第2号 大人だって遊ぼうよ



子どもたちは、土手を走っているだけで楽しそうだ。
つま先立ちで5m歩いたら、もう、ニコニコ笑って
「ほら、見て。」
と、大喜びだ。
夜の床では、
「もっと遊びたかった。」
と、ぐずり
「どうして夜になっちゃうの。」
と、一日の終わりを惜しみ、
「明日は誰と遊ぼうかな。」
と、目を閉じる。実に子どもがうらやましい。


「ジュージューホットケーキですよ。」
出来上がると、娘は私の所に持ってきてくれる。
木製のフライパンにおはじきを乗せて
慎重に慎重に歩く。
でも、必ずこぼしてしまう。
それなのに、娘はイヤな顔一つせず、
もう一度、それらを拾い、フライパンに乗せ、
そして、私の所まで運んでくれる。
何度繰り返したことだろう。
誰にやれと言われたわけでもないのに
何度も何度も
こぼして、拾って、乗せて、歩く。

この真面目な生き様は何だろう。
だって、私、やりたいんだもの。
ただ、それだけの理由で遊び続ける。
そして、それが楽しくてたまらない。
なんてすてきなことだろう。

しなければならないことしかしていないとき、
心が渇く。
しなくていいのにしたくてたまらないこと
していますか。
それを私は「遊び」と呼びたい。

大人だって、遊びたい。
人生遊んでみませんか。


(1998.5)

           
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