ」

「でもっ」

「でも、何だ?」

「歳三さんは、白粉の処に寝に行くんでしょう?」

「何だと?」

土方は、血の気が引いた。何処の阿呆(あほう)が、そんな事を吹き込んだのか。

宗次郎は、大真面目だ。

「それって、恐いから一緒に寝るのと違うの?」

土方は、二の句が告げない。

「お前・・何を・・・」

慌てる土方を見つめ、不思議そうに首を傾げる。

「大先生が、言っていたよ?歳三にも困ったものだって」

「・・大先生っ」

土方は、天井の闇を睨みつけた。

(あの人が、人の事言えるかってんだっ)


「たまには、勝っちゃんと寝るか?呼んで来てやるぞ」

宗次郎は、勢い良く頭(かぶり)を振った。

「若先生は、だめ」

「何で、駄目だ?」

「恐いの、知られたくない」

土方は、呆れた。

「・・俺なら、いいのかよ?一体、どんな理屈だ?」

「だって、歳三さんは、もう知っているもの」

「ったく、口の減らない奴」

袖を握り締める小さな手を、土方は指で軽く弾いた。


「お前が眠るまで、傍に居てやる」

「・・眠るまで?」

宗次郎の意地は、疾うに何処かに吹き飛んでいる。小さな手は、土方の着物を離さない。

宝石の瞳に、必死の色が浮かんでいる。

「歳三さんの部屋、蚊帳が無いよ?だから、一緒に寝よう?・・駄目?」

日頃のやんちゃは何処へやら。

「素直で良い事だ」

土方は、笑い出した。そのまま立ち上がると、宗次郎は驚いて土方にしがみ付く。


「待っていろ、夜具を持ってくるから」

「これじゃ、駄目?」

宗次郎が躰をずらしたのを見て、土方は、貌を顰めた。

「この暑いのに、くっついて寝ろってのか?」

「暑くないよ」

土方は仏頂面のまま、宗次郎の、汗で額に張り付いた前髪を掻き上げた。

「これを暑いと言うんだ。待ってろ」

「一緒に行く」

「隣だろ?すぐ戻る」

「やっ」

土方は、溜息混じりに小さな躰を抱き上げた。

「蚊に喰われても、知らねぇぞ?」

「平気」

「平気じゃねぇだろ?すぐに掻き崩すくせに」


廊下に出た二人の頬を、涼やかな風が撫でてゆく。

葉月の満月が、煌々と辺りを明るく照らしている。

「今夜辺り、狐や狸は何処かで祭りでも開いているさ」

土方は、笑った。

「少しは、涼しく眠れそうだな」

宗次郎は、土方の首にしがみ付く。

「あのね、歳三さん」

「何だ?」

「大先生のお話聞くとね、冷たくなるよ?」

土方は、ゴツンと乱暴に額を合わせた。

「チビ助。いい加減懲りろよ?」





早朝、小鳥のさえずりのような声が、土方を襲った。

「歳三さん。朝だよ、起きて」

小さな手が、土方の背を揺らしている。隣の夜具は、疾うに片付けられていた。

「・・・昨夜、遅かったんだ。もう少し寝かせろ」

「寝ぼすけ」

土方は、片目を開けた。宗次郎は、すっかり元気になっている。

散々怯えた薄闇色の瞳は、今朝は何の屈託もない。

随分と、威勢が良くなったものである。


「ねえ、歳三さん。お掃除終わったよ。稽古しよ?」

「稽古なら、勝っちゃんとやれ」

「若先生は、大先生と稽古なの」

「・・・源さんが居るだろ?」

「源さんは、お弟子さんに教えているよ」

「・・・竹刀の手入れは?」

「終わったよ。ねぇ、稽古しよ?」

土方は、布団にうつ伏せ耳を塞ぐ。

賑やかに覗き込む宗次郎を、唸るように怒鳴りつけた。


「煩え、チビ助っ。喰っちまうぞ」

小さな躰が、固まった。




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