「プロの将棋の棋士名をなるべく多く答えよ」と、聞かれたらどうしますか?とりあえず「羽生元七冠」公文式の宣伝で羽生さんといっしょに出ていた「田中寅彦」また、最近SBSラジオの朝10時前にほとんど毎日人生相談等で出演の「米長邦雄」そして、少し前にこのコーナーでもとりあげた林葉直子との不倫相手であった「中原誠」くらいしか将棋に興味のない方は出てこないと思います。まてよ、実在の人物でないかもしれないけど「阪田三吉」となる・・・かな?と、いうわけで(どんなわけだ?←大福屋三太夫風に)今回は、阪田三吉について書いてみます。
阪田三吉は、もちろん実在の人物で、明治3年に大阪で生まれ昭和21年に76才で亡くなっています。今でも「阪田流向かい飛車」という戦法も残っている程、強い棋士でした。
また、阪田三吉ほど、劇映画に取り上げられた人も少ないと思います。三国連太郎、勝新太郎、辰巳柳太郎、緒方拳、森繁久弥など一流の俳優がこの人を演じました。そして歌謡曲の世界でも数多く歌われ特に村田英雄の「王将」は有名です。しかし皮肉にも、これらにより将棋指しに「無学で、頑固で貧乏、ただ闘志の固まりで家族をかえりみない」というイメージが世間にできあがってしまい、一時は「阪田三吉物語は棋界にとってマイナスだ」というのが定説となりました。
しかし、劇映画の中と、実際の阪田三吉とはかけ離れた部分も多かったようです。酒は飲まず、煙草は吸わず、博打とも縁がなかった。残る一つの女についてだが、女房小春(正しくは、こゆうといった)に「いかに苦労をかけ、自分をはげましてくれたか」という言葉が残っているだけである。また、どうして将棋があれだけ強くなったかと納得させる描写も全く欠けています。
真夜中に一人、一心不乱に布盤(木の盤だと音がして家族が目を覚ますので音のしない布盤を使用した)で研究に打ち込む姿を描いたら阪田三吉のそして棋士のイメージも随分変わったでしょう。現に私が最初これを知った時には、グッとくるものがありました。
ほかにも「銀が泣いている」という有名なことばや当時名人候補の木村義雄、花田長太郎八段との対戦でいずれも初手に端歩(将棋盤の左端の歩で、初手につくのはほとんど1手パスの感じです。こう指された相手は、「弱い!」と思うか反対に「なめてるな!」と思いカチン!とくると思います)を突いて敗れました。これは、漫画「月下の棋士」にもでてきました。さらに弱点である「角頭の歩突き」とか誰もやったことのない奇手を多く生みました。たいへん個性が強く、私の好きな棋士の一人です。
それでは、また次回まで。
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