森林科学


森林科学

佐々木恵彦・木平勇吉・鈴木和夫 編
オールカラーA5判・308頁 定価5,040円(税込み)送料400円

執筆者(執筆順):佐々木恵彦・中静 透・吉川 賢・鈴木和夫・太田誠一・鈴木雅一・石川芳治・田中和博・桜井尚武・吉田茂二郎・熊崎 実・中村太士・
井上 真・谷田貝光克・永田 信・天野正博・木平勇吉

 森林を見る社会の目は大きくかわった.まず、森林に関心を持ち,この分野の研究に興味を持つ人々が増えている.興味の対象はさまざまで,植物や動物の生態,水や土の循環,地域社会,地球環境,バイオマス資源,体と心の健康などに関わっている.それらを学ぶ人々の専門分野も農学,生命,環境,工学,医学,社会学など多岐にわたっている.
 この変化を象徴するのが「林学」に対して「森林科学forest science」という新しい用語の出現である.今,森林への興味の広がりに応えて新しい科学の体系の構築が進んでおり.森林研究はこれまでに比べて格段に面白くなり始めたといえる.
 用語「森林科学」の出現を1990年とするなら、この本の執筆者は林学から始め,その後,森林科学を学んだことになり,2つの研究の世界を体験した世代である.その変化する現場を肌で感じたといえる.そのような感覚で森林研究のこれからの方向を考えて纏めたのがこの本である.(「序文」より抜粋)

目 次 第1章 はじめに-生物圏における森林の役割−(光合成が生物圏の形成に与えた影響/樹木の特性/バイオマスとしての樹木/森林の環境と生物の多様性/生態系間の相互作用),第2章 森林の生態(生態系と生態学/森林と樹木の生活史/森林,樹木の健全性),第3章 森林の多面的な機能(有機物の循環/水の循環/土壌と土砂),第4章 森林の管理技術(生産物の採取と利用/森林の造成と保護/持続可能な森林経営),第5章 人間社会と森林(人間の歴史と森林/流域社会と森林/思想形成と森林),第6章 これからの森林の役割(再生可能な生物資源/社会的共通資本としての森林/地球現場と国際協調),第7章 おわりに−森林科学の体系と課題−(定着し始めた用語「森林科学」/森林科学の体系を構成する3つの研究領域/森林の維持および更新の機構/森林を利用し管理する技術/森林を評価する人問の価値観/森林科学の課題/問題の広域複合化の例-丹沢自然再生-/大学教育における森林科学の意義)
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