疥癬   ポイント予防は、消毒ではなくて、手袋と手洗。 

 <消毒の方法>
 疥癬は、ダニですから、消毒剤では効きません。
 殺虫剤系統のものでないと効果がありません。
 できるだけ早期に石鹸と流水による手洗いがベストですが、
 それが不可能な場合は酒精綿や50%アルコールのスプレーを手指に使用します。

<オムツ交換,衣類交換>
 落屑の中には疥癬虫が潜んでいるかもしれないので、オムツ,衣類を交換する際はなるべくホコリが飛び散らないようにします。
 普段から脱いだ衣類はポリ袋等に入れて洗濯場所まで運ぶようにしてください。
 袋を使用するのはあくまで落屑が飛び散るのを防ぐためですから、再使用してかまいません。

<洗濯>
 毎日下着とシーツを交換し,洗濯します。
 できれば乾燥機にかけると良いです。
 ただし診断直後のノルウェー疥癬の患者の衣類には大量のヒゼンダニが付着している可能性があるので、
 洗濯する物は熱湯(約10分),または薄いクレゾール液(2〜3時間)で消毒後洗濯するようにしましょう。

<入浴>
 疥癬は浴槽での感染の可能性は低いです。
 通常の疥癬は風呂で感染しません。
 しかしノルウェー疥癬では多数の疥癬虫や卵を含む落屑が浴室,脱衣室などで飛び散り、
 あとから入浴する利用者にうつる可能性があるので、ノルウェー疥癬の患者は最後に入浴してもらい、
 職員も手袋をつけてケアした方がよいでしょう。
 体に直接触れるタオルの共用は感染の危険があるので、体に直接触れるタオルは利用者ごとに替えてください。
 特別養護老人ホームなどで集団で入浴していただく場合、
 脱衣場のベンチや椅子に敷いているタオルも利用者ごとに替えた方が良いと思います。
 入浴の順序は、診断直後のノルウェー疥癬の患者以外は入浴の順序が前後してもさして大きな問題ではありません。

<清掃>
 通常の疥癬では床の消毒,殺虫剤の散布は必要ありません。

<まとめ>
○集団発生を起こさないために、患者を個室に隔離する。
○入室時には予防着と手袋を着用する。
○治療中は肌着、シーツ、寝巻は毎日交換する。

==通常の疥癬の感染対策==
 室内などに殺虫剤を散布する必要はなく、丁寧に電気掃除機で掃除すればよい。
 肌着などの洗濯も通常通りでよい。

==ノルウェー疥癬の感染対策==
 患者の部屋の壁、床に殺虫剤(スミスリンパウダー)の散布を二日おきに行う。
 肌着などは50℃以上の熱湯で処理(10分以上)した後に洗濯する。

All Rights Reserved Copyright 宮崎県放射線技師会 日向地区学術班 2001.3.22〜
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