平成16年5月10日、不燃材としての認定がなされたという連絡がありました。
認定された建築材料名は、含水ほう酸塩・無機りん酸系薬剤処理/木材ということで、樹種についてはスギ科(スギ属)、ヒノキ科(ヒノキ属、ネズコ属)、マツ科(トガサワラ属、マツ属、トウヒ属、モミ属、カラマツ属、ツガ属)について認定が得られています。
情報元は、東陶エムテック株式会社(http://www.totomtec.co.jp)の吉田悠紀氏とアドコスミック株式会社(http://www.adcosmic.com/)の山田雄亮氏からです。
説明によれば、平成13年11月9日国土交通省により、スギ、ヒノキ、カラマツ、ベイマツの4樹種について、準不燃材の認定を受けたものであるとのことです。
さらに
なお6月18日、集成材について準不燃認定が得られたとの追加連絡がありました。
防燃液剤は安全・無公害との説明です。
また、防蟻性(シロアリ忌避率98.9%)、防腐効果に優れているとの説明がなされました。
質疑応答は、建築家、消費者の立場からなされ、先ず安全性ですが、各種試験に結果については詳しい説明もありました。需用者からの質問には透明性をもって答えていただけるものと思います。
難燃・準不燃・不燃の違いについては、至極端的な答えとして、難燃は5分間燃えない、準不燃は10分間燃えない、不燃は20分間燃えないということだそうです。
気になる価格については、一般木材より割高とのことで、詳しくは価格表(公開)によりますが、一部を紹介しますと、ヒノキ12.5mm厚、長さ2000mm、有効巾105mm、で1平米当たり材料設計単価で15,400円、スギ同11,800円、ベイマツ同12,200円、カラマツ(長さ1900mm、他は同)14,500円、全樹種1等材標準、運賃消費税別となっています。
2002年8月、不燃木材のサンプルが販売元の「株式会社 アサノ不燃木材」から森林塾に送られてきましたので紹介します。
不燃木材の見本です Photo by Fusho OZAWA
この不燃材は、スギ間伐材を使っています
不燃木材利用第1号は、東京汐留の地下道のウッドデッキだそうです。
不燃材の製造方法は、「ホウ砂」、「ホウ酸」を圧力をかけてスギ材に含浸(しみ込ませる)させるものです。
手にとって見ますと、普通の木より、多少重みがあります。
現在生産されているのは、厚さ24ミリ、幅87ミリ、102ミリ、117ミリ、長さ1メートルと2メートルの板材です。
問合せ先は、東京都豊島区東池袋2-44-1、小林ビル4階、アサノ不燃木材東京本社
電話03-5911-0241、FAX03-5911-0240です。
問いあわせ先変更の連絡(平成15年8月)がありましたので、下記をご参照下さい。
森林塾さま
いつも大変お世話になりありがとうございます。
東京事務所が移転しまして連絡先が変わりましたので、お手数ですが 変更もしくは削除をお願い致します。
前住所 東京都豊島区東池袋2−44−1 小林ビル4F TEL 03−5911−0240
新住所 東京都港区南青山5−451 福井県ビジネスセンター南青山291 TEL 03−5778−0289
なにとぞ宜しくお願い致します。
アサノ不燃木材
価格については、次の申し出でがありましたので、直接アサノ木材会社にお問い合わせください。
申し出で、
「森林塾さま 貴HPへ当社の不燃木材を掲載いただいてありがとうございます。
おかげさまで当社への問合せも増加し、心より感謝申しあげます。
現在、貴HPに掲載して頂いている不燃木材の規格、単価ですが、今までにない新しい素材であり、お客様のご要望等を元に更に改良を進めております関係上、規格や単価が頻繁に変更となる可能性があります。
その都度、森林塾様に修正をお願いしてお手数をおかけするのも申し訳ないので、恐れ入りますが、完全に規格、単価が確定するまでの間貴HPに掲載して頂いている不燃木材の規格、単価の部分を削除していただければ幸いです。
お手数をおかけいたしますが、何卒宜しくお願い申し上げます。
潟Aサノ不燃木材 福井県坂井郡丸岡町山竹田102−3 TEL 0776−68−0680」
森林塾としましては、木材の価格が、はっきりしているものは、応援したいと考えています。
不燃木材の価格を明確にされたことに敬意を表するものです。
頻繁に変更というのは、当面止むを得ないという事かも知れませんが、なるべく早く安定されるようお願いします。
参照 浅野木材工業HP http://www02.so-net.ne.jp/~asanomok/funen.html
最近、世界初あるいはわが国初ということで、福井県浅野木材工業が不燃木材の開発に成功し、国土交通省の認定も得られたという、報道がありました。
木については、燃えるから良いのだという人もいますが、火災の報道の際、木造であれば必ずその旨、記述されるという現実がありますように、消防関係者などにとりましては、消すことのできない、印象がしみ込んでいるようです。
元消防庁長官で、現在衆議院議員の滝 実先生とお会いしました際、先生から、不燃木材の開発についてより高い関心(林業サイドに)があっても良いのではないかという趣旨のお話があり、私も同感ということで、方々でこの話をして参りましたが、反応としては、相変わらず、木は燃えるから良いのだという意見と関心はあっても、不燃材の認定は不可能に近いという話のいずれかでありました。
そのような意味で今回のニュースは画期的というべきものです。
ご承知のように、鉄は熱に弱いといわれますが、耐火建築物とするには耐火被覆をするなどの条件が課されています。
では木の柱を耐火被覆したらどうかということを10年ほど昔、建設省の住宅局の専門家に尋ねたことがありますが、そのような発想は聞いたことがないという話でした。
今回開発の不燃木材は、板材として不燃外壁などに利用されることが想定されているようですが、もちろんこのことは大いに賛成ですが、同時に、構造材の耐火被覆に利用可能ということになれば、木の柱や鉄骨の被覆にも利用される可能性がありそうなので、大きな期待がもたれるところです。
ということで、不燃木材の認定や特許取得に関する情報あるいは不燃木材を利用して耐火構造建築を行うことについてのアイデアをお持ちの方がおられましたら、メールをいただきたいと思います。
内容は、本ページに掲載させていただきます。
宛先は、FAX:03-3370-9872です。
不燃木材開発のニュース
世界初の不燃木材開発! 国土交通大臣認定取得!
インテリアのプロのための展示会「IPEC21」にて発表(ブース:福井県間伐材活用協同組合)
IPEC21とは「インテリアのプロと企業をつなぐ国際展示会と会議」のイベント。(2001年11月19日開幕)
JIPA/日本インテリアプランナー協会協議会が主催して、(社)インテリア産業協会と、(社)日本インテリ
アデザイナー協会の特別協賛を得て、インテリアのプロが結束し、"インテリア"と名がつくインテリアを「環境」と、とらえた初めてのエキジビション。
ログハウスの製造を手掛ける浅野木材工業(福井県丸岡町猪爪五丁目、浅野成昭社長)は、不燃木材を国内で初めて開発し、福井県間伐材活用共同組合が製造を担当、不燃木材の販売を手掛けるティケイマテリアルズ(東京都港区)を通じ、2002年4月から販売を開始する。
不燃木材は、ガラスなどの素材に使われる「ホウ砂」と「ホウ酸」を、圧力をかけながら杉に染み込ませて製造する。バーナーで熱しても表面が炭化するだけで炎は上がらず、煙もほとんど発生しない。木の風合いや手触り、香りはそのまま保たれるという。特許を出願中。
建築基準法の防火材料判定基準では、750度で加熱して5分間燃焼しないと「難燃」、10分間で「準不燃」、20分間で「不燃」とされる。マウス実験で有毒ガスが発生しないことも確かめられた。
製品規格は厚さ2.4センチ、幅11.2センチ、長さ1メートルまたは2メートル。床や内外壁材などの建材のほか、金属やプラスチックの代用品として電化製品、自動車部品などさまざまな用途が考えられ、福井県間伐材活用協同組合を通じて来春から売り出す。
浅野木材工業ホームページ
http://www02.so-net.ne.jp/~asanomok/