カナダの製材工場訪問記


日本の林業関係者、特に製材工場経営者や木材流通業に携わる人たちにとって関心が深いと思われるカナダの製材工場を最近(1999年9月)訪問する機会があったので紹介することにします。
場所はB.C.州と並んで森林資源が豊富で林業、林産業が盛んなアルバータ州の州都エドモントンからジャスパー国立公園(バンフ国立公園と並んで日本人訪問者が多い)方面に向かう途中のエドソン(Edson)に所在するサンダンス(SUNDANCE)という名称の林産会社(Forest Industries Ltd.)です。
サンダンス社はロッキー山系のフットヒル地域に25万5千ヘクタールの森林経営を州政府により認可されています。
製材用原木はこの森林から伐り出されるもので、ロッジポールパインが90パーセント、スプルース(トウヒ類)が10パーセントの割合になっています。
年間製材量は20万立方メートルです。
これは日本の大規模工場の10倍規模ですが、カナダでは中堅クラスと位置づけられるところです。
特徴としては、出荷製品は100パーセントロッジポールパイン製材品であるということです。
したがってスプルースはこの会社では使いませんので、他の会社(ウエルドウッド社)のロッジポールパイン材と交換(バーター取引)されています。
なお大きな材(全幹材から枝落とし後の長材の形で工場に搬入されており、末口径は9〜24センチ)は自社伐採権取得森林からのもの、小物は他社からのバーター材ということになります。
サンダンス社は、サンプラスという別会社を同一敷地内に設立しました。
これは二次加工を行う目的で設立したとのことですが、実際の状況は、バーター材も含め、小木片等をフィンガージョイント接着し製品化しているものです。
出荷状況は製品の60パーセントが日本向けですが、5年前までは70パーセントが日本向けであったといいます。
これが55パーセントまで下がり、現在若干戻して60パーセントであるとの説明でした。
乾燥施設は一基350立方メートルで、72時間から96時間掛けて52〜54パーセントの水分を6〜20パーセントにおとしている。急激な乾燥を避けてハイグレード材の生産を目指しているとのことです。

工場の操業は8時間2交代制、午前6時半から夜中の1時半までとなっています。
女性従業員も手先の仕事の多いところに配置しているとのことですが、実際を見ますと男性と一緒に働いていること、賃金は男女格差なしで時給16〜20カナダドルということでした。


以下写真をご覧ください。


伐採対象森林



伐採跡地の遠望


ロッジポールパインの森林、手前は更新林分



サンダンス社の出荷用製材品(梱包済み)



梱包の表示



内容表示の拡大、TARUKIすなわち垂木を示す


工場貯材場に搬入されたロッジポールパインの丸太



工場の内部



高次加工、二次加工のサンプラス製材品


小材を接着加工


小材から製造された製品


男性及び女性の従業員



女性の従業員



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