第1号 真夜中のデート


                  
                   
                 
夜中、子どもが寝た後、夫と二人で散歩に出かける。
近所のビデオ屋へビデオを返しに行く。
子連れで歩くと遠い道も二人で歩くと随分近い。
ゆっくり、ビデオを見て歩き、子どもがいない喜びをつつましく堪能する。
帰り道、一本の缶コーヒーを二人で飲みながら歩く。
「手をつなごうぜ。」
「うん。」
しかし、どうも恋人同士のようなときめきに欠ける。
公園に寄って、公園のど真ん中で抱き合ってキスしてみる。
あまり、ワクワクしないが、ちょっと面白い。
「知ってる人に会ったらマズイよ。」
「夫婦だぜ。あら、仲のよろしいことってなもんよ。」
とか言って、結局盛り上がらない。

そのあと、最もハラハラドキドキする時がくる。
スリリングな瞬間!
ドアをそっと開けたとき、
シーンと静けさだけが私たちを待ち受けてくれた。
「ほら、大丈夫だった。」
「ラッキーベイビーだね。」
と、ほっとする。
知らぬは子どもばかりなり。
二人の子どもたちの毛布をかけ直しながら、
「また行こうね。」
と、言う私たちでした。

しかし、
公園のキスより帰った時の方が
はるかにスリルがあるっつうのは、どういうこっちゃ。



・注意・
このホームページをご覧の子持ちの皆さんへ
上記の行為は大変危険ですので、
決してまねしないでください。

(1998.5)

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