(林野庁)
1 趣旨
間伐の適切な実施、公益的機能を重視した長伐期施業・複層林施業の一層の推進等を、森林の現況に即しきめ細かく行うため、森林施業を計画的・合理的に実施するための手法である森林施業計画制度の拡充を図るとともに、森林施業に係る市町村の役割を強化する等の措置を講ずる。
※長伐期施業:主伐の林齢を通常の伐期齢の概ね2倍以上とする森林施業
複層林施業:森林を構成する立木を部分的に伐渓し、植栽により樹齢・樹高の異なる立木により構成される森林を成立させる森林施業
2 概要
(1)間伐の適切な推進
@ 森林所有者による合理的な施業を誘導するための「森林施業計画」の認定要件に、計画的な間伐の実施を追加する。
A 保安林における間伐について、許可制から事前届出制に簡素化する。
(2)公益的機能を重視した森林施業の堆進
人工林における長伐期施業・複層林施業を誘導するための「特定森林施業計画」について、
@ 森林所有者が共同して作成する方式を導入する。
A 計画の対象に天然林を追加し、里山林等における広葉樹の適切な育成を促進する。
(3)森林施業に係る市町村の役割強化
@ 間伐・保育を中心とする「市町村森林整備計画」の内容に、造林及び伐採に関する事項を追加し、総合的な計画とする。
A「森林施業計画」の認定、伐採の届出の受理、伐採計画の変更命令、施業の勧告等の権限を、都道府県知事から市町村長へ委譲する。
(4) 多様な意見の反映等
@ 地域森林計画等の案について、1ケ月の縦覧期間を設ける。
A 上下流の連携による森林整備を促進するため、森林整備協定の内容として「基金への拠出」を明示する。
(詳細については、平成10年10月21日、官報 号外第216号 2分冊の1 に掲載)
平成10年度 (平成9年度)
1林道等の整備の促進 単位:億円程度
ふるさと林道緊急整備事業 1,960(2,000)
2 豊かな森林づくりの堆進
(1)公有林等における間伐等管理経費に対する 500( 350)
財政措置 【拡充】
(2)公有林化の推進(地域環境保全林・公益保全林) 460( 500)
3 豊かな森林づくりを支える人づくりの推進
(1)都道府県の担い手基金との協調事業(市町村分) 40( 40)
(他に都道府県積み増し最終分70)
(2)森林管理を行う第3セクターの設置等に対する支援 縦続(特別交付税措置)
4 豊かな山村づくりの堆進
緑のふるさと・ふれあいプロジェクトの推進 継続(過疎債等の活用)
(農山漁吋地域が果たしている国土保全のための多面的な役割の重要性にかんがみ、新たな観点から、地方団体が国土保全対策を総合的に堆進する、経費に対し、地方財政措置)
想定されている森林・山村対策に関連する事業
1国土保全対策ソフト事業
(1)国土保全の見地からの森林管理対策の充実等
(2)Uターン・Tターン受入れ対策及び後継者対策の充実等
(3)都市住民との交流事業等
(4)第3セクターの活用等
2 上下流の地方団体の話し合いに基づき、水源維持等のため下流団体が行う負担、分収林契約等に要する経真に対し、特別交付税措置
3 国土保全特別対策事業
(1)森林が果たしている国土保全機能を守るための森林の整備等
(2)新規就業者、後継者の確保のための貸付用住宅の取得・整備、若年層の定住促進のための各種施設整備等
(3)都市住民との交流を促進するための施設の整備等
(4)農山村の景観保全事業等
(5)国土保全事業を行う第3セクター設立に対する出資等
⇒森林・山村地域の市町村においては、間伐等森林の保全・整備に係る経費など地域の課題解決のための対策を充実することが可能
平成10年
10/1S(木) 参議院本会議 可決成立
10/16(金) 法律公布日の閣議決定
10/21(水) 法律の公布、一部施行(地域森林計画等の策定関係)
11月中旬 政省令の公布・施行
11月中旬 地域森林計画及び国有林の地域別の森林計画(案)の公告・縦覧
意見の申し立て(公告後30日以内)
12月中旬 地域森林計画及び国有林の地域別の森林計画(案)についての関係市町村長等からの意見聴取
12月下旬 地域森林計画(案)についての都道府県森林審議会からの意見聴取
12/31まで 地域森林計画及び国有林の地域別の森林計画の策定
2月中旬 市町村森林整備計画(案)の公告・縦覧
意見申し立て(公告後30日以内)
3月中旬 市町村森林整備計画(案)についての関係森林管理局長からの意見聴取
3月下旬 市町村森林整備計画の都道府県知事への協議
3/31まで 市町村森林整備計画の策定
4/1 法律施行