\.清掃について

病院各室の清浄度クラス

清浄度クラス名称代表的な室の例
T.高度な洗浄度が要求される。高度清潔区域 バイオクリーン手術室
バイオクリーン病室
U.Tに次いで高度な洗浄度が要求される。清潔区域一般手術室
V.Uよりもやや洗浄度を下げても良いが、
  一般区域よりも高度な洗浄度が要求される。
準清潔区域 ICU,CCU,NICU
血管造影室
分娩室
W.原則として開創状態でない患者が在室する
  一般的な区域。
一般清潔区域 診察室,一般病室
X線撮影室及び操作室
CT室,MRI室
人工透析室待合室,調剤室
X.病室特有でない一般的な居室。一般区域 事務室,医局
会議室,食堂
Y.室内で有害物質を扱ったり、臭気の発生が多い室で、
   室内空気の室外への漏出防止のため、空調は負圧を維持する必要がある。
汚染拡散防止区域 RI室,細菌検査室
空気感染症病室
患者用便所
使用済みリネン室
汚物処理室
Z.臭気や粉塵が多量に発生する室で、室外への拡散を防止するため、
  空調は負圧を維持する必要がある
汚染区域 一般用便所
一般用塵処理室


清潔区域の清掃
 特別な清掃法は必要とはしませんが、日常の清掃,清掃用具の管理に注意が必要です。

<日常の清掃>
・日常の清掃は午前と午後の1日2回を最低限にすることが望ましい。
・湿式で洗浄する。
・乾式清掃やほうき,はたきの使用はホコリの再飛散が起こるので使用してはならない。
・壁や天井の清掃は毎日行う必要はなく、年に1,2回程度清掃する。
・血液,体液,排泄物などが壁に飛散している場合には、ハイターやミルトンなどで、湿式清掃する。
・血液・分泌液・排泄物等目に見える大きな汚染物付着している場合は、あらかじめ汚染物を清拭除去し、
 ハイターやミルトン(0.5%)で清拭する。
 目に見える汚染のない場合は、特別な消毒は必要なく、通常の清掃でよい。
・手の触れるドアのノブ,スイッチ類を中性洗剤もしくは水拭きする。


<日常の清掃の注意事項>
○ほこりを極力たてないようにする。
○清掃用具は毎日乾燥したものを使用する。
○消毒薬を日常的に使用しない。(中性洗剤もしくは水拭きとする。)
○汚れを確実に除去する。
○きれいな水を使用する。
○清掃後の水分が残らないようにする。
○汚染レベルの低いところから高いところへ行う。
○一方向の拭き取り方法を守る。
○医療機器などの下も確実に行う。
○清掃業者の教育と監督。
○清掃後の手洗いを忘れない。



消毒薬が必要な場合
1.血液や体液での環境汚染時には、有効な消毒薬を散布後拭き取る。
2.クリーンルームや感染症室で感染経路になりうるドアノブや手すり、水周りの消毒。
3.使用後の雑巾やモップの減菌のための消毒
4.感染症室の患者の退院後の環境や医療機器の清掃。

消毒薬の噴霧について
 対象のすべての表面をカバーできないので不完全な方法です。
 空中に浮遊する消毒薬を人体が吸収することの有毒性が問題となります。
 したがって、消毒薬の噴霧は清拭するのに不適切な手の届かない場所などにのみ、補助的な意味で使用すべきです。

床の清掃について
 床は有機物等で汚染されているので、消毒よりも洗剤で消毒し、乾燥させることが大切です。
 また、ホコリを付着させないために、ワックスは有効です。
 ここで、ワックスとは樹脂ワックスをさします。
 ロウを成分とした水性ワックスは滑りやすいなどの理由で使用しません。

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