add 9th 列伝

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…add 9th に集う人々をご紹介する連載企画…

  add9th 列伝 二

良い映画には必ずと言っていい程、存在感のある、味のある役者に出くわす。
黒澤作品では、宮口精二に、土屋嘉男。大島作品なら、戸浦六宏。そして今村作品には、私の大好きな泰ちゃんこと、殿山泰司。などといったところか。決して派手なタイプではないが、彼等がスクリーンに映る不思議と絵がしまる。 
内田裕之。ピアニスト兼、「うちだピアノ」の代表。
早稲田のジャズ研出身。当時の写真を見ると、若かりし頃の役者 、津川雅彦によく似た色男である。現在、携わるバンドは四つ。昭和歌謡からジャズまでをこなす、その幅の広さには驚かせられる。出過ぎることはしないが、常にバランスよく距離感を保ち、唄い手を最大限に引き立てるその才能に、名バイプレーヤーとして、引っ張りだこの理由が解る。また、逆に皆を引っ張ってゆくことの出来るコンダクターとしての才能もうかがえる。「昔は、やんちゃでしたねぇ」の言葉の裏には、彼自信きっと、いつもまわりに気を遣い過ぎる己に対しての苛立ちがあったのではないだろうか・・。こういう男は手ごわい。いつの間にか気がつけば、完全に主役をかっさらって持っていく手段もちゃんと心得ているからだ。毎度毎度、主人に従順な犬型のタイプでないことは確かである。ともあれ、目が離せない男である。
 
2006・04(改訂)

2006/04/17(Mon) 00:50


  add9th 列伝 一

未来に夢を託す男性は多いが、とりわけ過去に郷愁を憶え、どっぷりとその世界に浸り、「せつなさ」を求め、生きる男が居る。
さこ大介。通称「大介さん」、別名「酒 大好き」。
最近、会社の健康診断にて、糖尿の気があると宣告されたそうだが、相変わらず、実によく酒を飲む。大声でしゃべり、笑い、説教をし、泣き、そして大きなクシャミをする。好きな事はと聞くと、「せつない事」と平然と答える。休みの日は三種の神器と称し、「酒」「手ぬぐい」「映画のビデオ」を準備し、酔いしれ、泣く。映画に酔っているのか、酒に酔っているのか、それとも「強さ」に憧れながらも、そういう風にしか生きられぬ己に酔っているのか・・・。好きな女優は、高峰秀子。歌手なら、美空ひばりに、ちあきなおみ。雑学も凄いが、やたら日本映画、日本歌謡史に詳しく、うるさい。立川談志もそうとう日本の歌謡史に詳しいが、一度対談をさせてもおもしろいと思う。現在、彼が率いる「大介ばんど」は活動休止中だが、これからも曲を書き歌を唄い続けていくと言う。
ウチでのライヴ・アルバム「遠く・・・」は郷愁を感じさせてくれる実に胸にくる作品集である。
 彼の指は包丁も持ったこともない女のように、細く繊細だ。目は指を裏切って鳥のように小さく鋭い。もしこの人に鷹のような鋭い爪を持ち合わせていたら、ボビー・ブランドの「it’s・not・spotlight」を「失くした光」と題し、「何処かに落としてきた、あのときめく光を・・・」なんて唄ってはいなかっただろう

2006・04(改訂)

2006/04/17(Mon) 00:48


  はじめに

日々、来店してくださる方達の中にも、実にユニーク、かつ個性的でアクの強い人が居る。
愛すべき、私の大好きな 「友」 と呼ぼう。皆、心優しく、時には鋭い感受性の持ち主である。
そんな彼等、彼女達を少しづつ紹介してゆこうと思う。
題して、「add 9th 列伝」
 私の見解で、独断として書かせてもらうのだが、お許し頂きたく前もって言っておく。
今後登場する魅力的な彼等、彼女達を酒の肴に話も弾めば、とても喜ばしい。
とりあえず、愛情と敬意を込めて書かせて頂こうと思う。
乞うご期待。
(け)

2006/04/17(Mon) 00:15


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