木材利用シンポジウム(林業経済研究所第5回シンポジウム)

森と木と健康 - 国産材を利用すること-


 2001年7月に制定されたr森林・林業基本法」において、新たな森林整備の基本方針として山地災害防止・水資源涵養・生物多様性保全・保健休養の場の提供・木材供給等の森林の多面的機能の持続的発揮を重視する方向が打ち出されました。森林は国民の社会資本であるとして国民参加による森林管理が進めらようとしています。下流域の生活環境を持続的に保全するためには、上流域の森林を守ることが大切であるとの認識のもと、上下流の住民・団体・行政・企業・NPOなどが連携した様々な森林整備の活動がスタートしています。
 私たちはこれまで、その時々の経済社会の要請に応えるために木材を伐採し、例えば太平洋戦争時や戦後復興期などに見られるように時として森林を荒廃させつつ森林を利用してきました。しかし近年の森林利用の特徴は、林業や山村地域の苦境が続く中で木材生産の採算が合わないことから、木を伐ることも植えた木の手入れもできないことが、森林を荒廃させることにつながっていることです。現在の全国的に広がる森林荒廃は、間伐を促進するなど植えた木を適切に手入れをして健全な森林を造成することによってはじめて解消することができます。
 いま私たちには、社会的に多様な環境問題を抱える中で、健全な森林を取り戻しその森林の多面的機能を持続できるシステムを次世代に継承する責任があります。このシンポジウムでは、森林を守ることとは何か、木を伐ることにはどういう意味があるのか、国産材を使うことはどのように理解され、人間生活にどのように役立つのか、などについて皆さんと考えてみたいと思います。

日 時:2005(平成17)年10月8日(土)13:00−17:00
          *終了後、懇親会を実施します。
場 所:東京大学農学部弥生講堂
       地下鉄南北線東大前駅 下車1分
座 長: 小嶋隆雄氏(静岡大学教授)

報告者:
 @岡野 健氏(日本木材総合情報センター 木のなんでも相談室長)
      「施主は樹種に関心を持とう」
 A伊藤恭一氏(埼玉県消費者団体連絡会事務局長)
      「消費者にとっての森林を守ることの意義と活動」
 B上原 巌氏(兵庫県立大学助教授)
      「我が国森林の健康増進にはたす役割」
 C泉 桂子氏(日本学術振興会特別研究員)
      「コメと水と森一岩手・鹿妻堰土地改良区の水源洒養林−」

                 シンポジウム実行委員会(委員長 宮林茂幸東京農業大学教授)
                  (財)林業経済研究所  東京都北区田端2−7−26−201
                                   理事長 福島康記
                  (連絡)電話 03−3828−6602(FAX兼用)鈴木、奥山、青木
                              E−mail:office@rinkeiken.org
                              HP:http://www.rinkeiken.0rg/


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