小澤塾長京都モデルフォレスト推進大会でコメンテーターとして登場(平成26年3月3日)


「第2回森林・林業・木材産業京都会議」を開催し、午後は分野別会議として、

モデルフォレスト運動に取り組んで頂いている企業・団体、森林ボランティアの方々の情報交換・交流がおこなわれました。


1 日 時  平成26年3月3日(月)10:30〜17:00

2 場 所  ルビノ京都堀川(京都市上京区東堀川下町者町下ル 電話075-432-6161

3 内 容  全体会議(あいさつ、表彰、講演等) 10:3012:30

              モデルフォレスト運動推進大会 14:0017:00

              情報交換会 17:30


推進大会の内容の中で、モデルフォレスト運動の特徴を良く表わしているものとして、森林整備活動に積極的に参加している企業の発表があったのでコメンテーターを務めたものとして、以下これについて述べる。

 推進大会で活動発表を行った企業は、オムロン株式会社、三共精機株式会社、株式会社島津製作所、住友生命保険相互会社の各社で、特徴としては発表者が社長等企業トップが直接行うケースもみられ、モデルフォレスト運動の新しい息吹や企業CSR(企業の社会的責任)の現れと考えられる動きが見られた。
発表の要点は次のようになる。

 A 社、基本理念は、「企業は社会の公器である」、「企業市民の自覚と実践」を標榜、労組としては「人と社会のつながりをつくる」としており、「次世代に誇れる地球環境・地域社会をつくる」ことを目指している。活動成果としては、間伐(スギ林)の結果、林内に下草が生い茂ってきたこと、原木使用の「しいたけ」栽培や森の道づくり・橋づくりで楽しい要素を盛り込む、従業員・子どもを含む家族の参加により自然に対する正しい理解や自然との共生のあり方を学ぶことができた。今後の課題としては、将来どのような森にするのか、また地域に愛される、自然に優しい森にする工夫が必要。これを実現するための参加者のスキルアップ、リーダーが活躍する体制づくりが必要な時期になってきている。地元とのつながりを見直し緊密にする。ホタルが住める清流の持続のため水源林の整備をする。

B社、社是は機械工具商社として「ものづくりの課題解決」通して、ものづくりの発展と地球環境の保全に貢献するため「よく学び よく働き よく生きる」こと。活動は、仏教大学と提携して植林・間伐活動の資金負担などを行うこと。資金の捻出は、関係企業に声を掛け使用済み切削工具からレアメタルを回収しリサイクル工場で回収資源を活用する際、回収代金の一部をモデルフォレスト活動の中での「つながりの森づくり」に活かしている。因みにつながりとは「人と自然」、「現在と未来」、「人と人」とのつながりを目指すとしている。また2012年には同志社大学と連携し、国際インターンシップ生の受け入れも行っている。

C社、活動は広葉樹林の間伐などの森林整備、広葉樹等の植樹、樹木観察・林内散策等の環境学習、現地の木を利用した木工・レクリェーション活動を行っている。活動の特徴としては地元のためになる間伐と間伐材の運び出し・下草刈り・土砂崩れの道の整備・周辺地域の清掃など本質的な活動重視の姿勢を持っている。特徴の2番目としては、森林の専門家(府立大・府林務事務所・森林インストラクター会・樹木医会・府農林水産部のスタッフ)を呼んで観察会などを実施している。また間伐・椎茸の植菌などを新入社員研修として実行している。地域自治体・地元森林組合・観光協会などと密接な連携を心がけている。

 D社、生保会社の特徴を活かし、ヒューマン+ハーモニー=ヒューマニー活動を実行している。活動は多彩で未来を強くする子育てプロジェクト、チャリティコンサート、震災復興支援、ヒューマニー活動は職員参加型の海岸清掃・里山保全活動・苗木の補植などの地球環境保全活動・施設訪問・まち興しイベント支援など多岐にわたる活動を展開している。参加は全社的となるため、平成24年は、延べ約38千名の職員が参加した。また、創業100周年記念事業として竹の環プロジェクトについては平成19年から京都大学桂キャンパス内の竹林整備を京大総長や教授の講演・講義などと連携するほか、京都森林インストラクター会・京都土の塾・山仕事サークル杉良太郎の協力を得て活動が行われている。課題としては雨天で活動中止の事態が生じ対策の樹立が急務となっている。

この発表会を含め、ここ3年間にわたるモデルフォレスト運動関係者が集合しての推進大会や活動発表会は、企業トップによる発表の意気込みが感じられるとともに、一方現地活動の担当者による発表はその抱える課題や改善点などについて参考にすべき事柄が多く参加者にとって大変有益であると思われた。発表の中で今後関係者による意見交換などが必要と考えられた事項としては森林活動の性格上避けられない雨天対策などについては、今後知恵だしフォーラムなどの開催も企画してほしいと思われた。また各企業にとっては、日常業務においては森林との関わりは必ずしも密接ではないかも知れないが、モデルフォレスト運動に参加し、いろいろな角度から森林問題や林業問題、さらには地球環境問題についてまで考えていただいていることについて大変有意義であると感じられた。

 




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