森のようちえん訪問記


平成20年8月1日、上越森林環境実践塾(上越市保倉地区所在)の顔として活躍していただいている平野宏氏と上越市大貫(日本のスキー発祥の地・金谷山山麓)に所在の「森の幼稚園」を訪問した。
森の中の教室は、屋内教室から少し離れたところにある。
出迎えてくれた人は、小菅江美代表と教室である森林を提供している佐藤哲康氏(佐藤学習科学研究所代表取締役)及び友人の増田秀穂氏(住友金属直江津前社長)の三人。
さて、緑陰に腰をおろして周囲を見渡すと針葉樹と広葉樹の里山林で、現在12名の園児がいるとのことである。
小菅さんのお話では、当日は夏休みに入ったところで園児は不在とのこと。
猛暑日にもかかわらず、森のなかは涼風が吹いている。
木陰を利用した緑陰図書室でもあれば素晴らしいと思う。
自然の中での幼児の活動は危険であるとの声もあるとの話も出たが、そのような心配はないということの例として、秋田の佐藤清太郎さんの森の話を紹介させていただいた。
少し気になったことは、森の幼稚園ということで公的な助成を受けようとする場合、森の中に建物などの施設を保有することが条件になることがあるそうで純粋な自然は教室と認められにくいというような話も出ていろいろ参考になった。
周辺に材料はいくらでもあるので、自然にマッチするログハウスやツリーハウスなどがあっても良いとは思われたが、これは今後の検討課題であろう。
なお、最近の傾向として、佐藤さんのように所有山林を提供してくださる例も増えていることは心強いし、増田さんのように会社の仕事を思い切りされた方が、卒業後に森林やこどもの教育や健康に関心を持たれいろいろサポートをしていただく時代が到来していることを実感した。
また、新潟県内では、野外教育で有名な高野孝子氏(NPO法人 エコプラス代表、TAPPO南魚沼やまとくらしの学校など)もおられ、「森とむら」NO. 61に講演録も掲載されている(http://www.moritomura.or.jp/)ので参考にされるか、直接訪問されるのも良いと思う。


左が小菅江美さん

さて引き揚げようとしたところ、看板が目についた。上越市地球環境学校(中ノ股)11キロ先とのこと。平野さんに車を走らせていただいて見学することにした。
人家が全く見あたらない。20分程山道を走ったところ、50戸ほどの集落に着いた。
廃校になった小中学校が環境教育施設になったものである。



NPO法人の若い女性など数名の人が活動し、小学生から大人まで合宿も可能とのことである。
集落は、半数の家は、1人暮らしで、こどもは一人もいないとのことである。
自然が満ちあふれているこのような地域と都市部との交流などが促進されることを願って帰途についた。

(上越森林環境実践塾代表・小澤普照 2008/8/5 記)

写真集は森協ネットのホームページでご覧下さい。


トップページへ  上越森林環境実践塾の活動ページへ