ウルトラヒロイン初の水着公開です。
「ウルトラセブンでいちばん好きな作品を聞かれると、私は『ノンマルトの使者』と答えることにしています。アンヌが出ずっぱりで活躍するし、リゾートファッションなど、自由な服が着られたからです。私服で出演するときはほとんど自前と記憶しています。このときも自前で、帽子をかぶったり、いろいろと工夫しました。そうです、みんな自分でやったんですヨ。当時は、スタイリストという職業はありませんでしたから。水着姿も、べつに抵
抗はありませんでした。満田監督を信頼してぃたし、私自身もノッていました。ところが、その信頼関係を破るような企みがあったのです。冒頭シーンで砂に埋もれた私に対し、スタッフは先にお風呂に入れと勧めます。旅館の広いお風呂にひとり、私はゆったりと入浴を楽しみました。このお風呂がクセモノだったのです。お風呂の周囲は魚が泳ぐ水槽になっていて、外のスタッフからは丸見え!それを知っていて、私にお風呂を勧めたので
す。」(ひし美ゆり子、※2)
出かける。相手はいいところ撮影してもらいたいから最高の部屋、最高の食事で歓待してくれる」(上原正三、※7)と記しております。とすると、ロケ前から宿泊先に水槽風呂が存在していることは認知されていた、ということになりますよね…。ノンマルトはカッパちゃんとカップリングの伊豆半島ロケの作品ですので、シナハンで水槽風呂を見つけたことが、シナリオに反映され、犯行に及ぶ引き金になったのでしょう。
「新宿の酒場"ばっかす"、グラスの氷が溶けてコチンと鳴った。脚本の金城哲夫と私、新しいストーリー作りに頭を悩ます。…(中略)…二人とも段々のって来た…水割りをグイと飲み乾して二人は立上った」(満田かずほ寄稿、「ウルトラセブンSFヒ
ーローの素晴らしき世界」より)
「…砂だらけにして」
ってことになって、大いに盛り上がったのでしょう…。
「…ウルトラセブンでは、ひとつにはシリーズに新味を出すために、そしてひとつには前シリーズでの佐々木=実相寺の作風に影響を受けつつ、ネガティブ・アプローチの作品が増えている。つまり、ウルトラセブンに対するドラマチックな問いかけが
なされて、単なる勧善懲悪のフレームからかなりはみ出してきている。…(中略)…ウルトラマンでごく正調のヒーロー像をせっせと作りあげてきた金城哲夫ですら、ウルトラセブンでは佐々木=実相寺ばりに、ヒーロー像に辛口の揺さぶりをかけてい
る。そこに登場する海底人たちは、地上の論理を押しつけて海を開発する人間たちとそれに味方するウルトラセブンを侵略者として切々と糾弾するのだった。」(樋口尚文、※8)
「そんなある日、噂の男が企画室にやって来た。TBSの担当プロデューサー橋本洋二だ。
『隊長は、出動しか言わないのですか?』
金城もとまどいを見せる。局の担当プロデューサーがセリフにまで口出しすることはこれまであまりないことであった。
『え?』
負って登場するわけでしょう』
と金城。
毎回、出動!撃て!それだけ言うのであればロボットと同じではないかというのだ。過去のシナリオ全部に目を通してきたに違いない。確かに、毎回どんなストーリー展開にするか、ど
た記憶はない。ウルトラQから約三年になろうとしている。書き慣れた私たちは、ついついドラマツルギーの基本を忘れてしまっていた。虚を突かれた思いだった。
金城が素直に反省した。
正三、※7)
製作スケジュールから考えると、第3クールあたりから、新プロデューサーである橋本洋二氏の影響を受け始めたと考えられます。
「ウルトラシリーズは、一見ひとつの流れに見えるが、金城哲夫・円谷一コンビに代表される英二直系の作品群と、TBS系の人々がつくった作品群との二路線ができていた。円谷路線を直球に見立てればTBS路線の作品は変化球が多く、それがシリーズに多様性を持たせ
幅をひろげた。作品の特色は担当したTBSのプロデューサーによっても生まれた。シリーズ最初の担当者かこいたかしが怪獣路線を敷き、「ウルトラマン」のコンセプトを決めたが、まもなく管理職になって現場の仕事を三輪俊道にゆずった。おだやかな人柄の三輪はそのコン
セプトを忠実に守って「ウルトラセブン」に発展させ、シリーズをゆるぎないものにした。「ウルトラセブン」のなかごろから加わった橋本洋二は、理論家肌で作品にテーマ性を求めた。その甲斐あって「ウルトラセブン」は十一ヶ月という長丁場をのりきることができたが、橋本の参
加は金城にとって運命的なものになった。」(山田輝子、※6)
夫氏でしたが、師匠と弟子という徒弟制のような間柄でのシナリオ修行では、限られた時間の中で、シナリオを書き上げることが重要視され、テーマ性や深遠さなどはあまり問題とされなかったようです。つまり金城哲夫氏は、作家になるためのではなく、職人になるための
修行をしていたといってもいいでしょう。
という金城氏でしたが、
しかし、「特撮物に感情というテーマを与えようとした橋本洋二の断固たるポリシーは、それがすべての原因とは言えないまでも、金城哲夫の表現者として満たされていなかった部分を突いて、彼を唐突な帰郷にまで追いこむ大きなきっかけとなったにちがいない。」(樋口尚
文、※8)という見方が、金城哲夫氏のセブン終了後半年も経たない突然の帰郷を物語っているようです。
その点、大学できっちりとシナリオ制作の基礎過程を踏んでいた上原正三氏は、橋本プロデューサーと切磋琢磨しながら腕を磨き、金城哲夫氏の帰郷後も東京に止まり、「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンエース」といった後期ウルトラシリーズのメインライターとして活躍
しました。また上原正三氏に加えて、市川森一氏、佐々木守氏、長坂秀佳氏ら、橋本プロデューサーと時には衝突をしながら仕事をした脚本家たちは、強いテーマ性と熱い人間ドラマを子供番組に持ち込んだ「橋本学校の卒業生」と呼ばれています。
身長:30m
身長:1m70p
大メシ喰らいの海底基地係員に、科学特捜隊のイデ隊員:二瓶正也さんがゲスト出演しています。二瓶さんは東宝所属で、「ウルトラQ」にも3本ほど顔を出していますし、「マイティジャック」「戦え!マイティジャック」にもレギュラー出演して、クラタ隊長やアオキ隊員と共演しました。また、平成セブン「太陽エネルギー作戦」や、映画「ウルトラマンゼアス」にも出演されています。
謎の少年の情報を求めて聞き込みを開始するアンヌは、港で、海岸で、精力的に動き回ります。やる気マンマンのアンヌは、セブン始まって以来の快挙です!しかし、超マジアンヌの横では、手持ち無沙汰にしている男がいます…。そう、モロボシダンです。よそ見をしたり、キャッチボールの真似をしたりと、まったくやる気が感じられません。可愛いアンヌがガンバっているのに…。