ファンタジーって、なんですか。


シュタイナー風なおもちゃを紹介する前に
これらのおもちゃを使ってどう遊ぶのかお話します。

3歳では、一人遊びをじっくり、
4歳になったら、二人遊びをたっぷり、
そうして育った5歳児は、三人以上で相談しながら
遊ぶことができるようになります。


ここで言う「遊び」というのは、ファンタジーのある遊び方を指しています。

ファンタジーって、なんでしょうか。

例えば、一本の木の棒があります。
ある子は、それをバイクのハンドルに見立てて、「ブルルルル・・・」と、走って行きました。
止まって、ベンチに腰を下ろすと、「さて、おやつにしよう」と、言って、
その木の棒を焼き芋に見立てて、おもむろに食べ始めます。
そのうち、「あ、雨が降ってきた。」と、言って、その棒を傘にして、さすまねをして歩き始める。
雨がやむと、再び、バイクのハンドルに見立てて「ブルルルル・・・」と、走っている。
そんな遊びをファンタジーがあるといいます。

ファンタジーを湧き起こすおもちゃは、なんにでも変化します。
どんぐりは、御飯にも、お金にも、電車のチケットにもなってしまいます。
松ぼっくりは、おにぎりにも、ネコにも、クリスマスツリーにもなってしまいます。
石、小枝、木綿の布、・・・・なども同様です。
それらに、顔をつけたり、色をつけたり、そんな細工はいっさいしません。
自然のまま、拾って来たら、きれいに洗って、干して、
ちょっと磨いてあげれば、できあがりです。
これらのおもちゃは、0歳からずっと長い間遊べます。

おもちゃに遊んでもらうのではなく、おもちゃで遊ぶのです。


私は、はじめ、ファンタジーという意味がわかりませんでした。
普通、メルヘン、童話、おとぎ話のことをファンタジーというじゃありませんか。
だから、ファンタジーのある遊びというと、
自分が妖精になったり、小人になったり、
お姫さまになったりしないといけないのかと思いました。
が、そうではないようです。

また、クリスマスにサンタクロースが来ると信じさせることが、
ファンタジーなのかとも思いましたが、そうではないようです。
クリスマスは、家族で愛を感じ合うような日にすべきであって、
なにも、こんなときばっかりサンタを信じさせて、
ファンタジーを求めているつもりになるというのは、いかがなものでしょうか。



デパートのおもちゃ売場に売っていそうな
プラスティック製のおもちゃにファンタジーがあるものは少ないです。
なぜなら、それらの遊び方は、大抵一つしかなく、
子どもが一分いじくり回したら、もう、調べ終わってしまい、
もう二度と振り返ってくれないおもちゃが多いからです。
もちろん、お気に入りでよく遊べるものもあるでしょう。
でも、たとえば、それが、「魔法の棒」として売られていて、
子どもの目にそれが「魔法の棒」にしか見えないとしたら、
これはファンタジーのないおもちゃということになります。
同じお金を払うなら、よく見極めて質の高いおもちゃを与えたいものです。
それは、拾ってきた石、小枝で十分だったりします。

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