暴風による欧州の森林被害
1999年12月26日、欧州を襲った暴風は甚大な森林被害をもたらしました。
ドイツからの情報では、オルカン"Lothar"による森林被害は、フランス全土で1億1千万立方メートル(フランス発の情報としてフランス全土で1億4千400万立方メートルの被害が発生したとの報道もあります)、ドイツでは「黒い森」の所在地である、バーデン−ヴュルテンベルク州の被害が甚大で、2千500万立方メートルの風倒木被害が発生したとのことです。
ドイツの他の州では、バイエルン州300万立方メートル、ラインラント−プファルツ州100万立方メートルの被害となっています。
フランス、ドイツ以外の国では、スイスで1千万立方メートル、オーストりーで100万立方の被害が発生し、欧州全体では、1億5千万立方メートルの被害量となっています。
また、12月中旬には、デンマーク及びスゥエーデン1千200万立方メートルの森林被害が発生しているとのことです。
なおドイツでは1990年3月に、史上最大といわれた7千万立方メートルの風倒木被害が発生しています。
日本では、1991年に発生した台風19号等による森林被害が近年では甚大なものですが、この時の風倒木被害量は約800万立方メートルと見積もられています。
被害対策としては、ドイツではスプリンクラーによる散水(虫害予防)が2000年3月現在行われています。
また10年前にも実施された経常伐採を縮減して、被害木を優先的に処理する対策が実行されるものと考えられます。
フランスでは、被害を免れた森林の伐採を中止すること、私有林からの丸太売買を優先するなどの措置がとられる模様です。
ドイツ 黒い森の被害写真(宮下正次氏提供)
一旦、丸太にして森林内に集積し、販売されるまでの間虫害等を防止するためスプリンクラーにより散水する方法がとられ
ています。